厚生労働省が定めた妊婦の摂取目安は、
※週80グラム未満
クロマグロ、メバチマグロ、メカジキ、キンメダイ、ツチクジラなど
※週160グラム未満
キダイ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、クロムツ、マカジキなど
※刺し身なら1人前、切り身なら1切れが約80グラム。
メチル水銀は水俣病の原因物質だが、
一般的な食用に問題のない低濃度の汚染でも
胎児の発達に影響する可能性があることが
明らかになるのは、日本人対象の調査では初めて
日本人対象の調査である
ここはかなりのPOINT
今後も
日本人対象の研究調査の
データが集積されることを期待
マグロやメカジキなどメチル水銀を比較的多く含む魚介類を
妊婦が食べ過ぎると、生まれた子の運動機能や知能の発達に
悪影響が出るリスクが増すことが、東北大チームの疫学調査で分かった。
「2002年から、魚をよく食べていると考えられる
東北地方沿岸の母子約800組を継続的に調査。
母親の出産時の毛髪に含まれるメチル水銀濃度を測定し、
子に対しては1歳半と3歳半の時点で国際的によく用いられる
検査で運動機能や知能の発達を調べ、両者の関係を分析した。
毛髪のメチル水銀濃度は低い人が1ppm以下だったのに対し、
高い人は10ppmを超えていた。
世界保健機関などは、水俣病のような神経障害を引き起こす
下限値を50ppmとしている。
濃度が最高レベルの人たちの子は最低レベルに比べ、
1歳半時点で実施した「ベイリー検査」という運動機能の発達の
指標の点数が約5%低かった。
乳幼児期の運動機能は将来の知能発達と関連があるとされる。
3歳半時点の知能指数検査では男児のみ約10%の差があった。
海外の研究で、男児の方が影響を受けやすいことが知られている。
国は05年、海外の研究を基に、妊婦に対しメチル水銀の
1週間当たりの摂取許容量を体重1キロ当たり100万分の2グラムと決めた。
厚生労働省はこれに基づき、クロマグロの摂取は週80グラム未満とする
などの目安を示している。
今回の調査では食生活も尋ねており、約2割がこれを超えていたと考えられるという。
研究チームの仲井邦彦・東北大教授(発達環境医学)は
「目安を守れば、影響は心配しなくてよいと考えられる。
魚には貴重な栄養も含まれており、妊婦が魚を断つことは好ましくない。
食物連鎖の上位にいるマグロなどを避けサンマなどを食べるなど、
魚種を選ぶことが大切だ」と話す」。
個人、環境要因で差があるよう
「東北大チームの研究で比較的低濃度のメチル水銀でも
妊婦が摂取した場合、胎児の発達に影響するリスクがあることが
明らかになったが、影響の受けやすさには個人差があり、
多く摂取した母親の子が必ずしも大きな影響を受けるとは限らない。
今回の研究結果は、個人レベルではなく、集団として将来知的障害と
判断される子の割合が増えることを意味する。
例えば1000人の集団の場合、メチル水銀の影響がなくても、
知的障害と判断される子が23人程度生まれることが
経験的に分かっている。
メチル水銀を多く摂取した結果、ベイリー検査の点数が約5%
下がることは、これが約2倍の48人程度になるリスクが生じることに相当するという。
子どもの発達には遺伝や教育など、さまざまな環境要因も大きく影響する。
また、低濃度のメチル水銀と子の脳の発達の関係は未解明のことが多い。
個々の子に知的障害が疑われる場合、メチル水銀が影響したかどうかは
判別できないのが現状だ」。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161128-00000001-mai-sctch
http://researchmap.jp/read0055235/