そうそう。

ピザ雄のジャケットショッピングでの出来事、もう一つありました。

ピザ雄はとにかくカジュアルで無難な服装が好き、というより、カジュアルで無難なものしか着ません。その代表ブランドはGAPです。

電話で「ニューヨークんで冬物のジャケットを買ってきてほしい」と言われた時も、「GAPのXLサイズで」という指定でした。

ところがですよ奥さん。

マンハッタンからGAPストアが大量に姿を消していたんですよ。

私の知る限りでは、生き残ったGAPはタイムズスクエアの旗艦店と以前の自宅付近の42丁目と3番街角の一軒のみ。

大変失礼ですが、GAPでお買い物ってあんまりテンション上がりません。

私の大好きな定番TシャツはGAPと決めていますが、それ以外はあんまり気持ちが動かないんですよね。

なのでアバクロに行ってみたんですが、若者向けのアバクロにはピザ雄サイズのジャケットが見当たらない。しかもダウンジャケットがそもそも見当たらないんです。

すっごく嵩高いけれどずっしり重たい謎のジャケットばっかりで、こんなもんスーツケースに入れたら他のものが何も入らなくなるじゃん!

と却下。

次にホリスターに行ってみましたが、アバクロにないものがホリスターにあるわけがありません。

フカフカのジャケットはたくさん並んでいたし、ホリスターなので激安価格でしたが、なんかどれもこれも安物っぽくてさすがに大人のピザ雄にこれを着せるのはいかがなものか。

と悩んでいると、若い男子セールスが近寄ってきました。

「何か探してる?」

と聞かれたので

「メンズのダウンジャケット」

と答えると

「え?どういう意味?」

どういう意味ってどういう意味?

「だから、ダウンジャケットを・・・」

「ダウンジャケットってどういう意味?」

え?

は?

ダウンジャケットってどういう意味ってどういう意味?

口を開けて絶句していると、重ねて

「ダウンジャケットって何?」

と聞かれて呆然。

 

もしかして、『ダウンジャケット』って古い呼称なんですか?

もうそういう呼び方をしないの?

それともこの世にはダウンジャケットってもう存在しない?

いや、五番街にカナディアングースの旗艦店もあるし、ダウンジャケットはまだ絶滅してないよね?

 

「あの・・・だから、ダウンがフィルしてあるパフィジャケットなんだけど・・・」

と説明すると

「パフィジャケットが欲しいの?」

うーん。いや。まあそうだといえばそうだけど、違うといえば違う。。。

ていうか、もう全然話が通じない。

お互いに気の毒そうーな顔になって、気まずいまま

「サイズもなさそうだし、もう、いいです・・・」

と言ってお店を去りました。

彼がダウンジャケットという呼称を知らなかっただけなのか、それとも若い世代はダウンジャケットと呼ばなくなったのか・・・。

謎です。

 

そして最終的にピザ雄サイズのジャケットを購入したのはノードストロームだったんですが、そこで見たジャケットたちには

「プロテクトダック」

というラベルがぶら下がっていました。

つまりアヒルを保護するためにダウンを使わない製品を!

というスローガンの商品がズラーっと並んでいたんです。

 

えっ。

ええっ。

ダウンってアヒルが死なないと取れないものだったの?

そうなの?

ちょっとごめんね

と謝りながら羽を少しプチプチっといただく感じかと思ってました。

そう。

チョビの毛繕いをしていると綿毛がブワーっと取れるのと同じ感じだと思っていたんです。

違うのか?

アヒルちゃんを絞めて、オニクとダウンを製品化する感じなのか?

これは衝撃でした。

最近は動物愛護の意識が進んで、レザーもビーガンレザーと言う名のビニール製品が主流になってきているし、そういう世の中になってきてるんですかねえ。

 

同じ売り場にカナディアングースの製品もたくさん並んでいたので、ダウンジャケットが絶滅することはなさそうだけど、ちょっと複雑・・・・。

 

↑ここ!ここでピザ雄ジャケット買いました。キレイな旗艦店だった。

 

昨夜、神戸に到着しました。

今朝は午前7時に目覚め、時差ボケでボーっとしていますが、日本→ニューヨークよりもニューヨーク→日本の方が時差ボケはマシです。

 

