911同時多発テロから20年が経った今年、例年よりもかなり大きく悲しみや寂しさ、思い出をシェアする番組やSNSがありました。

どれを見ても読んでも、気持ちがワーっとあの日に引き戻され、あのなんとも言えない空虚な感じ、寂しくて不安で空っぽな感覚が胸の中に広がります。

 

その中でちょっと目を引いたニュースがありました。

今、アメリカのテレビやニュースペーパー、SNSでかなり拡散されていますが、とある報道カメラマンが911の取材中に瓦礫に埋もれ、大怪我を負って救助された時の話です。

彼が瓦礫の中から大声で助けを求めると、誰かの

「大丈夫だBro.(ブラザーの意味)」

という声が聞こえ、彼を瓦礫の中から引き摺り出してくれたそうです。

そして彼を救急隊に引き渡してくれた警察官と消防士、それから救急隊員、病院のスタッフ、全員に心からの感謝を伝えようと、怪我が治ってから探しに探し、たった一人を残した全ての人に再会し、今でも連絡を取り合っているそうです。

ただ、そのたった一人、19年と364日、探しても探しても探しても全く見つからなかった人がいる。

それがこの写真に写っている消防士なんだそうです。

 

↑真ん中の髭の人が報道カメラマンの彼です。

 

FDNYに連絡をし、ボランティアの消防士にも聞いて周り、ありとあらゆる手段を尽くして探して探して探して、20年が経っても一向に見つからない。

一体誰なんだろう彼は。

本当に存在したんだろうか。

とにかく、なんとしても彼に会いたい。

会って手を取ってハグをして、自分がどんなにどんなに感謝しているか伝えたい。

 

というニュースです。

こりゃポールに聞いてみなきゃ!

と思って写真を見せました。

即答で

 

「知らない」

 

えええーそれだけ?

何か手がかりとか何かないの?

 

がっかりして食い下がったら

「ボランティアの消防士ではなくアクティブなFDNYの消防士なことは間違いない。そんなに若くもないから多分この時点で奉職して10年前後ぐらいじゃないかな。腕にEMS(救急隊)のパッチがあるから、エンジンカンパニー(放水車隊)所属なことも間違いない」

と教えてくれました。

「こういうルックスの消防士は山ほどいるから、知ってる誰かに似てると思う人はたくさんいるだろうけど、今の今まで見つかっていないということは、この後ノースタワーが崩落した時に死んでしまったか、あるいは後から後遺症で死んでしまったか、あるいはただ単に名乗り出たくないだけなのかもしれない」

とも言ってました。

 

でも、たとえ最悪のケースで亡くなっていたとしても、遺族の誰かや親族、隣人、友達や、同じカンパニー所属の誰かが

「これはあの彼だ」

って教えてくれても良さそうなのに。

今、アメリカのネット上で相当話題になっているこのニュース。

謎が明らかになる日はくるのかな・・・・。