東京で最初にこのニュースを聞いた時は、
は?
オスカーのステージで誰が誰を殴ったって?
とぼやーと考えていたんですが、帰宅後ネットでチェックをしたら全米というか全世界で結構な騒ぎになっているじゃありませんか。
事の顛末はオスカーの司会進行をしていたコメディアンのクリス・ロックが、ウィル・スミスの妻(ジェイダ)の髪型を映画のGI Janeになぞらえて「I love you Jada. Can't wait G.I. Jane2!ラブユージェイダ。GI ジェーン2が待ち遠しいよ」と言ったのが始まり。まあ観客はドッと沸き、カメラにフレームインしたウィルもはははと笑っていましたが、この時のジェイダの顔の恐ろしかったことと言ったらもう。
にこりともせずクリスを睨み、次にウィルの方を睨んだんですが、白目でどえらい形相でそりゃ恐ろしかった。
彼女は脱毛症に苦しんでいると2018年に公表し、頭髪を剃っていたのでセンシティブなトピックではありました。
でもこれ、オスカーですからね。
全世界で放送される伝統あるオスカーの舞台で、コメディアンが司会進行をしてセレブたちをいじるのもまたオスカーの伝統でもあるわけです。
もちろん、病に苦しんでいる人をいたずらにいじったり中傷するのがよくないということは当然ですが、クリスのジョークがそんなにひどいものだったとは私には思えませんでした。
でも、ジェイダの表情を見た瞬間、わーこれウィルは家に帰ったらボコボコにやられるなー、と思いました。
で、次のシーンではウィルがステージに上がり、ツカツカとクリスに歩み寄ったんですが、クリスは「おー」と、台本になかったウィルの行動に「あれ?」という気持ちと「おっウィル、なんか面白いことやってくれちゃうの?」という気持ちが混ざったような感じの声で出迎えるんですが、次の瞬間バッシーン!と平手打ちを食らって呆然。
ウィルはすぐになんとなく微笑みをたたえたような奇妙な表情で席に戻り、クリスは「うわー・・・ウィルに平手打ちされた!ええ?平手打ち?え?」と、それでもプロ根性で司会続行。
↑え?俺今殴られた?マジ?って感じ。
するとまたここからがひどかった。
ウィルが口汚い言葉で「俺の妻の名前を口にするな!」と2度繰り返したわけです。放送禁止用語を交えて。
ああー。やっちゃったー・・・。
って思いました。
あの顔つきはマジだった。
やらせ疑惑も多く語られていますが、私はあれはマジだったと思います。
ウィルのあの顔つきはやばかった。品位も知性も感じられなかった。
クリスは
「GIジェーンのジョーク?あれが悪かった?そうだね?わかったよ、もう言わない。オッケー?」
とウィルを宥め、
「これは・・・これはテレビ業界でもオスカーでも、歴史的な出来事だよね?ねえ?」と、戸惑う観客に向けて、本人も相当戸惑いながらも笑いを誘う言葉を続けました。
クリス・ロック、なんかいい人じゃん?
って思いました。プロ根性もあった。
正直なところ、ウィル・スミスというよりは、ウィルと妻の人間関係というか上下関係というか力関係というか、まあちょっとはっきり言って奴隷と支配者っぽい関係が匂ってきて、やべーこの夫婦マジやべー。
と思いましたよ。
妻も止めないんだね。
やばいよね。
とも思いました。
それにボクサーの演技でボクシング指導を受けたウィルが平手打ちを繰り出したこともちょっと、微妙な感じ。
ウィル的にはクリスのジョークに腹を立てたというより、今これやっとかないと帰ってから女房に殺される!という危機感から、グーパンチじゃなくて平手打ちになったんじゃないの?
とちょっと穿った見方をしてしまいます。
『誹謗中傷を受けた妻のために立ち上がった素晴らしい夫!』
という評価も多く見られましたが、個人的にですが私はぜーんぜんそう思いませんでした。
全体的に非常に醜いシーンとなって人々の記憶に残りましたよね・・・としか思えませんよわたしゃ。
↑その瞬間のセレブの皆さん。右上の人と真ん中のメガネのおじさんいい味出してる!