ニューヨーク到着当初は時差ぼけと疲れと、裁判が本当に行われるのかしらんという不安でストレスマックス、疲労もマックスでしたが、ホテルのロケーションがとてもよかったせいもあり、全体的に特に裁判終了後はとても充実した楽しい滞在になりました。

お部屋がアパートメントホテル風だったこともあり、ニューヨークで一人暮らしをしていた頃を思い出して嬉しかったなあ。

30年もニューヨークで暮らしたけれど、この3年間の日本生活を経てちょっと価値観が揺らぐ感じがしていたのがちょっとまた元に戻った感じ。

特にピザ雄がロス滞在を経て『アメリカはダメだ!日本がいい!』と言い出し、まさかもしかしてこのまま日本永住とか言い出すんじゃねえだろうな、という日々だったので、日本に住むことも視野に入れた方がいいのかなあ、と揺らいでいたんです。

でも、今回のニューヨーク滞在で私にとっては『自宅』はやっぱりニューヨークだと再認識しました。

物価も高いし無礼で不親切な人が多いしトイレは汚いし意地悪な人は多いしセントラルパークのオウマはかわいそうだし、と色々思うところもあり、さらにパンデミックの傷跡がまだまだあって、有名なお店がクローズしていたりシャッター通りみたいな場所もちらほら。

切ない気持ちにもなりましたが、それでも、人々のハッピーなパワーがまた街にポジティブなエナジーをチャージし始めていると強く感じました。

ニューヨークを離れる日は、とっても寂しかった。

次はいつ戻って来られるんだろう。

次はちゃんとまた住むために戻ってこられるのかな。

と思いながら、クイーンズボローブリッジからマンハッタンを振り返り振り返り。

 

そうそう。

今回は『ピザ雄の冬物ジャケットを買って帰る』というミッションがあったのですが(日本でピザ雄サイズは見つからない)、ショップでぶら下がっているジャケットを見てもサイズ感がいまひとつわからないんですよね。

それでちょっと身長高めの店員さんを捕まえて

「ハズバンドのジャケットを買いたいんだけど、サイズがよくわからないので試着してみてくれる?」

と頼みまくりました。

ユニクロではアジア系の若い男性。

すごく身長が高かったので

「もちろん!」

と快くジャケットに袖を通している彼に

「身長どれぐらい?」

と聞いたら

「6-5」

という返事。

6-5って言ったら1メートル95センチぐらいですよ。

ちょっと背が高すぎる見本だったし、ピザ雄のほうがだいぶデブだったのでユニクロのXXLはサイズ的にダメと判断しました。

 

次にデパートで見つけた綿入りジャケット。

キョロキョロ見回すと背の高い黒人の若いセールスがいたので

「ちょっとちょっとお願いがあるんですけど・・・」

と試着をお願いしました。

「いいよ!ハズバンドの身長は何センチ?」

袖を通しながら聞かれたので

「6-2ぐらいかな?」

というと

「ああじゃあ僕とあまり変わらないね」

「そう?あなたは身長何センチ?」

「6-4かな」

高っっ!

6-2と6-4って全然違うやん!

ガッチリ筋肉質で長身の彼が着るとジャケットがすごくカッコよかった。

ピザ雄が着てもこうはならないかもなあ、と思いつつも、サイズ的にはちょうど良さそうだったのでこれを購入しました。

300ドルぐらいの定価のものが150ドルと半額になってました。

この後、自分用にポンポンが2個ついているカスタムメイドの毛糸帽子も購入してショッピングはおしまい。

ずーっとおうちにいるような感覚の滞在だったので、おみやげも自分用の買い物もほとんどしませんでした。

往復ともスーツケース一個で余裕があった旅行は初めてかも。

 

あっそうだ。

道端で黒人の男の子に「素敵だ素敵だ!」と言われたコートですが、コレです。

自分で買っておいてこう言うのもなんですけど、そこまで素敵かなあ?

別に普通だと思うんですけど。

しかも彼が着ていたのも同じようなカーキのロングコートだったし、彼、カーキのロングコートが好きなだけじゃないかしら?

まあ、防寒という観点では大変優秀でした。

 

↑マウジーのリバーシブル綿入コートです。

 

↑今年のツリー、本当に大きくてキラッキラで綺麗!!

