さっき、ちょっと気温が下がってきた様子だったので、お散歩に出かけたんですが、エレベーターホールで待っている時に、ものすごい子供の雄叫びが聞こえてきました。
同じフロアのどこかの部屋で子供が大騒ぎしてるのかなあ?
と廊下を覗いてみようとしたら、エレベーターの上の方からドッカーンドガガガッガガ!という音とともに、子供の絶叫がどんどん近づいてきました。
うげー。
子がエレベーターの中で駄々をこねて泣き叫んでるのかあ。
ちょっとやり過ごして次のに乗ろうかなあ。
と思っているうちに、エレベーターのドアがスルスルスルと開き、子供の雄叫びも最大ボリュームに。
ううっ。
と思いながらチラッと中を覗いて見たら、なんと中にいたのは3歳ぐらい?(子供の年齢がさっぱりわからない)の女の子が一人でした。
身長はオーチョの1.5倍ぐらい(比べる対象がオーチョ)。
ピンクのワンピースを着て、手にはなぜかお散歩マップ。
死ぬほど泣いたらしく顔は涙と鼻水とよだれでベットベトでした。
そして、私の姿を見るなり
「おかあさんがいないのーーーーーーーーーーーーーー!!」
と渾身の絶叫。
次いで、うぎぇああああああああああああ!と全力で号泣。
え。
ちょ。
ホテル内で迷子?
慌ててエレベーターに乗り込み
「お母さんいないの?」
と聞くと
「いつのまにかいなくなったのおおおおーーーーーーー!さっきまでいたのに、いつのまにかいないのーーーーーーーーーーーーーー!いなくなっちゃったああああああああああああああああ!!」
ここまで自分を見失って泣いてるのに、そこは説明できるんだ!
すごいやん!めっちゃ説明できるやん!
と内心感心しました。
本当に何歳ぐらいなんだろう?頭良くないこの子?
まあ、少女的にはそんなこたどうでもよくて、唯一見かけた大人の私に涙の訴えです。
「おかあさんがいなーーーーーーーーーーーーーーい!いなくなったのおおおおおおおおおおお!!」
うんうんわかるよその気持ち。
でも、多分お母さん的にはいつの間にかいなくなったのは自分じゃなくて、娘であるあなたの方だと思ってると思うよ。
なんてことを言って聞かせても何の役にもたたないどころか、ますます泣かせることになるので、まずは
「じゃあ一緒にロビーに行こうか?ね?一緒にお母さん探そうか?」
このご時世だし、知らない人について言ってはいけません!
と厳しく言われていたら断られるかもしれないかなあ、と思いながら聞いて見ると
うぎゃあああああああああああああーん!うん。うぎゃあああああああああああああーん!
と号泣の合間に必死で頷いてくれました。
素直じゃん。可愛いじゃん!
そして用心深く
「じゃあ手を繋ぐ?大丈夫?」
と聞くと、ウンと頷きながら小さい手を出してくれました。
うわー。
手が小さい。
かわいい!
ロビーに到着しゆっくりと一緒に降りると、大人と手を繋いで見覚えのあるロビーに来たことで少し安心したのか、ヒックヒックとなりながらもだんだん泣き止んでくれました。
フロントに近づきながら
「すみませーん。迷子ちゃんでーす」
というと、若いフロントの女性が大急ぎで出てきてくれました。
「エレベーターに一人で乗っちゃったみたいで、泣いてましたよ」
と説明すると、
「おかあさんがいつのまにかいなくなっちゃったのーーーーーーーーーーー」
と少し控えめのボリュームで涙の訴えが出ました。
偉いねえ。
ちゃんと説明できて、本当に偉いねえ。
「じゃあこのお姉さんにお母さんを探してもらおうっか。大丈夫?」
と聞くと、ウンとまた頷いてフロントの女性に向き直りました。
いやー。
子供ってなかなか可愛いですねえ。それになかなか賢いなあ。
こんな見ず知らずの、しかも超いい加減で超変な大人でも、見た目が大人だとこんなに信用してくれて、手まで繋いでくれちゃって、なんか親御さんにお礼を言いたくなりましたよ。
最後に
「じゃあね。バイバイ」
と手を振ったら、小さなおててを振り返してくれました。
「バイバイおばちゃん」
おばちゃんかーい!
最後にそれかーーーーーーーい!
あってるけどーーーーーーーーーーー!!!
いいけどべつにーーーーーーーー!!!