私も指導のとき、3日に1回はぜひ取り入れてみることを、
おすすめしています
ブロッコリースプラウトの興味深い研究を
まさに「食から健康に」です
「千葉大学社会精神保健教育研究センターは、
ブロッコリーなどの野菜に含まれる「スルフォラファン」が、
うつ病の予防や再発防止に効果があることを解明した。
研究は、千葉大学社会精神保健教育研究センターの
橋本謙二教授(神経科学)、同大学院医学薬学府の姚偉氏らによるもの。
スルフォラファンとは、フィトケミカルの一種で、
ブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれている。
ピリッとする辛みのもととなる成分で、
抗酸化作用や解毒作用があり、
がんなどのさまざまな疾病の予防効果が報告されている。
ブロッコリーを発芽させた新芽であるブロッコリースプラウトには、
高濃度のスルフォラファン(スルフォラファンの前駆体である
グルコラファニン)が含まれる。
ブロッコリースプラウトは、食品としてスーパーなどで市販されている。
日本では100人に3~7人がうつ病を発症している。
世界保健機構(WHO)の報告では、世界中で3.5億人が
うつ病を発症し、年間80万人が自殺している。
うつ病の薬物療法として、抗うつ薬などが使用されて
いるが、既存の抗うつ薬が効かない治療抵抗性の患者もいる。
ストレスなどの要因がうつ病の発症に関わっていることが
知られているが、うつ病発症の詳細なメカニズムには不明の点も多い。
研究チームは、大きさの違う2種類のマウスを同じケージに
入れ毎日10分間、攻撃的な大型マウスに小型マウスを
いじめさせ、残りの時間は2匹のマウスを仕切り板で分けて生活させた。
この作業を10日間繰り返したところ、人間と似たような
「社会的敗北ストレス」が発生し、うつ状態になった。
マウスの多くが社会的回避や快楽喪失反応(アンヘドニア)などのうつ症状を示した。
しかし、スルフォラファンの前駆体である「グルコラファニン」を
含む餌を3週間与えると、社会的敗北ストレスにより引き起こされる
うつ症状の発症を予防できる可能性(ストレスレジリエンス)が示された。
スルフォラファンは、抗酸化作用をもつ遺伝子の転写因子「Nrf2」を
活性化し、脳の血管を保護すると考えられている。
脳内の「Nrf2」が低下すると炎症やストレスがあらわれ、
うつ症状が起こると推測されている。
東北大学の研究では、「Nrf2」は炎症を悪化させるサイトカインである
「IL-6」や「IL-1β」の遺伝子の発現を阻害することで、
炎症を抑えられることが分かった。
今回の実験により、薬品などに頼らず栄養学的に
うつ病を予防・改善できる可能性が高まったという。
「スルフォラファンは、ブロッコリースプラウトなどの
緑葉色野菜に多く含まれる安全な化合物。
栄養学的観点から、食事として摂取することにより、
うつ病の予防やうつ病患者の再発予防として有用と考えられる」と、
橋本教授は述べている。
「精神疾患で苦しんでいる患者は多いが、野菜や魚を取り入れた
栄養バランスよい食事を心掛けることで、うつ病を改善できる
可能性がある」と指摘している。
千葉大学社会精神保健教育研究センター