1日でも早くできますようにキラキラ

皮膚がんのような身体の表面に近いものだけでなく、

食道がん、膀胱がん、大腸がん、肝臓がん、すい臓がん、

腎臓がんなど、全身のがんの8~9割はこの治療法でカバー可能。

費用も安く、日帰りの外来治療で済み、入院してもせいぜい1泊で済むそう!

2~3年後に実用化する計画?!なんとしてでも、その日までキラキラ

 

 

「近赤外線でがん細胞が1日で消滅、転移したがんも治す――

米国立がん研究所(NCI)の日本人研究者が開発した驚きの治療とは

人体に無害な近赤外線を照射してがん細胞を消滅させる

新しい治療法の開発が、世界の注目を集めている。
「近赤外光線免疫治療法」と言い、

米国立がん研究所(NCI:National Cancer Institute)の

小林久隆・主任研究員が開発した。
がん患者を対象にする臨床試験も順調に進み、

2~3年後の実用化を目指している。

がん治療法には、「外科手術」「放射線療法」「化学療法」の

3つがあるが、外科手術は患者の身体への負担が大きく、

他の2つは副作用がある。
転移・再発防止などにも課題があった。
これに対し、小林氏の開発した新しい治療法はがん細胞の

死滅率が極めて高く、ほとんどのがんに適用できる。
やっかいな転移がんにも有効だ。副作用がなく、必要な設備や

薬品は安価なので、医療費の削減にも大いに貢献しそうだ。

オバマ大統領が2012年の一般教書演説でこの治療法の発見を

取り上げ、「米国の偉大な研究成果」として世界に誇ったことを

覚えている方も多いだろう。


その後順調に研究開発は進み、NCIで20年越しの研究が

大詰めを迎えている小林氏に、この治療法の効果や革新性、

将来展望などを伺った。

☆近赤外線の当たったがん細胞は1,2分でバタバタと破壊される

・近赤外線を使うがん治療は、従来の医学の常識からすると

全く予想外の方法だと思います。

その仕組みや特徴について、分かりやすく説明していただけますか。

この治療法は、がん細胞だけに特異的に結合する抗体を利用します。
その抗体に、近赤外線によって化学反応を起こす物質(IR700)を

付け、静脈注射で体内に入れます。
抗体はがん細胞に届いて結合するので、そこに近赤外線の

光を照射すると、化学反応を起こしてがん細胞を破壊します。
近赤外線は、波長が可視光と赤外線の中間に位置する光です。

治療には近赤外線のうち、波長がもっとも短く

(700ナノメートル:nm、1nmは10億分の1メートル)エネルギーが

高い光を使います。
IR700はフタロシアニンという色素で、波長700nmの近赤外線の

エネルギーを吸収する性質を持っています。


その化学反応で変化したIR700ががん細胞の膜にある抗体の

結合したたんぱく質を変性させ、細胞膜の機能を失わせることに

よって1~2分という極めて短時間でがん細胞を破壊します。
その様子を顕微鏡で見ると、近赤外線の当たった

がん細胞だけが風船がはじけるようにポンポンと破裂していく感じです。

 

☆これほどがん細胞の選択性が高い治療方法は過去になかった

・これまでのがん治療法は副作用が患者さんの悩みでしたが、

この点はいかがでしょうか。

この治療法には、ほぼ副作用はなく、安全性が確認されています。

これはとても重要なポイントです。
そもそもがん以外の正常細胞には抗体が結合しないので、

近赤外線が当たっても害はありません。
また抗体が結合したがん細胞でも、この特殊な近赤外光が

当たらなければ破壊されません。

つまり抗体が結合して、かつ光が当たったがん細胞だけを

破壊するという高い選択性を持つ治療法なのです。
これほど選択性が高いがんの治療法は過去にありませんでした。

近赤外線はテレビのリモコンや果物の糖度測定などに

使われるおなじみの光です。
可視光と違って人体をある程度深くまで透過しますが、

全く無害です。
抗体は、米国食品医薬品局(FDA)ががん治療に使うものを

20数種類認可しており、毒性が少ないことが証明済みなので、

現在は、まずこの中から選んで使っています。

IR700は、本来は水に溶けない物質で体内に入りませんが、

中にシリカ(ケイ素)を入れて、水に溶ける性質に変えています。
1日で尿中に溶けて排出されるので、これも人体には無害です。」

 

 

http://www.mugendai-web.jp/archives/6080

 

文献:Mitsunaga M et al. Cancer cell-selective in vivo near infrared photoimmunotherapy targeting specific membrane molecules. Nat Med. 2011;17:1685-91.