昨日の薄毛クリニック(何回書いてもヒドイ呼び方)の薄毛ドクター(もっとヒドいな!)。年配のドクターだったのですが、初対面の最初の5分は普通にほぼ無表情で粛々と問診が行われました。
「ではmちょっとマイクロスコープで頭皮の様子を拝見しますね」
と私の背後に回り、
「どの辺が気になってますか?」
「えーっと。旦那さんに言われたのは頭頂部なんですけど」
「ああはい頭頂部ね。えーっとまずは後頭部の下の方の毛から見せてもらいますねー。この辺の髪の毛は一生毛質が変わらない丈夫で健康な良い髪の毛なんですよ。植毛をする場合、この辺りの毛を使うんですよね」
ほー。
と感心しながらパソコンに映し出された自分の頭皮を見ると、超絶気持ち悪い画像が目の前に展開しはじめました。
毛。
毛の根本と頭皮。
毛穴。
超拡大画像です。
超絶気持ち悪い。
「あーいい髪の毛ですねえ。なかにちらほら弱った細い毛もありますけど、うーんなかなかしっかりした良い毛が多いですね。ほら特にこの4本毛。すっごいですねあんまりみたことないですね」
先生に言われて画面を見ると、4本太い毛がビッシリと直列して生えている様が映し出され、最高潮に気持ち悪い。
思わず
「気持ち悪っ!」
と口に出ましたが、先生も看護師さんも無反応。
「まあつまり、ここまで良い毛じゃなくてもいいんですが、この辺りの良い毛を気になる部分に植え付けるんですよ」
はーそうですか・・・。
「じゃちょっと頭頂部も拝見して・・・あーあああーなるほどー」
一人で納得してないで、は早く。
「まあ典型的な女性の薄毛ですねえ」
「えええー!」
「えええーって、それが気になってここに来られたわけですから」
いやまあそりゃそうですけど、はっきりとプロの人に言われるのとただのピザ雄に言われるのとでは言葉の重みが違いますよ。
「まあそういうことで、うーん。もし植毛をしようとお思いになるのでしたら、植毛する範囲を決めていただいて・・・」
「ええっ!わた、私が決めるんですかっ?」
「そりゃそうですよ。ご本人が気になるところを施術しないと意味がないですよ」
いちいち正論だなおい!
「そりゃそうですけど、そんな大事なことを私のようなド素人が決めるんですか?そんな、ちょっとそりゃもう、先生が『あんたここら辺やらないとやばいよ』っていうエリアを決めてくださるんじゃないんですか?それにそもそも私、自分の頭頂部なんかよく見えないんですけど」
「いや、僕は人を嫌な気分にさせるためにここにいるわけじゃないんで」
嫌な気分にさせるって!どういう意味!
「嫌な気分というか、私は真実が知りたいんです!」
「あー真実」
「そうです真実!」
「んーじゃあまあ、頭頂部全体的に」
「えええー!!!」
「というのはうそで」
ちょっとーーー!!!
「まあ、範囲としては狭いですよ。ただ加齢と共に薄毛というのは進行しますから、今のうちに手当しておくのはおすすめです。もしよかったら今大体の範囲をお見せしましょうか?」
最初からそうしてくださいよ!
先生がおもむろにとりだしたのは、刺繍をするときに使う丸い木枠の巨大なやつ。そしてそれにはサランラップがミニョーンと挟まれています。
実は部屋に入った時から、あれは何だろう?って気になってたんですよね。
テーブルの向こうからググググッと身を乗り出してその丸い木枠を私の頭にカッパのお皿のように載せようとする先生。
なかなか手が届かず、上半身がプルプルしています。
「…あの、そこからじゃなくて…」
「あ。そうですね。そちらに行きますね」
さささっと私の背後に回ってきた先生。
再度カッパのお皿のように私の頭にソレを載せます。
そして油性マジックらしきもので頭の上をヌロヌロヌローっとなぞっている気配。
「はいこんな感じです」
こんな感じと見せられたモノは、サランラップに描かれたへんちくりんな形状の模様です。
「まあ気になる範囲から少し広げ気味でなぞってみました。このエリアに植毛するんですが、株数も決めないといけないんですよ。どれぐらいフサフサにしたいかの希望と髪型をまず決めていただいて…」
「かっ髪型!髪型を決めないと植毛ってできないんですか?今髪型を決めてもし植毛したら、一生髪型は変えられないんですか?」
「いや、そういうわけじゃないですけど。まあ、今の髪型がお似合いだからそれでいいじゃないですか。ねえ」
それでいいじゃないですかって。
ねえ、って可愛く言われても…。
<長くなったので明日に続くーいやカウンセリングもなんだかんだでほぼ3時間ほどかかりましたよびっくりですよ>