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先日、コンちゃんが『ゴーストツアー』をプレゼントしてくれました。
いろんな街にあるゴーストツアー。
確かケベックにもあったなあ。
ニューヨークのゴーストツアーには、前々からとっても興味があったので、大よろこびで参加しました。

コンちゃんと軽くディナーを済ませてから、ツアーの待ち合わせ場所『ワシントンスクエア』の北西角に向かいました。
待ち合わせ時間は午後7時半。
まだまだ明るいんですが、そのうちオドロオドロとした雰囲気に包まれ、くらーーーくてこわーーーーい感じになっていくにちがいない・・・。

待ち合わせ場所に到着すると、そこにはすでに10人ほどの人が立ち話をしていました。
あれがツアーの人たちかな?
と近づいていくと、ゴーストツアー案内役『コンシェルジュ』が近寄ってきました。

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↑コンシェルジュはアジア系の若い男性でした。背後の大きな木は樹齢300年だそうで、ワシントンスクエアが処刑場だった時代、その枝に罪人たちが吊るされていたのだとか・・・ブルブル。

私とコンちゃんが最後のメンバーかと思って訊いてみると

「いえ。あと一人もうじきくるはずですよ。えーと。カークランドっていう名前の男性です」

訊きもしない残りメンバーの名前まで教えてくれたコンシェルジュさんは、なんかノリが妙に軽いというか明るいというか・・・。
ツアーメンバーは、私とコンちゃん、家族連れが6人とカップルが一組の10人。家族連れのお父さんらしき人は終始ご機嫌で、ジョークを連発。
ゴーストツアーのはずなのに、なぜこんなに陽気なのか。

さて。
7時半出発のはずが、待てど暮らせどカークランドさんが登場しません。
ついにしびれを切らしたお父さんが、通りかかる男性をつかまえては
「お前はカークランドか?」
と訊き、
「いや違う」
と言われると
「じゃあカークランドになりたいか?」
と訊く有様。
「なりたくない」
とわざわざ答える人もいましたが、大概の人は
「は?」
という顔つきでそそくさと立ち去ってしまいました。

その後、カークランドさんは結局来ないことになったのか、陽気なコンシェルジュに導かれ、いよいよツアーがスタートしたのは8時前でした。

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↑7番街の交差点で陽気にしゃべりまくるコンシェルジュ。

ワシントンスクエアからグリニッジビレッジに向かって歩きながら、コンシェルジュが古いホテルや家屋にまつわるゴースト話を繰り広げます。
そして、お父さんは相変わらず通りかかる男性に向かって
「カークランド?」
挙げ句の果てにホームレスのおじさんにまで
「カークランドか?」

全員バカ受けで楽しかったけど、コンシェルジュまでゲラゲラ笑うのはいかがなものか。
これはゴーストツアーではなかったのか?


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↑ツアー開始時は明るかったけれど、ほどなく暗くなり始め、フリーダムタワーの真上に綺麗なお月さまが。

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↑ブルーのブラインドとレンガ塀のコントラストが美しいタウンハウスですが、こちらにもお化けさまがお住まいだそうです。
ストゥープに残されたティーカップがちょっとスプーキーな雰囲気。


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↑裏庭に少女の亡霊が出るというアパート。


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↑通りを馬車がパカパカゴトゴトと往来する時代が目に浮かぶよう。


とまあ、ロマンティックなグリニッジビレッジを、カークランドにこだわるお父さんと陽気なゴーストツアーコンシェルジュに連れられて歩き回るのは本当に楽しかったんですが、楽しくて良いのかゴーストツアー?

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↑霊現象なのか、とある部屋だけが無傷で燃え残ったという、火事で焼失した元ホテルのレストラン。テラス席では大勢の皆さんがお食事中でした。


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↑禁酒法時代の隠れ酒場へのドア。ドアノブが異様に低い位置にある理由は誰も知らない・・・。


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↑亡霊が出入りするという古いシアター前の通り。



終始陽気なコンシェルジュとカークランドを待ち続けたお父さんのおかげで、本当に楽しかったゴーストツアー。
歩き続けること2時間弱。
期待していた亡霊ホテルや亡霊アパートの内部見学は全くなく、ひたすら歩く歩く歩く。
それでも、美しいグリニッジビレッジの町並みを楽しみながら歩くツアーは、かなり見ごたえあり。ただし、英語が理解できないと辛いものがあります。
日本語のゴーストツアーってあるのかしら?

私もコンちゃんも、20年以上もニューヨークに住んでいるのに、『あれ、この通り歩いたことあったっけ?』と思うような裏路地があったり、『あっ。ここの通りのこの空き地、25年前にもあった!』と古い思い出が突然蘇ってきたり、私たちのニューヨーク生活の歴史を紐解くちょっとした小旅行ぽい感じもあり、ああ本当に行ってよかった。

2時間ほど歩き続け、しゃべり続けた私たちは足も疲れたし喉もカラカラ。
ツアーの途中で見かけたちょっとレトロなカフェに入って冷たいドリンクをがぶ飲みして、この日のツアーは終了。コンちゃんはアイスティー。私はレトロな感じでチェリーソーダを注文しました。


幼馴染と久しぶりに歩いたグリニッジビレッジ。
よく考えたらコンちゃんと一緒に歩いた初めてのニューヨークもグリニッジビレッジでした。
あの頃は二人とも若かったなあ・・・。
ふー。


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↑レトロなカフェ。50年代風かな?