先日、歯医者さんで治療の後、ピザ雄さんと待ち合わせをして公園近くのレストランに行きました。
このレストランは公園を眺めながらいただくお食事が気に入ったらしく、ピザ雄さんのお気に入り。これまでも何度も行きました。
おしゃれな若者と家族連れに人気のエリアなので、気候が良くなってくるとピクニックメニューも増え、公園での楽しい企画も目白押し。
レストランオープン当初は大行列でしたが、今はそれも落ち着き、静かなディナーを楽しめるご近所のお気に入りレストランの一つです。
毎度毎度同じメニューを頼むピザ雄に呆れながら、適量でちゃんと美味しい食事は私も気に入っています。
ここでのピザ雄のレギュラーはチキン。
いつも同じチキンを注文し、デザートはチーズケーキ。
いつ行っても同じ。
本当に毎回同じ。
よく飽きないなと思いながら、私は時にハンバーグ、時にパスタ。時にはレッドビーツのサラダ。色々試してみて、どれもおいしくいただけていました。
そして先日。
珍しくピザ雄がハンバーグを注文したんです。
理由はその前日にチキンを自宅で食べたから。
「チキンを食べたかったのに昨日チキン食べたから」
と独り言を言って、仕方ないのでとハンバーグを注文。
私はカルボナーラにしました。
隣には五人ぐらいの家族連れのみなさんが、ハンバーグやパスタ、ステーキを注文して楽しげに談笑しており、他にはシングルのお客さんが数名。
静かでのどかな良いディナータイムだったんです。
隣のテーブルにハンバーグが3つほど運ばれ、ほどなくピザ雄のハンバーグも運ばれて来ました。
ほかほか焼き立てて香ばしい香り。
「美味しそう」
とピザ雄さん、ガバっと大きな一口をムシャーと頬張りました。
その時、なんだかお隣のテーブルから揉め事っぽい雰囲気が。
「このハンバーグ、味おかしい!」
お母さんらしき女性がウエイトレスちゃんに詰め寄っていました。
高校生ぐらいの男子はウグッという感じで口元を押さえているし、え?なになに?とピザ雄も気にし始めました。
「いやなんか、ハンバーグの味がおかしいって言ってるみたい・・・」
と私が言うとピザ雄も
「超絶まずいよこれ!ハンバーグ!」
と言い出すではありませんか。
え?まずいの?変な味ってこと?
「一口食べてごらんよ。本当に酷い味だから!」
そう言われて小指の爪の先ほどのかけらを口に入れてみたら、なんか、酸っぱい・・・・。
最初に焦げ臭い味が口に広がり、その後酸っぱい味わいが。
「え?酸っぱい・・・?」
「焦げてるし変な味だよ!」
ピザ雄と顔を見合わせていると、お隣のテーブルの食べ残しハンバーグのお皿を持ったウエイトレスちゃんが、こちらを気にしてチラチラと見た後、
「あの・・・ハンバーグのお味、大丈夫でしょうか・・・?」
とおずおずと聞いてくれました。
「いやこれ、変な味です」
「申し訳ありません!ちょっとキッチンに伝えてきますので、食べずに少しお待ちください」
ピザ雄にそれを伝えると
「いや。別に食べるからかえてくれなくていい」
ちょっと!なんでよ!言ってることおかしいでしょ!
「面倒だからこのまま全部食べる」
いやいやいやいや!面倒とかじゃなくて!万が一傷んでたらこまるじゃん!
食中毒になりたくないでしょ!
「食中毒はいやだけど、傷んでるわけじゃない。多分レシピを変えたのか、シェフが新しくなって料理が下手なんだと思う」
決めつけています。
あれだけ「酷い味だ」と言っておきながら、結局は最後まで食べるって言うし、本当に何を考えているのかさっぱりわからない。
結局、ヘッドウェイトレスの女性がやってきて
「お客様。今新しいハンバーグをお作りしようと思うのですが、かなりお時間がかかってしまいそうで・・・」
あ。なるほど。
それはつまり別のものを注文した方がいいってことですよね。
と瞬時に理解しました。
多分、多分ですが、お肉が傷んでいたのではないかと思いました。
でもそれを大声で言うのは憚られる。
特に隣のテーブルの人たちは、半分ぐらい食べちゃってたし。
あるいは傷んでいたというほどではないまでも、古いお肉だったのか何らかの不具合が発覚して、同じ素材で調理しても同じことになってしまう、という判断だったのではないかなと思いました。
最終的に「最後まで食べる!」と謎の主張をし続けるピザ雄をしりぞけ、ハンバーグを無理矢理返品し、チキンを注文してことなきを得ました。
私のパスタも味はすごく美味しかったけど、なんか生あたたかかったし、どうしちゃったのかな?という感じでした。
まあ、レストランにもシェフにも、そんな日もあるのかな?
お店を出る時、シェフの方が慌てて出て来て、申し訳ありませんでした!ってペコーってお辞儀してお見送りしてくださったし、好きなレストランなのでまだまだ応援してます。