遡ることなんと6年前。
チョビの闘病生活中、本当に本当にたくさんのアドバイスをいただき、言葉に尽くせないほどお世話になったイケメンT先生と頻繁にメールのやりとりをしていた頃のブログに『欧米人と日本人の体温の違い』という記事をアップしたことがあります。

ことの発端は眼医者リースとの会話。
私が案内したのにいつの間にかリースの『マイ寿司屋』になっていたミッドタウンイーストサイドにあった小さなお寿司屋さん(名前も忘れたし今はもうない)での会話です。

常日頃から感じていた疑問を、医者のリースに訊いてみたんです。
「アメリカ人っていうか、欧米人って体温高いよね?」

私が普段から疑問に思っていた事柄に医学的根拠を与えて欲しかったので、一応お医者さんなリースに訊いてみたわけですよ。

そうしたら、「ええっ。そうなの!?」と逆に聞き返される始末でした。

「なんでそう思うの?」
と重ねて訊かれたので、
「いや・・・アメリカ人の側によるとモワーーって暑いし、クーラーはどこに行っても超寒いし、冬でもビーサンと短パンの日本人なんかいないけど、アメリカ人とか欧米人ってそういう人よく見かけるし・・・」
と返事をすると、リースはただでさえギョロっとした目をガーっと見開き
「そんな事、僕はメディカルスクールでは一度も教わっていなーい!」
と、その場で友達の内科医に電話をかけはじめました。

「今レイコとマイ寿司屋で食事中なんだけど」(そんな前置きどうでもいいし、お前の寿司屋じゃない!)
「でね。レイコがいうんだ。アメリカ人はバカだから、利口な日本人より体温が高いんじゃないか、って。そんなことあるかな?」

おいこらちょっと待たんかい。
わたしゃ、体温高いとは言ったけど、バカとか利口とか言ってない!

「はっははっははっはは!!そうだよね。ありえないよね、サンキューバイバイ」

速攻で電話終了。

「ありえないとヤン(内科医)が言ってる。はっははっはは。ありえないよレイコありえなーい!」

言った覚えのないフレーズまで付け加えられた内容で、たった一人の内科医に超短い会話の挙句決めつけられ、全く納得がいかなかったわたくし。
後日ブログに「納得いかん!」と書いたんですよ。

そうしたら、超かっこよくて超優しくて超頭よくて超紳士なイケメンのT先生が颯爽と登場。
メールでくわしーくわかりやすーくていねいーにご説明くださいました。
そして、わたくしの説が正しいことを証明してくださったので、早速ドヤ顔でブログをアップしたのが2009年8月16日。
チョビと私が仲良くブルックリンで暮らしていた頃です。

1
↑懐かしいふにゃふにゃニューヨークタイトル。チョビ~。

2
↑元記事の画像です。

なぜ今になってこれを書いているかといいますとですね。
なぜか最近こちらの記事に対してお問い合わせを数件続けていただきました。ちょっと注目されている様子だったし、転載の問い合わせもいただきましたので、それならもう一度こちらにアップしておこうかな、と思った次第です。

イケメンT先生にも連絡を取ろうとしているんですが、度々行方不明になるT先生。
前も一度連絡がつかなくなり、随分後になって
「すみません。国境の無い医師団で遠い国に行って井戸を掘っていました」
というメールをいただいたりしました。
今回も全く連絡がつかず、前は届いていたはずのメアドも全て全滅。
ああがっかり。
新刊執筆中は、T先生にご登場いただく許可をお願いするメールを送り、お返事もいただいていたのに、今やそのメアドも届かない状態です。
今はどこで井戸を掘っているのかT先生。
日本で会いたいと思ってるのに・・・。

では、以下に当時の記事を転載いたします。


2009年8月16日 (日)
欧米人と日本人の体温の違い

ちょっと前に書いた「欧米人と日本人の体温の違い」についてなんですけどね。
リースに「絶対そんなことない」って笑い飛ばされて悔しい思いをしたんですが、ついに私の説が正しかった事が医学的に証明されました!!
ブログを読んだイケメンのT先生が、メッセージをくださったんです。
詳しいご説明をありがとうございます~~。
これでやっとリースをぎゃふんと言わせることができます!
わーいわーい。
で、その具体的なご説明なんですがね。
私がご説明申し上げても何が何やらわからん説明になること請け合いなので、T先生からいただいたメッセージをゴボっと転載させていただきます。おほほ。

<<イケメンT先生の体温講座>>

ブログにあった欧米人の体温の件ですが、確かに高いです。体温は何に一番依存するか考えると血液になります。欧米人と日本人では血液の比重が違います。欧米人のほうが比重が高いのです。つまり濃度が高いので蓄熱量が高いと考えられます。そのために体温が高いと考えられます。
このことは欧米人は知りません。日本からは海外に血液の計測機器を輸出してるので調べているのですが、欧米人は日本人(アジア人)の血液比重なんか興味ありませんから。
血液の比重に関しては私が日本の会社に依頼されて論文を書いたのですから間違いありません。

(キャーかっこいいT先生!)

まず日本とアメリカの平熱の基準
アメリカは平熱は37±1℃ 華氏の変換式は  F=(℃×9÷5)+32です。
 つまり38℃を超えないと発熱とはいいません。

(えっ…!し、知らなかったっ)

日本ではもっと細かく分かれてまして
   37.1~38℃  微熱
   38.1~38.5℃ 軽度発熱
   38.6~39.0℃ 中等度発熱
   39.1℃~    高熱

となっています。(これも知らなかった…)

では、なぜ欧米人は比重が高いのか? 原因はDNAになります。これについて書くとわけがわからなくなるので止めますね(本当は書きたい。私の専門だから。でも、書くと何ページ必要か分かりません。)
結果から書くと、血液の比重は液体Blood Plasmaと赤血球(RBC)・その他血球からなりますが
    赤血球の日本人の正常値   400~500万個/μl
    アメリカ人の正常値       470~610万個/μl
つまり同じ血液量のではアメリカ人のほうが赤血球が多いのです。血球の重さは赤血球がほとんどなのでその分重たいのです。
さらに体温調節に関しては水の比熱(specific heat)が高く熱伝導率(conduction of heat)がよいので組織で発生した熱を体外に放出するのです。
ですから日本人と欧米人では血液中の水の量が違うので放熱しにくいのです。


うーん…うーん…
つまり、欧米人のほうが赤血球が多い=比重が高い=濃度が濃い=蓄熱量が高い=体温が高い。って図式なわけですね。でもって、欧米人はデロンギ社製の温熱機みたいな感じで、モワワワワーンと体温を放熱している率が日本人より高いってことですね。
欧米人の平熱が37度っていうのもびっくりです。
そんなだったら36度8分ぐらいで『熱が出た熱が出たえらいこっちゃえらいこっちゃしんどいしんどい!!」って大騒ぎする(マジで大騒ぎです)リン父なんかどうなっちゃうんでしょうかね。でも日本人でも38度だと『微熱』のカテゴリーになるっていうのもちょっとびっくりです。私的には38度は高熱なんですが。

いやー。それにしてもホント、お勉強になりましたー。
これでリースにおおいばりで説明できます。
T先生。ありがとうございましたー。

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以上です!
イケメンT先生ー。
万が一これ見てくださったらご連絡くださーい!