 

↑お昼間バージョンも。

 

 

 

長かったような短かったような、裁判出廷がメイン目的のニューヨーク里帰りも明日で終了。

午前中の便でピザ雄が首を長くして待っている日本に戻ります。

 

裁判までは本当にストレスフルで気が気じゃない毎日でしたが、裁判が終わってからはヤッター!!と解放された気分でいっぱい。

心置きなくニューヨークを満喫できる!!

と思ったんですが、ストレスから解放されて気が抜けたせいなのか、あるいは突然寒くなったのが理由なのか、ちょっと体調がいまひとつで毎日あちこちに出かけまくることなく、お部屋で大人しくニューヨーク時間を過ごす羽目になってしまいました。

もちろん、ご飯も食べなくちゃいけないし、飲み物を買いに行ったりピザ雄に頼まれた冬物ジャケット(巨大サイズ)を買いに行ったりしましたが、割合と静かに大人しくホテル近辺で時間を過ごしました。

でも、これはこれでよかったなー。

久しぶりにニューヨークで一人暮らしをしていた頃を思い出しました。

一時的に来ているニューヨークなので、あそこにもここにも行かなくちゃ!と最初は思っていましたが、いやいや、どうせまたそのうちニューヨークに戻ってきて一生ここで暮らすことになるんだから(だよねピザ雄さん?)、そこまで焦らなくてもいいんじゃ?

と思い直しました。

そもそも暮らしていた30年間でセントラルパークに行ったのは何回ぐらい?

ブロードウェイミュージカルは何回見た?

自分が住んでる街なんだから、そんなに血眼になってあれもこれも!ってしなかったし出歩かなかったよね。

 

暖かい部屋にいて、外の冬の喧騒を聞いているのもニューヨークらしい。

テレビのアンカーが3年前と比べて全然老けていないのにびっくりしたり、前に住んでいた家のあたりに行ってみると、周辺が一ミリも変わっていないどころか、近所のスーパーのマネージャーも全く同じ人で白髪がちょっと増えていたけれど、相変わらずよく働いてるなあ、とか、セントラルパークが近いとこんなに素敵なんだ、次に帰ってきた時はこの辺りに住んでみたいなあ、とか、色々と思いを巡らせる日々でした。

 

そうそう。スタバに行った帰り道で、若い黒人の男の子に

「キミ!ちょっと待ってキミ!その素敵なコートどこで買ったの?お願い教えて!」

と呼び止められたんですが、瞬間的に警戒心丸出しの顔になってしまうのはニューヨーカーとしては仕方のないこと。

彼もその辺はちゃんとわかっていて

「ごめんごめん!怪しい話じゃなくて、本当にその君のコートがあまりにも素敵だからどこで買ったのかだけ教えてください!」

と拝むように言われました。

「えーっとどこだっけ?あっそうだ。日本で買ったんだった!」

と言うと

「ブランド名は?」

と食い下がる食い下がる。

「ブランド名も・・・日本のブランドだけど、いいの?」

「いい!調べるから教えて!」

そこまでこのコートが好きなのか・・・。

ていうか、キミが今着てるそのコート、私のコートと似てないか?

と思いましたが、必死で聞かれたのでブランド名を教えてあげました。

「ふむふむ」

と言いながら携帯にメモを取り、

「ありがとうありがとう!呼び止めてごめんね!」

と手を振って去っていきました。

彼の後ろ姿を見送りながら、うーん、年齢的に孫は無理そうだけど、私の息子と言ってもおかしくない年頃だよね・・・。

彼、自分のお母さんの年頃の女に

「そのコートどこで買ったの?」

って聞いたと知ったら落ち込むんじゃないかしら。

いやー。ニューヨークってなんというか、自由だわー。

 

↑バス待ちオーチョ。

 

↑ロックフェラーオーチョ。

 

↑おじさん!寒くないんですか!!

 

 

あーあ。

明日はもう出発かー。

このままニューヨークに残りたい・・・。

 

 

通訳女性の日本語は、ネイティブではありませんがとてもお上手だったし、裁判所が雇う通訳なので法律用語もばっちり。そして彼女の手元のメモを見ると速記。

英語の速記、生まれて初めて見ました。

しかし、弁護士ヘザーも裁判長も、どちらの言ってることも全て完璧に理解ができているのに、耳元で同時通訳をされると頭の中がとっ散らかってどちらの言語にも集中できないという状態。

