先日、用事があってブルックリンに行った帰りの地下鉄でのことです。
外は超猛暑。ウルトラ猛暑。死ぬかと思うほどの猛暑ですが、地下鉄車内はいつもどおり、『体温の高いアメリカ人用設定』でヒマラヤか八甲田山かと思うほどのクーラー全開でした。
二駅分歩いた後だったので大汗をかいて乗り込みましたが、ものの2分で汗がひき、10分ぐらいは快適でしたが、その後は凍死するかと思うぐらい寒くなり、腕をサスサスしながら震えていました。
マンハッタンに入ってから乗客が増え、満員になった時点でやっぱり『体温の高いアメリカ人』のおかげで車内の気温はほどよく落ち着き、はーやれやれと思ったのが私の降車駅グランドセントラル駅のほんの手前。
突然ガッターンとブレーキがかかり、電車がストップしました。
これはまあよくあることですから、誰もなんとも思わなかったのですが、ほどなくしてクーラーがストップ。
それでも、まあこれもたまにあることなので、皆さん平常心でした。

ところが、この状態が5分ほど続いた時点で車内の気温が急上昇しはじめ、体温の高いアメリカ人たを満載した車内の不快指数も急上昇。
もわわわーーーんとした空気が満ち、息が詰まりそうな感じ。

周りのアメリカ人たちは、みな『ハー』とか『ヌフー』とか、ため息をついたり鼻息を荒くしたり、立ったまま貧乏ゆすりを始めたり、落ち着かないことこの上なし。
それにしても暑い。
凍死寸前だった私でさえも、ちょっと辛い・・・と思い始めていましたので、おそらくアメリカ人たちは相当辛かったと思います。


マジで具合悪くなる人が出てくるんじゃないかしら?
と思い始めた頃、車掌のアナウンスが入りました。

「前方で線路火災があったようですので、確認するまで停車します」

停車はいいけど、なぜクーラーを止めるのか??

「システムの安全が確認されるまで、クーラーを点けることはできません」

ええええー。
なぜに???

ハアアアアーーーーーーーーーっと、ため息の合唱です。


さらに意味不明なことに、延々と停車している私たちの電車を、何台もの電車がガガガガーッと追い抜いていくんです。
え?
前方の線路で火災なんじゃないの?
システムの安全が確認できるまで、私たちの電車はクーラーすらつけてもらえないのに、なぜに他の電車はどんどん追い越して行っちゃうの?

おそらく車両中のアメリカ人が全員そう思っていたに違いありません。

あー暑い。
息が止まりそう・・・

と思い始めた時、たまたま私の隣に座っていたチャイニーズぽい女性がバッグの中からお扇子を取り出し、パタパタと扇ぎ始めました。

あああ・・・・

彼女の扇子風が私にも涼やかにあたり、地獄から極楽に急上昇。
日本人が発明した中でも、お扇子は最高の発明の一つだと実感しました。


体温の高い連中を満載した、不快指数200%の電車は、その後ようやくガッタンと動き始め、グランドセントラル駅に到着しましたが、結局クーラーは戻らないまま。
プラットフォームに出た瞬間、クーラーの下に人々が殺到しました。
私も同じくクーラーの下に駆け寄り、しばらく涼んでから外に出ました。

駅の外には消防車が合計4台。

1
↑階段を上がってすぐ目の前に二台。

大変だなあ、しかし。
このクソ暑いのに、消防服着て乗り心地最悪の消防車に乗って消火活動なんて。
ただでさえ体温高いのに。

3
↑角を曲がった42丁目側にも2台。

結局本当に線路が火事だったのか、何だったのか真相はわからずじまいでした。
私が写真を撮った直後、消防車たちも立ち去ってしまったし。
何だったのかなあ?
しかしとにかく地獄のように暑かった。
死ぬかと思ったわ。。。

2
↑消防車の中は、後部座席は確かクーラー効いてなかったような気が。だからいつも窓を開けて外を眺めてるのかしらね、消防士さんたち。