英・オックスフォード大学生理学研究室のグループが、

低糖質にすることなく血中ケトン体を上昇させる

ケトン体サプリメントを開発し、

その効果を運動選手の持久力で検証した論文が

メディカルトリビューンで紹介されていたのでアゲアゲ

ケトン体サプリメントアゲアゲ

 

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「ケトン体(βヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトン)は、

糖質摂取が不足した時にエネルギー源として利用される

脂肪酸由来の物質である。

飢餓の時には、ミトコンドリアが存在せずブドウ糖しか

エネルギーにできない赤血球を除き、脳を含めた全身の

細胞がケトン体を利用するようになる。

 

極端な(1日50g以下に糖質摂取を制限する)低糖質高脂肪食は、

ケトン産生食として、難治性てんかん(Epilepsia 2009;50:304-317)や

パーキンソン病(Neurology 2005;64:728-730)の治療に

用いられており、また最近では、SGLT2阻害薬によるケトン産生亢進が

臓器保護効果を持つのではないかという仮説が示されるなど

Diabetes Care 2016;39:1108-1114)、

ケトン体の良い側面に注目が集まっている。

 

しかしその一方で、ケトン産生食により脂質異常症が惹起され

JAMA 2003;290:912-920)、血管内皮細胞を痛めるのではないか

Eur J Clin Invest 2009;39:339-347)との危惧が存在する。

そのような中、英・オックスフォード大学生理学研究室のグループが、

低糖質にすることなく血中ケトン体を上昇させる

ケトン体サプリメントを開発し、その効果を運動選手の持久力で

検証した論文を昨年発表していた(Cell Metab 2016;24:256-268)。」

 

 

「研究のポイント1:ケトン体サプリメントはエネルギー源となり、体内の代謝を変える

オックスフォード大学が作製したケトン体サプリメントとは、

ヒドロキシブチル-ヒドロキシブチレート(βヒドロキシ酪酸を

重合させたもの)のことであり、消化管内でβヒドロキシ酪酸となって吸収される。

6人の運動選手にこのケトン体サプリメントを摂取させ、

45分間の自転車こぎを

①高強度(最大酸素摂取量の75%)で行う

②中等度(最大酸素摂取量の40%)で行う

③行わない―の3段階設定の試験を、6人全員が1週間の

間隔をあけてクロスオーバーで実施した。

その結果、運動が高強度になるほどβヒドロキシ酪酸が

(よく利用されて)低濃度となり、エネルギー基質となることが確認された(図1)。

図1. ケトン体サプリメント摂取後の血中βヒドロキシ酪酸濃度の推移

また、運動強度が高くなるとエネルギー基質は脂質利用から

糖質利用に傾くことが一般的であるが、このケトン体サプリメントを

摂取すると、運動強度にかかわらずエネルギー基質として

ケトン体が利用される割合は変わらなかった(中等度18%、高強度16%)。

研究のポイント2:ケトン体サプリメントは筋肉内エネルギー基質を脂質に傾かせる

次に、このケトン体サプリメントを40%、ブドウ糖を60%含有する

ケトン体ドリンクを新たに作製し、同等エネルギーのブドウ糖40%、

果糖40%、マルトデキストリン20%の糖質ドリンクを対照にして、

7人の運動選手に飲用させた上で、クロスオーバーで高強度

サイクリングを2時間実施させた。

その結果、ケトン体サプリメント含有ドリンクの方が、

運動前後で筋肉内中性脂肪が減少し(図2)、

筋肉内グリコーゲン含有量は高く保たれていた(図3)。

図2. 運動前後での筋肉内中性脂肪の変化率

図3. 運動後の筋肉内グリコーゲン含有量(Darkがグリコーゲン量が抱負な筋線維)

研究のポイント3:ケトン体サプリメントは持久力を向上させる

さらに研究者らは、このケトン体ドリンクが持久力を

向上させるかどうかを検証すべく、ドリンク摂取後の

8人の運動選手に高強度の自転車こぎを60分間行わさせた後、

30分間最大限に自転車こぎをして、その30分間での走行距離を

測定した。また、クロスオーバーで前述の糖質ドリンクでも

同じ自転車こぎを行わさせ、30分間での走行距離を測定した。

その結果、8人のうち7人でケトン体ドリンク摂取後の方が

走行距離が長く、30分間という同一時間内に走行できる距離が

平均では400mほど延びていた(図4)。

図4. 30分間での最大限の自転車走行距離

図1~4ともCell Metab 2016;24:256-268)

「今回の研究を実施したオックスフォード大学生理学研究室では

同じケトン体サプリメントを30%含有した餌を

Wisterラットに与えたところ、運動持久力および迷路テストに

よって示される認知機能が向上したことを報告している

FASEB J 2016;30:4021-4032)。

ケトン産生食は長く危険視されてきた(JAMA 1973;224:1415-1419)。

しかし、もしケトン体そのものは安全であるとするならば、

食事制限をする必要がないケトン体サプリメントは、

身体・精神の両面で多くの疾病の治療・予防に

利用できる可能性がある(Cell Metab 2017;25: 262-284)。

最初に述べたケトン産生食による血管内皮細胞の機能低下は、

カロリー・脂質制限も含めて極端な制限食に共通に伴う

感情的な負担感のためなのかもしれない(Nutrition 2013;29: 1271-1274)。」

https://medical-tribune.co.jp/