ピザ雄は最近ウナ雄気味。

そうです。

六年前、成田で3泊ほどした時にあれほど『Eelなんて食べる人間の気が知れない!絶対いやだ!』と食べず嫌いの真骨頂を披露したくせに、なぜか今や大のウナギファンとなりました。

そして近所に最近オープンした鰻屋さんがマイウナギレストランとなり、先週から何度も「ウナギウナギ」と大騒ぎしていたんです。

今日やっとウナギを食べに行くことになり、少し待って無事入店。

奥の座り心地の良い席に通されて座った瞬間、ピザ雄が

「アー最悪・・・」

とボソ。

隣の席には幼児連れの男性二人。

子供たちはおそらく3−4歳の女の子と5−6歳の男の子です。

そして、ピザ雄は超絶ウルトラ子供が大嫌いなんです。

あーいやーうわーこれはもしかして最低の展開になるかも。

だってピザ雄ときたら食事の席で子供が近くにいるだけで、ネチネチネチネチネチネチネチネチ文句を言い続けて呪いの言葉を吐きつづけて、粘着そのもの。

嫌いなのはまあ仕方ないけど、そこまで文句を言う?

というぐらい文句を言い続けます。変質者か?

と思うほどの粘着ぶりです。

それがもううざくてうざくて、こっちはご飯もおちおち食べていられないほど。

子供がちょっと大きな音をたてただけでギッと睨みつけ、そしてずーっっっっっと凝視するんです。

一緒にいる私としてはいたたまれないことこの上なし。

稀にお行儀の良い子らが着席していても、最初の15分ぐらいはやばいぐらい睨みつけます。

 

果たせるかな。

隣のテーブルのお子様方はちょっとあり得ないぐらいお行儀が悪かった。

正直なところ、ここまで?

と私でも思うぐらい。

そしてお店中のお客さんたちも目を丸くしたほど。

お兄ちゃんの方は携帯ゲームをしてはお父さんに

「もっとちょうだい!」

「食べさせて!」

「いやー!!!」

と大声の連発。

そして妹の方はお兄ちゃんの携帯が気になって仕方ない上に、お父さんがお兄ちゃんに構うとやきもちをやいて金切り声。

そして隣のピザ雄は変質者状態で子らをガン見。

「ちょっともう、ジロジロ見るのやめてよ」

と言うと

「見てもいいだろ!」

と意味不明で理不尽な逆ギレまでする始末です。

そしてとうとう、あの例のお子様の「ギイイイイイイイイイイイイーーーーーーーーーーー!」という凶暴な金切り声がはじまり、しまいにゃ大音量で泣き喚きはじめました。

子育てをしたことのある大人はある程度ならば、「あああの年頃はね」と温かい目で見守ってあげられると思うんですが、そのレベルをはるかに超える凶暴ぶり。

子供の喚き声で店員さんが何か言っても聞こえないし、お客の注文も聞こえない。

本当にお店中がギョッッとして沈黙したほどです。

子供席の隣に座った瞬間、2度にわたって私に

「席を変えてくれと店員に言え」

と命令しては「予約席なので」と断られたピザ雄の我慢も、この瞬間限界突破(というか、そもそも我慢していない)。

子供の泣き喚きの騒音の中、ビール瓶を手にグワターン!と立ち上がり

「あり得ない!あっちのテーブルに行く!」

と勝手にスタスタ移動しはじめました。

さすがの子供テーブルもでかい外人が立ち上がったので一瞬沈黙して呆気に取られている様子でした。

私もこれはちょっと我慢できない。とは思いましたが、勝手にテーブル移動はマナー違反だし、お店の人たちもみんなギョッとしてこちらを見ているし、えっえっえっ、どう、どうするのどこにいくの、とオロオロしてしまいました。

慌てた店員さんがピザ雄を止めに行くと、イラーっとしたピザ雄が

「レイコ!」

と私を呼ぶんですが、そのあんたの声もいい加減迷惑だよという大声で、もうほんと、そのまま帰りたくなりました。

 

 

店員さんも子供テーブルのあまりの阿鼻叫喚ぶりに慌てて、子供絶叫に恐れをなして早々に出て行った客のテーブルを片付けてくれましたが、それすら待てないピザ雄。必死でテーブルを拭いている店員さんの背中をガン見して、お店の真ん中で仁王立ち。

片手にはサッポロ黒ラベルの中瓶。

子供に負けないぐらいの暴れ馬ぶりです。

 

やっと子供テーブルから最高に離れた席に移動し、気が済んだピザ雄は鰻2本の大鰻重を美味しそうにモグモグ…。

モグモグ…なんですが、モグモグしながらもその視線は子供テーブルに釘付け。

呪いをかけているのかと思うほどの凝視。

もうここまできたら子供嫌いを通り越して愛してるんじゃないのか?と思うほどの粘着です。

そして相変わらず泣き叫んだり金切り声を上げ続ける子供らと、それをほとんど気にせずハイボールと焼き鳥を注文して結構なデカ声で話し続ける親たち。

しまいにお兄ちゃんの方は隣のお客のテーブルの椅子に座ってゲームを始めたり、お店の外に駆け出して大声でわめいたりと大暴れです。

次々と彼らの隣の席にお客が案内されてきましたが、みなさん5分ともたずテーブル移動。

そして、その様子をお店の奥からじーっと凝視しているピザ雄も恐ろしすぎる。

 

さすがに何度も隣のテーブル客が移動するのを見て居心地が悪くなったのか、子供テーブルの人たちが飲みを途中でやめて退店していく様子を目で追い、ピザ雄が一言。

 

「今頃気づいたかバカどもめ」

 

私は鰻の白焼き重をいただきましたが、なんだかもう、味もへったくれもわかりませんでしたよ。

子供も相当アレだったけど、ピザ雄も手をつけられない暴れ馬ぶりだった。

あー。

疲れた。

もうイヤ。