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ASKAが逮捕されましたね。すごくびっくりしました。
私が良く聴いていた頃はまだチャゲ&飛鳥という名前で、万里の河なんて大ヒット曲が生まれるもっとずっと前。
デビュー2曲目の『ひとり咲き』という曲が大好きだったんです。

ある時、彼らのコンサートに行って、なぜだったか記憶が全くないのですが、楽屋に招かれたことが一度だけありました。しかもなぜでしょう。私一人でした。

とことこと入って行くと楽屋の奥の方に飛鳥がボーっと所在なげに足組して座っていて、こんにちは、と声をかけると「あ。こんにちは」と笑顔で答えてくれました。
なんちゅうか、特別大ファンだったというわけでもないんですが、でも曲がとっても好きだったので
「曲、大好きです」
と言うと
「ホントですか。ありがとうございます。うれしいなあ」と、まあお決まりの台詞といえばそれまでですが、本当にふっつーーーの感じで会話してくれて嬉しかった事を覚えています。
もうすでにスターだったのに、いばっていなかったし、厚かましいとかふてぶてしいとかいう雰囲気も全然ない、なんだか普通の学校の友達と話をしているような感じでした。

そんなつもりはなかったんですが、頼まないとちょっと悪いような気がして、持っていたメモ帳をさしだして
「サインしてください」
と言うと、となりのページに私が描いてあった顔面ドあっぷのイラストを見て
「え?あれ。これ俺?」
って訊かれたので、
「いや。私」
と返事すると
「あっ。なんだ自分か。俺かと思った。え。でもさ、なんで自分の顔をノートに描いてるの?」
と訊かれ、
「え。いや。さあ…」
と答えて彼の顔を見ると、あの真っ黒な目で私を見て顔中しわくちゃにして笑ってくれました。
そこらへんに姿が見えなかったので
「チャゲさんは?」と(おざなりに)訊くと
「うーん。どこに行ったのかなあ?そういえばいないね」
と立ち上がって探しに行ってくれそうになったので
「あいやいや。もういいです別にチャゲさんは」
と言うと
「ひでーなー」と笑いながら、これからもよろしくね。と握手してくれました。
好きなタイプの顔じゃなかったけど(なんじゃそりゃ)ハンサムで鼻声がスイートで笑顔もかわいらしかったし、手が大きくて暖かくて素敵な人でした。
楽屋を出る時にもう一度振り返ると、さっきと同じ姿勢で足組みをしたまま、眉毛をちょっとあげて笑顔になり、バイバーイと手を振ってくれました。
このほんの10分かそこらの彼との出会いは、懐かしい青春時代の思い出として、ずーっと心に残っているワンシーンの一つだったんです。
逮捕されて行く彼の姿をテレビで見ながら、はー…とちょっと切ない気持ちになりました。

彼の声帯と声量は常人の域を超えているとかで、屋外のライブで彼の体力と声量についていけなくなったチャゲさんが貧血を起こして倒れたこともあったそうです。
色んな事が人生あるはずですが、せっかくの恵まれた体力と才能をあたら無駄にするのは本当にもったいない。
人に迷惑をかけなければ、基本人生は自分のものだから好きに生きてよし、というのが私の主義ですが、やっぱり自分で自分をコントロールできなくなるのはよろしくありません。
だって、警察に捕まったらほれ、もう音楽ができなくなるじゃないですか。
今までの作品だって全部出荷停止になっちゃって、そうしたら誰も彼らの音楽を楽しめなくなる。チャゲさんもきっと困る。
もったいない。
もったいない。
もったいない。
あんな風に歌えたら。あんな風に創作ができれば。
夢を見て一生懸命生きている人たちがこの世にどれほどいることか。
早く元気になって、また元の普通の人っぽいアスカさんになって、あの声を聴かせてもらいたいものです。
本当にそう思います。