非マッカートニーの『夏はビーチじゃ!』という思い込みにより、せっかくニューヨークのおうちに帰って来たのに、たった3日でまたもやプチ旅行に出て来ました。

いえね。

タダでいいとこ連れて来ていただけて、本当にありがたいと思ってます。本当に。

でも、疲れる・・・。

おうちでゆっくり落ち着きたいのに、週末は混むからマンハッタンに戻って、来週あけたらまたモントークです。

わたしゃ、ハワイのビーチは好きだけど、ビーチならどこでも大好きなわけでもないし、あんまり陽に焼けたくないし、すぐ暑くて死にそうになるし、ああ、やっぱりおうちに帰りたい。

 

 

リン父が心配で、旅先からもほぼ毎日電話をかけているんですが、あいかわらず100%とってくれません。

何日か根気よくかけつづけ、ようやく父からかかってきたと思ったら、開口一番

「ああああああああああーーー!!やっっっと取ってくれたな!」

は・・・はあ?

なに?

やっと?取ってくれただと??

「もうーどないなっとるんや!」

何ぬかしとるねん!!どうもなっとらんわ!

と言い返したくなるのをグッとこらえ、「最近調子はどうお?」と話を変えて優しく聞くと

「うーーーーーん。あんまりようないわ」

「え。体調が悪いの?」

「あんまり良くない」

「ど、どういう風に?」

「いや。まあ。色々や」

「いやいやいや。ちょっとそこはちゃんと説明してよ。お医者さんにみてもらったの?」

「お医者とかはみてもらっとらん」

「ちょ。え?」

「まああれや。色々と良くないんや」

「だから、その、何が・・・」

「ようわからん!」

出た!

ようわからん!

ってこっちの方がようわからんわ!

「それで、あれはどうなんや」

都合が悪くなるあるいはめんどくさくなると、速攻で話をかえるのも最近のリン父の得意技です。

「え、え?あれ?って?え?」

「あの。あれは調子はどうなんや」

「あれ、って」

「あの・・・あれや。もうーー!!あかん!!名前が出てこん!!」

名前が出てこん、って・・・なんか・・・前にも同じような会話を交わした記憶が・・・

「あれや!あの、アメリカ人や!」

「アメ・・・アメリカ人って、あの、また、もしかしてポ、ポール・・・」

「それや!ポールちゃんはどうやねん!」

どうやねんって、まあ、元気だけど、仮にも義理の息子の名前をこうも簡単に忘れるとは。

「そうか。そんならまあええわ」

「いや。アメリカ人はどうでもよくて、お父さんの方がもうちょっと、こう、前向きにというか、元気に楽しく暮らしてもらいたいんですけど・・・」

「それは無理や!」

デカ声でネガティブ炸裂。

昔は本当に陽気で前向きで我慢強くてほとんどグチを言わなかった父が、最近は『大丈夫』とか『元気よ』と、若い頃から絶対に死んでも言わなかった(本当に言わなかった)リン母そっくりになってきて、「調子はどう?」とか「最近どうしてる?」「今日はどうだった?」と聞くと、まずほぼ100%「あかんわ」「良くない」「大丈夫じゃない」としか言わなくなった父に、ちょっと喝を入れてみました。

「あの、陽気で前向きで元気いっぱいで、大丈夫じゃなくても『大丈夫や!』とバリバリ前に進んでいた私のお父さんはどこへいってしまったの?」

 

「その人は、もうおらん!」

 

即答ですわ。