↑FDNY協会(?)トップのおじさん。このおじさんの通常の職務は、ファイアファイター達を守る仕事なのですが・・・

 

 

 

ヒマポはニューヨークの状況を見るととても気持ちが落ち込むらしく、「もうコロナのニュースは見たくない」と言っているのですが、やっぱり気になるのはFDNYの状況。

毎日FDNYから送られてくる情報をチェックしていますが、今日は特別に緊急の告知があったようです。

 

彼らはいわゆるFirst Respondersつまり第一報を受けて先頭を切って現場に駆けつける人たちですから、当然のことながら危険は人一倍です。

案の定現在のFDNYファイアファイターの16%が新型コロナに罹患。

今日はFDNYのトップの一人が、ファイアファイターたちに向けて緊急アナウンスメントを出しました。

 

『現在我々は米国が未だかつて経験したことのない危機的状況に直面しています。そして君達はその最前線に立ち、市民たちを助けるために奔走していますが、すでにそのキャパシティを超える状況になっています。

つまりそれは、君たちがその愛する家族をも危険に晒す状況でもあるのです。

それでも、我々の使命は市民の命を危機から救うこと。助けを求める声が届けば、誰よりも早くその声を聞き、駆けつけ、救わなければなりません。

先のことは誰にもわからず、今現在の状況が明日には、いや今夜にでも全く変わってしまいかねない状況なのです』

 

実はFDNYでファイアファイターになるためには、ヒマポも卒業したファイアアカデミーという消防学校を卒業し試験に受かる道の他に、少しだけ優先的にファイアファイターになる方法があります。

それはEMS(救急隊)に勤めてからFDNYに応募するという方法です。

意外に知られていないのですが、この方法でファイアファイターになった人も多くいます。

そして今、この新型コロナクライシスに当たって、キャパシティをはるかに超える緊急コールと救急隊員のコロナウィルス罹患のダブルパンチで救急隊員が不足するという事態に陥ってしまい、ついに『かつてEMS隊員だったファイアファイターは全員救急隊に戻れ』という緊急命令が下されたのです。

これは平常時だと違法命令なのですが、ステートオブエマージェンシーが発令されたため、それぞれの地方自治体やNYPD、FDNYの長の判断に全てが委ねられるという特殊な事情下、可能となりました。

それはひいては、如何にニューヨークが危機的状況に陥っているか、という証でもあります。

ファイアファイターになったけれど救急隊員としての経験と知識のある隊員は、全員ファイアハウスから即刻救急隊に移動し、出動しろ。という命令なのですから。

 

先日フンフンと話をしましたが

「毎日毎日救急車の音がひっきりなしに聞こえてきて、もうはっきり言って日本のことどころか、他の州のことすら心配している余裕がない」

と言ってました。

ほんの3週間前までは日本のニュースに釘付けで『日本は大丈夫なのか?』と心配しつつも、対岸の火事的な気分だったのに。

 

こんな状態がニューヨークであと数ヶ月続いたら、リタイアしたファイアファイターたちにも出動要請が出る可能性がとても高くなります。

だって、救急隊もファイアファイターも全員同じ人間ですから、全員ウィルス感染の恐れがあり、罹患すると隔離されざるを得ません。自動的に人員不足になるのは目に見えています。

ヒマポも「うーん。もしかしたら電話かテキストが来るかもしれないなあ。今のところ半々の確率ぐらいな気がする」と言っています。私も本当にそう思います。

そうしたら彼はアメリカに飛んで帰ってファイアハウスに泊まり込んでまた任務につくつもりだそうで、そうしたら私はリン父を置いてアメリカには帰れないので当分離れ離れにならざるを得ません。

 

つまり、3週間前までは普通に他国の心配をしていたニューヨークが、今誰も見たことも聞いたこともない状況に陥っている、とそういうことなのです。

 

『このまま収束するかもしれない。

多分そうかも』

日本では多くの人が今まだ、そんな風に思っているかもしれませんし、もしそうならそれは何よりですが、そうじゃなかったら・・・。

日本が今のニューヨークみたいになったら・・・。

想像するだけで本当に恐ろしいです。

そうならないようにするためにも、ぜひ政府には今本当に素早く動いてもらいたいです。

マスクもまあいいですよもう決めちゃったんなら。はい。ありがとう。いただきます。でも、もう次は考えてください。ロックダウン。

もう遅いかもしれないけれど、それでもあと何日も待つよりも、明日すぐ動いてほしいです。

いろんな不具合や不都合、そしてロックダウンすることで生活が破綻する人たちのことや、私ごときには想像もつかないほど本当に本当に考えなければならないことが気が遠くなるぐらい多いとは思いますが、それでも、生きてさえいれば。そうすればまた世界中でみんな一緒にがんばれる。

今はそう思って、私たち一般人は

#うちで過ごそう #不要不急の外出はやめよう #手を洗おう 

をしっかりと守ることから始めたいです。

1日も早い収束に向かって、みんなでがんばりましょう。本当に、がんばりましょう。