不運だったなあと思うんです。
そのホテルにとって。
建築が始まってからあっという間に完成して、そろそろオープンするんだろうなあ、と思っていたらめでたく花輪が届いてグランドオープン。
いわゆるチェーンのビジネスホテルなのですが、新築だからピカピカ。めちゃくちゃ近所だけど一度泊まってみたい、なんて思ったりしていたんです。
そしたら、そう、多分オープンして2週間ぐらいでコロナロックダウン。
出張どころかオフィスワークすらなくなって、見上げると窓はすべて真っ暗ですよ。あー。かわいそう。あー気の毒。
と思っていたら、オープンから2ヶ月も経たない頃、とうとう「当面の間休業いたします」の張り紙が出ました。
ところが。
ふと気づくとそのホテルの窓にポツポツと明かりが灯りはじめたんです。
おや。再オープンしたのかな?
と思って正面ドアをみると、相変わらず内側から目張りが施されて休業の張り紙もそのまま。ビルの脇には警備員さんがずーっと所在無げに見張りをしている状態のままです。
でも、明かりが灯っている窓には人影も見えるんです。
泊まってる人、いるよね?
それともこのホテルチェーンの従業員さんたちが出張で泊まっているのかな?
そこまで気に留めていたわけでもありませんが、前を通りかかるとついつい上を見上げて
あ、やっぱり明かりがついてる窓がたくさんある。。。。
ずっと、なんだろうな?どうなってるのかな?
と思っていました。
そしてつい先日、高校時代の先輩とお話をしていた時に聞いた話からハッと思いついたんです。
『海外から帰国して2週間自主隔離する人たちのための宿泊所になってるのかも?』
すぐ近くにタクシー乗り場や空港バス停留所もあるし、専用タクシーや空港バスで到着して、徒歩でこのホテルまで来る、っていうのはすごくあり得る話かも!
とすると、中にはホテルチェーンの従業員さんも働いているし、食事のお世話なんかもしてるのかな?
真実のほどは定かではありませんが、それ以外考えられないような?
そう思って見ると、なんとなく窓に向かって
「みなさんお疲れ様。早くお家に帰れますように」
とエールを送ってしまいます。
ニューヨークはどんどん元気を取り戻しているみたいだし、治安は不安だけれど、ここから一気にコロナを乗り越えるんだろうなあ、という勢いを感じます。
日本も、がんばれ。
こうやって色んな隠れた我慢をしている人たちがたくさんたくさんいるんだから、あともう少し。がんばれ。
(オリンピックはやめたほうがいいとヒソカに思ってますけど)(←全然ヒソカじゃない)