裁判長をチラッと見ると

「コイツ、英語が理解できてやがるな」

と思っている様子が見て取れました。

どうしよう。マジでマジでマジで、集中できなさすぎるし、答えを促されるとついつい英語が先に出てしまって、あっウッと絶句してしまう始末です。

ついに見かねた裁判長が

「ちょっと待ってください」

と割って入り、まず通訳に

「あなたは全てを逐一通訳せずに、弁護士と私の質問だけを彼女に通訳してください」

と言いました。

そして私には

「あなたは日本語の通訳だけに集中して、答えも全て日本語で答えてください」

と言いました。

 

うーわー。

それが簡単じゃないんですよYour Honor。と言いたかったけど、そこはもう、裁判長は裁判所では神様ですから、Yes your honorと答えるしかありません。

『がんばれ自分。

がんばって日本語に集中するんだ。』

もう本当に本当に必死のパッチです。

ほとんど右耳を手で塞ぐレベルで、左隣に立っている通訳さん全集中の呼吸ですよ。

 

人間、やってやれないことはないっていうけど本当です。

ほどなく、その状態に慣れてくると、ヘザーちゃんの言葉は完全無視することができるようになり、通訳の日本語に集中して、受け答えも全て日本語で行うことができました。

 

全肯定で多分20分ぐらいだったかしら。

質疑応答の内容は、すでにわかりきっている契約内容の再確認や、責任の所在がどこにあるか。

契約書にサインをしたのは本当に本人なのか。

それを証明する書類はあるのか。

契約期間は何年間で、被告のテナントたちはそのうち何ヶ月住んで何ヶ月支払い義務を放棄したのか。被告と契約した家賃はいくらだったのか。新しいテナントとの契約家賃はいくらなのか。契約途中破棄されたことでどのような損害を被ったのか。敷金は誰が持っているのか。等々。

証拠書類である契約書の原本やその他諸々の書類を弁護士が裁判長に手渡し、裁判長が確認した後は私に手渡され、それを見ながら解答をしたり、「それを見ずに記載されている電話番号を言ってください」と言われたり。本当にテストか面接みたいな感じでした。

 

裁判長はほぼずっと黙って私と弁護士のやりとりを聞いていて、一度だけ

『それは認められません』

と、不動産ブロカーフィーについて発言をしただけでした。

そして最後に私の方に向かって

「これで終わりです。Thank You」

と微笑んでくれました。

 

え?終わりですか?

で?私はこれからどうすれば?

 

とキョロキョロしていると、コートオフィサーに促されて証言台から下されました。

通訳の女性が

「ありがとうございました」

と言ってくれたので

「こちらこそ、ありがとうございました」

と言うと、彼女は私の背中に手を当てて

「あちらへ」

と促してくれました。

証言台に置かれた書類を手に持って移動し始めると、コートオフィサーが

「こちらに」

と弁護士の机を手で指し示してくれたので、私も弁護士の隣に立つんだな、と思ってそこに移動すると、通訳とコートオフィサーが慌てて

「違う違う。こっちこっち」

 

私はここで退廷しなければならなかったのに、バカ丸出しで弁護士席に立とうとしてしまったわけです。

「早く出て」

とさらに急かされ、ベンチ席に置いてあったコートと傘とバッグを掴んで逃げるように法廷を後にしました。

 

ヒェー疲れた、と廊下のベンチに座ると、隣のベンチに座っていた女性が話しかけてきました。

 

「裁判長、男性だった女性だった?」

 

「女性でしたよ」

 

「女性・・・・どうだった?良い人そうだった?」

 

「良い人でしたよ。ベリーナイスでした」

 

と言ったら

 

「そう・・・なら大丈夫かな・・・」

 

彼女が関わっているのが何のケースかは知る由もないし、果たして彼女が原告なのか被告なのかもわかりませんが、やっぱり裁判ともなるとみんな不安なのは一緒なんですね。

 

ほんの5分ほどでヘザーちゃんが部屋から出てきました。

スタスタと私に歩み寄り

「勝ちましたよ」

と一言。

そして被告からもらえる金額を伝えてくれました。

「これで私たちに支払ったリーガルフィーもカバーできるし、未払いの家賃も全てカバーできますね。よかったわ」

とニッコリ。

 

「やった!ありがとう!!」

と手を叩くと、ヘザーちゃん、なんとハグをしてくれました。

 

「もう二度とこんなことで裁判に巻き込まれることがないように祈ってるわ」

と言いながら背中をパタパタ。

ええー。

ヘザーちゃん、最初からずっと結構無愛想で早口で細かい説明もしてくれないし連絡は遅いし、不親切なイメージを持ってたけれど、すっごくすっごく良い人じゃん!

