諸外国ではどのような健康・栄養政策が行われているのか、簡単にまとめてみました。


●アメリカ


1、ヘルシーピープル2020 

アメリカ厚生省が打ち出した新たな国民的健康政策。

疫学や健康への危険因子を重視し、特に個人の生活習慣の改善による健康の実現ため、

数値目標を設定した点が特徴。各年代の死亡率低下を最終目標とした。


2、ファイブ・ア・デイ(5A Day)運動

アメリカの国立癌研究所(NCI)とNPO団体・農産物健康増進基金(PBH)が協力して開始した、

癌予防を目指す国民健康増進運動である。

「1日に果物と野菜を5サービング以上食べましょう」をスローガンに始まったが、

その後、「健康増進のために1日5~9サービングの野菜と果物を食べましょう」となった。


2002年の改定で、色により野菜を5つのグループ(青/紫、緑、白、黄/オレンジ、赤)に分け、

老化防止と癌・心疾患のリスク乾減のために、5色の野菜・果物を1日に5~9サービング摂取するというファイブ・ア・デイ・ザ・カラー・ウェイ(5 A Day the Color Way)が提唱された。


3、フードスタンプ・プログラム

所得が低い個人や家庭に対して補助金を支給し、適切な食品を購入・消費できるように支援する

栄養補助プログラムである。受給のためには、資産・所得制限がある。

限られた予算のなかで、賢い食品選択ができることをねらいとしている。


4、WIC(Women Infant Children)プログラム

妊婦・授乳婦や乳幼児のための特別補助食料プログラムである。

母子の栄養状態の向上や、胎児・乳幼児の発育促進を目的としているため、購入できる食品は、牛乳、卵、チーズ、果汁、調整粉乳など厳しく限定されている。

対象者はサービスと引き換えに、栄養教育を受けることが義務化されている。


5、学校給食プログラム

全米学校給食プログラムは、1946年から始まり、今日では毎日2、600万食以上の給食が全米の公立学校で提供されている。連邦農務省により管理されており、補助金が出ている。

1食につき決められた金額を支払うが、低所得家庭は基準よりも低額または無料になる場合もある。

また、朝食プログラムを提供している学校もある。

朝食プログラムも政府によって管理されており、低所得家庭は低額または無料になる場合がある。



つづきは、次回に。