奇跡のリンゴ②　～いのちを活かして生きる～

　皆さん　こんにちは！　不妊相談ひとすじ２０年　宮崎市の漢方相談薬局・漢方の麗明堂、一般社団法人認定の子宝カウンセラー　薬剤師の金丸です。

　今日は日曜日で、お店はお休みです・・・　とは言っても、勉強会や研修会は日曜日開催が多く、今日も道徳の研修会にスタッフと参加しています。

　１月２２日に【奇跡のリンゴ農家】の木村秋則さんの第一話をご紹介してから５日経ちましたので、続きを楽しみにされている皆さんお待たせいたしました。

　私は、約１０年ほど前に「奇跡の落ちないリンゴ」のお話を文章で読んで、木村さんのことを知りました。すぐに、リンゴが教えてくれたことの本を買って読んだのを記憶しています。今でもそうですが、木村さんの笑顔を見ていると理由は分かりませんが、なぜか心が落ち着きます。

　首を吊ることまで考えた木村さんが、乗り越えてたどり着いた幸せの境地を、その笑顔の表情から感じ取るからでしょう。

　さて、今日はその木村秋則さんのお話の第二話です。

どうぞ、最後までお読みくださいね！

奇跡のりんご農家　木村秋則（きむらあきのり）さん

1949年、青森県中津軽郡生まれ。弘前実業高校卒。川崎市の会社に集団就職するが一年後帰郷し、実家のリンゴ栽培の農業に従事。78年頃より家族の体調を気遣い、無農薬・無肥料栽培に挑む。10年近く収穫ゼロになり、苦難の道を歩みながら、ついに完全無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功。NHKプロフェッショナルに出演同番組監修の『奇跡のリンゴ』がベストセラーになり、2013年には映画化された。現在、リンゴ栽培の傍ら、国内外で農業指導を続けている。著書に『リンゴが教えてくれたこと』『土の学校』他がある。

「無肥料・無農薬でリンゴ栽培を」･･･この思いをひたすら追求し、10年以上の極貧生活に耐え、周囲の反対や罵声にも屈しなかった木村秋則さん。青森・岩木山の麓の畑で、農薬も肥料も使わない自然栽培によって、最高に美味しい”奇跡のリンゴ”が誕生した。リンゴ畑で失敗を重ねながら学んだ自然の偉大さと、人間として大切なことは･･･。

死への覚悟が拓いた‶奇跡のリンゴ”への道

　35歳の時、万策尽きた私は「死んでお詫びをしよう」と思いました。満月の夜、私はリンゴ箱をトラックに固定するロープを持ち、岩木山の中腹を登って行きました。沢を二つこえて死に場所を求め2時間ほど登って行くと、首をつるすのにちょうどいい木が見つかりました。持ってきたロープを枝に投げると、勢い余ってロープが指をするりと抜け、飛んで行ってしまったのです。ロープを拾いに山の斜面を降りかけると、月光のもとに三本の野生のリンゴの木が、煌々と輝いて立っていました。その気は、のびのびと枝を伸ばし、葉をびっしりと茂らせていました。なぜ、こんな山の中にリンゴの木が･･･!?夢か幻かと思いました。実は、後でよく見ると、それはドングリの木だったのですが、リンゴのことばかり考えすぎて、私にはリンゴの木に見えたのです。

　私はその木に一瞬にして目も心も奪われ、呆然と立ちすくんでいました。もはや、何のために山を登ってきたかも忘れてしまっていました。こんな山の中で、なぜこれほど葉をつけられるのだろう。草をかき分けると、根本の土はかぐわしく香り、ふかふかで柔らかく、湿気があります。「そうだ、この土を作ればいいんだ！」私が6年間探し求めてきた答えがそこにあったのです。

　それから自分の畑に戻り、下草も刈らず、土を自然な状態にするために奮闘しました。毎年少しずつ成果が現れ、4年目の春のことです。朝の7時頃、隣の畑の竹谷さんが「木村、畑みだが。花が、花が咲いだよ」と知らせせてくれました。私は半信半疑で女房と畑に駆けつけましたが、見るのが恐くて足が前に出ません。恐る恐る畑のほうを見ると、真っ白なリンゴの花が畑一面に咲いていました。「ああ、白い！」そう叫んだ後、私達は涙を流しながら、ただ立ち尽くしていました。その日は嬉しくて何度も畑に戻り、お祝いの日本酒をリンゴの1本1本の木に「ありがとう、よく頑張ってくれたね」とかけて回りました。

　しかし、ゴールはまだ先でした。その年の秋にとれたリンゴはピンポン球ほどの大きさで、それから普通の大きさのリンゴがとれるようになるまでは、数年かかりました。11年かかって甦ったリンゴは、ひと口かじるとあまりのおいしさに涙が出ると評判になりました。さらに、二つに切って二年間保存しても腐らず、小さくしぼみながら甘い香りがします。

　平成3年秋、台風が青森を直撃してリンゴの木がなぎ倒され、大半のリンゴが落ちた時も、私の畑のリンゴは揺るぎもせず、8割以上の果実が残っていました。私が作ったリンゴは、いつからか『奇跡のリンゴ』と呼ばれるようになりました。

≪続きはまた明日・・・≫

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