 

「本当にありがとうありがとう」

 

「オッケー。じゃあ後の手続きはまた詳しく連絡するから、はいどうぞもう帰っていいわよ。」

 

と、最後にはちょっと追い払われた感じでバイバイしました。

 

裁判所のくらーくてふるーくておっそーいエレベーターにのり、入ってきた入り口から外に出ると、外は土砂降り。

でも心は日本晴れ。

石の階段を降りながら

「やっっっっっったーーーーーーー!いえええええーい!!!」

と思わず声が出ました。

階段の下にいたホームレスのおばさんが、なんか知らんけどよかったね、と思ってくれたのか

「イエーイ!」

と一緒に言ってくれました。

 

前回のニューヨークで

『インクエストは延期され、11月30日になりました』

と言われた時のあの絶望。

そして、日本からメールで

「結局インクエストは本当に行われるんでしょうか」と問い合わせたら

「11月30日の午前10時にきてください。代理人は認められなせん」

と紋切り型の返事が来た時の、あの絶望。

ニューヨークに行くのはいいけれど、はるか日本からわざわざ出かけて万が一また延期とかになったらもうマジ死ぬ!と思っていたので、前日まで気が気じゃありませんでした。

よかった。

終わった。

無事に終わった。

本当に終わった・・・。

 

そうそう。

ヘザーちゃんが被告について言ってたこともびっくりでした。

 

「彼らは反対にあなたを訴えようとしてきたのよ」

 

「えっ!何が理由で???」

 

「さあ?理由は誰にもわからないわ。だって裁判所は彼らの訴えには耳を貸さず、一瞬で追い払ったんですもの」

 

えー!本当にー!やったー!!

おざまあおみろだわっっ!

最初から最後まで、本当に傲慢で身勝手で訳のわからない連中だった!

でも、彼らが支払いを拒否するってことはありえないかな?

 

「そうねえ。唯一彼らが支払いを免れる方法があるとしたら、破産宣告をすることだけれど、夫婦揃って破産宣告はちょっとリアリスティックじゃないわね。裁判所の命令に逆らえる人はいないのよ」

 

だそうです。

よかった。神様本当にありがとう。

クタクタに疲れたけれど、本当に嬉しくて解放された気分で胸がいっぱいです。

 

 

ちなみに、今回の法廷に着ていったお洋服は、

上が黒のタートルニット980円。

下はユニクロの緑色のニットスカート2980円。

靴はヒルズアヴェニューのブーツ19800円。

そして、前日の夜に『そうだ!勝負ピアスだ!』と思い立って買いに行った、ティファニーのハードウェアシリーズのボールピアス250ドル。

でした。

意味不明な価格設定と衣装設定ですが、ティファニーのピアスは頑張ったご褒美と記念に大切にします。

神様仏様ヘザーちゃん、ありがとうございました!

 

↑結構嬉しい。

 

 

黒い法衣を着た裁判長は中年女性。

『席についてください』

とコートオフィサーの朗々たる声で、全員一斉に座りました。

裁判長がなんやかんやああだこうだとあれこれ説明をしはじめましたが、法律・裁判の専門用語だらけで何がなんだかさっぱりわかりません。

 

「これからケース番号を読み上げます」

 

長々と説明があった後、裁判長が「○○対○○ケース2」と読み上げ始めました。

すると、そのケース担当の弁護士たちが立ち上がり

「出席しています」

と返事をします。

時々、原告も被告も出廷しておらず、訴えが自動的に取り下げられるケースもありました。

 

本当にどれだけのケースがあるんだろう?と気が遠くなりはじめたころ、裁判長が

「では今からインクエストのケース番号を読み上げます」

と言いました。

 

えっ。

今からなんですか?

もうすでに20人ぐらい弁護士が立ったり座ったりしたような気がするんですけど、今からインクエストの呼び出し?

