場末の何か(何なのかはよくわからない)みたいなウェディングチャペルにびっくりしながら中に入ると、めちゃお化粧の濃いラテン系の女性がカウンターの中にいました。

「ハーイ」

と声をかけてくれるけど、カリフォルニアの人としてはちょっと無愛想な感じ。

彼女の眉毛があまりにも濃くてまじまじと見てしまい、マリッジサーティフィケートを持ってきた?と聞かれても上の空でポール(マッカートニーじゃない方)に肘でこづかれるまで気がつきませんでした。

 

はいはいと前日手に入れたばかりのサーティフィケートを手渡すと、

「じゃああっちに座って待っててください」

と追い払われました。

ちなみにウェディングの予約時刻は午後9時でしたが、予約の時に「8時45分までに来てください」と言われ、余裕を持ってホテルをでたのにウクライナ人のおじさんがノロノロ運転な上に連れ込みホテルで降りる羽目になったので、到着した時は9時ちょっと前。

大慌てで「遅れてごめんなさい!」と入って行ったのに、だーれも気にしちゃいない。

気にしちゃいないどころか、まだ前のカップルがセレモニーを始めてすらいなかったし、エルビスの影も形もなし。

前のカップルは結婚して10年目。8歳ぐらいの男の子づれでRenewal of Vows(日本ではバウリニューアルといって、最近ちょっとポピュラーになり始めているらしいですね)のために来ていました。

この人たちは中の小さなチャペルでパスターの前で宣誓するという、トラディショナルなセレモニーでした。

 

順番待ちをしながら場末のチャペルをウロウロ見学していると、

「はいあなたのブーケ」

と赤いお花を手渡されました。

注文していなかったけどポールのブートニアもおまけで作ってくれていました。

ほどなく書類が完成したようで、

「この書類に立会人がサインします。セレモニーが終わったら10日以内にオンラインで結婚の正式な手続きを行ってください」

と言われ、

「立会人がいないんですけど」

と言うと

「ああ、そうなのね。大丈夫」

と軽く言われました。

 

で?

結局誰が立会人になるの?

とポール(マッカートニーじゃない方)にコソコソと訊くと

さあ?エルビスなんじゃないかな?

と甚だいい加減な返事が返って来ました。

 

外を覗いてみると、なんか知らんけど隣の空き地でメキシコの子供が5人ぐらいワラワラワラと遊んでるし。

ここで本当に結婚式を?

ブリトニーが?

ポール・ニューマンが?

ブルース・ウィリスとデミ・ムーアが?

エルビスが?

マイケル・ジョーダンが?

まじで?

 

↑この椅子は結構かわいらしいけど、でも古ぼけてたなあ。

 

<続く>