ペタしてね読者登録してね

毎日工事は順調に進んでおります。
昨日はケーブル会社の作業が入りましたが、私が対応している間にリン母は美容院へ、リン父は公園に出かけてラジオ体操。ゴミと不用品の山に囲まれながらも、それぞれに老後を楽しんで、仲良くのんびり暮らしている様子に一安心です。

夕方には全ての作業が終了し、家族全員で夕食タイム。
そして食事が終わると、リン父はお布団を敷いたりブラインドを閉めたりと担当作業をこなし、その後はお風呂です。
その間、リン母は家計簿つけ、日記つけ、クロスワードパズル、数独をこなしつつ、突然思いついた前後の脈絡のない話題を家族にふります。
ちなみに昨夜のリン母の脈絡のない話題は、超昔のリン父の仕事の滞在先の話でした。

何か前フリがあればもうちょっとついていけるんですが、テレビでは沢口靖子が真剣な顔で殺人犯をおいつめていて、私はPCに向かってメール中、リン父は新聞を熟読中。
そんなシチュエーションの最中、突如
「お父さんってどうして明石の会社宿舎なんかに泊まったの?」
と眉間にしわを寄せて問い詰め口調だったので、私とリン父は猫のフレーメン反応状態

「明石なんて全然遠くないじゃない!」

「明石は遠いで」

根本的な疑問は横に置いておいて、わけのわからないリン母の詰問にとりあえず反応するリン父。
そんなことするから、リン母の前後の脈絡のない話題ふりにさらに拍車がかかるのでは‥。

「遠くないわよ。電車でいけるじゃない!」

「そんなことないで。遠いで」

「遠くないわよ!」

いやちょっと待ってくださいよリン両親さま。
明石が近いか遠いか以前に、その話題の元は一体?
ていうか、それが一週間前に発生した事柄ならともかく、一体全体何年前の話なのか?

「35年ぐらい前」

憮然とした表情で返事をするリン母。
私の隣にはフレーメン反応のリン父。

「あの。なぜ今その話題を‥?」

恐る恐る訊くと、沢口靖子の相手役かなんかが『出張』という単語を発したところからぐるぐるぐるっと思考が発展し、リン父の仕事にたどり着き、何がどうなったのかは知らんけど、ダーっと35年前にさかのぼったらしいことが判明しました。

なぜ?
なぜ?

頭の周りにはてなマークがグルグルしている私を一人取り残し、リン両親の『明石は遠いか遠くないか』の会話は延々と続くのであった‥。