ペタしてね読者登録してね

日本で連れて行っていただいた六本木のさる高級レストランでの事です。
そのレストランはフレンチジャパニーズ、とのことでしたが、注文すれば冷や奴やタコヤキも出てくるという謎めいたレストラン。
さらに謎なのは、高級フレンチ隠れ家風レストランなのに地下にカラオケルームがあり(立派なステージ付き)、そこから超うまい歌声が上のレストランまでビンビン響いてくるということと、その声の主がレストランオーナーにして元ミュージシャンでボイストレーナーであらせられる、ということでしょうか。
いただいたコース料理は絶品中の絶品。
どのお料理もよそでは食べられない類いの珍しいものばかりで、そしてほっぺが落ちそうなぐらい美味しかったです。ペアリングしてくれたワインがこれまた絶品中の絶品で、地下カラオケルームのそのまた奥にあるワインセラーからオーナー自ら選んでくださった素晴らしい赤ワイン。
食い意地(飲み意地?)と好奇心が手伝ってガブーと飲んでみましたが、飲めないわたくしにもわかる質の良さ!
レストランオーナーでミュージシャンでボイストレーナーでワインソムリエ(かどうか知らんけど)なオーナーは、本当にスゴいシンガーでポップもロックも演歌もなんでもかんでも超一流です。
コース料理をいただきながら、地下から流れてくる演歌を聴く。
シュールな経験でした。

で、コースをいただき終わってお腹ポンポンになった後、ちょっとだけ……と地下に降りてカラオケがはじまってしまいました。
広大なカラオケルームは貸し切り状態。
ちょっとだけのつもりが、オーナーとイケメンのウェイターさんを交えてのカラオケ大会となり、挙げ句の果てにオーナーにプチボイストレーニングまでしていただいちゃって……。

オーナーがおっしゃるには
「うまくなるには歌って歌って歌いまくること!」

「下手な歌手の歌は歌わない!練習は上手な人の歌を歌いまくれ!」
だそうです。
どうしても下手な歌手の歌を歌いたいときは、「上手な歌手がその歌を歌っているように歌え!」と言われましてですね。
でもまあ、ああそうですかはいはいへーなるほどほー。と言いながら、歌いたい曲を歌いたいように歌っていたら、ついに叱られました。
そう。
某中●美●の『雪の●』を歌っていたら、
「そんな歌を歌うから高音が出ないんだ!さっきの都はるみはどうした!アンコ椿を歌っていたように歌え!!」

もう無茶苦茶です。
中●美●の『雪の●』を都はるみが歌ったら……どうなる……?
と考えて歌おうとしたら、もう全然ダメ。
無理です無理ですせんぱいー、と泣きが入ったら
「うまい歌手の歌の時はちゃんと声が出てたのに、そんな歌を歌うから全然ダメなんだよ!」
とまた叱られました。
その後も、オーナーの歌にハモりながら時々入り損ねると
「手を抜くな!」と叱り飛ばされました。
「誰だって誰かの歌を歌うときは、それを歌っている歌手の真似になっちゃうんだよ。だからうまい人の歌をたくさん歌えば、どんどんうまくなるんだよ」
と教えられ、なるほどなーって思いました。
いやー、楽しくてためになるひと時でしたよ。

それでね。
最近NYで放送された日本語放送の番組『Song for Japan』を見ていてまた感心したんですよ。
外国の皆さんが日本語の歌を歌って優勝者を決める番組だったんですが、いやー、松田聖子をジャマイカの女性が歌い、森山直太朗をソウルシンガーが歌い、コブクロをゴスペルシンガーが歌い、みなさんうまいうまいうまい。そして、ちゃんと自分の歌にしてるんですねー。オリジナルとは絶対違う、その人なりのジャパニーズポップス。
なるほど。
これが『都はるみが歌う中●美●の『雪の●』なんだな……』とつくづく思いました。

って、わたしゃ別にプロでもなけやセミプロでもないし、もっと言うならそこまで真剣にカラオケせんでも……って感じなんですが、でも歌うって楽しいですよね。大きな声で歌うと運動になるしストレス発散にもなるし。
ずーっとバイオリンを習うのが夢だったんですが、私ギターを左利きで弾くもんですからバイオリンを普通に弾くのが困難でずっと諦めていましたが、ちょっと視点を変えてボイストレーニングでも受けてみようかしらん。
それもいっそクラシックオペラのボイストレーニング。
どうかな?(って、誰に訊いとるんじゃ?)