 

呆気に取られていると、また次々とケース番号と名前が読み上げられ、弁護士たちが立ったり座ったり。

ドキドキしていると、ついに私の名前と相手方の名前、そしてケース番号が読み上げられました。

部屋の反対側のベンチ、前方に座っていたツイードのスーツを来た女性がガタンと立ち上がり、ペラペラペーラペラと早口で何かを言った後、着席。

おおあの人が私の弁護士か。

やっと自分の弁護士の目星がついて一安心です。

しかし、重大事件の裁判でもないし、そもそも判決はくだっていてあとは金額を決めるだけとはいえ、こんなに何の準備もしなくてよかったのかしら。私、手ぶらなんですけど。

 

ほどなくケース番号が全て読み上げられ、バラバラと半数ぐらいの人が立ち上がり部屋を出て行き、私の弁護士も立ち上がりました。

ちなみにこの部屋の中でアジア人は私ともう一人コリアンらしき年配の女性だけだったので、私の弁護士はすぐに私を見つけてクイクイと手招きしました。

 

廊下に出ると初めましての挨拶もそこそこに、素早い打ち合わせが始まりました。

 

「私が言ってることは理解できますか?日本語の通訳をリクエストしたけれど、この打ち合わせはちゃんと理解できる?」

と聞かれてゲッとびっくり仰天しました。

英語、理解できます。

できないとちょっと日常生活困る。アメリカ人の旦那だし。

と思いつつ

「大丈夫」

と答えましたが、そう、彼女ヘザーっていう名前なんですけど、ものすごい早口なんです。あり得ないぐらいの早口で、ピザ雄も一度電話で彼女と話をしたことがあるんですが、

「めっちゃ早口で何を言ってるか半分ぐらいしかわからない」

とまで言っていたほど。

アカンやん!

と思いましたけど、その素晴らしい早口の上に難しい法律用語を使いまくって全然説明をしてくれないんです。

だから、例えば彼女が私のお友達で、二人でディナーやらお茶やらショッピングに行ったとしたら、会話には何ら支障はないんですが、裁判で質問をされるときにあの早口と法律専門用語をビシバシ出しまくられたらちょっとお手上げです。

 

「法廷で法律用語がバンバン使われたらちょっとわからないかも・・・」

と前に言ったことがあったので、念のために日本語の通訳を用意してくれたみたいです。

 

あーそうか。

大丈夫かなあ。

通訳が私より英語ができない人だったらどうしよう。

とちょっと不安にもなりましたが、ここまできたらもう開き直るしかありません。

 

事前の打ち合わせで、契約の開始日時や終了日時、被告がアパートをどんな状態にして逃げ出したか、何ヶ月家賃を踏み倒したか、等々を再確認し

「こういうことを私が質問するので、あなたは正しい答えを述べてください」

と言われました。

あー。なんか緊張する。受験前の気分。

 

「もうすぐに呼ばれると思うから、中に入りましょう」

と言われ、部屋に戻って並んでベンチに腰掛けました。

 

待つこと15分ほど。

 

『ケース番号13番』

と呼ばれ、私は裁判長の隣にある証言台へ。

ヘザーちゃんは弁護士の席に。

うわー。うわー。

なんか。なんか。

テレビみたい。

 

 

↑大体こんな感じ。この写真では証言台には書記が座ってるみたいだけど、位置関係はココでした。

 

 

 

ドキドキしながら小さなマイクロフォンがセットされた茶色いデスクの証言台に立つと、アメリカ人の女性通訳が入廷してきました。

ひぇー。アメリカ人なんだ!てっきり日本人の通訳さんかと思ってたけど、アメリカ人。しかもなんかああた。ピンクと黄色と緑と青のシマシマセーターにジーンズですよ。

あれだけ「裁判所をリスペクトしろ」とピザ雄に散々言われて、必死のパッチで裁判用のお洋服と靴まで買ったのに、え?そんな服装でいいんですか?

いいんですね?

そんなで良いんだったら、私も普通にパジャマっぽい服装で来ればよかった…。

 

まずは通訳さんから宣誓。

続いて私の番がやってくると、「右手を上げてください」と係官に言うのと同時に通訳さんが「右手を上げてください」と日本語で同時通訳。

ヒー。これはまずい。

英語が完璧に理解できるのに、耳元で日本語で通訳をされるとめちゃ気が散る!

日本語字幕つきの映画を見ているときよりもっと気が散る!

マジでまずい!!

宣誓しながら思わず裁判長をチラ見すると・・・

 

<また長くなりすぎたので、続く>←無駄にひっぱるな!