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怒り爆発したリンコ。
黒リンとなって活動を始めました。

まずは担当分署にフンフンと出向き、ポリスレポートの内容が全然違ってるんだけど、と訴えに行きました。
担当してくれたおまわりさんは、案外と親切そうな人でしたが、「レポートは担当した警官しか内容を変更することができないので、あなたの訴えを彼女に伝えて、明日の朝、彼女から電話するように伝えておきます」
と言われただけ。
そんなもん、電話なんてかかってくるわけねえよな。とフンフン。
絶対かかってこないよね。かかってきたらびっくりするよね。と話ながら、それ以上取り合ってもらえなかったので、仕方なく分署を後にしました。
ちくしょー。どうしてくれよう。

さて。これまで二人の弁護士と話をしていて、白リンとしては善良そうな弁護士さんにお願いして、とにかく正義を!間違いを正そう!
と思っていましたが、今や白リンは深い眠りにつき、黒リンが登場。
正義なんてない。正義の無いこんな国、搾り取れるだけ搾り取ってやれ!

ということで、帰宅後、ドガメツそうな弁護士と話をしました。
案の定エゲつない弁護士は
「おまわりのレポートの内容なんてそんなもん、関係ないですよ!それよりニューヨーク州から病院費用だけじゃなくて賠償金としてお金を搾り取るんですよ!」
と、大変お下品きわまりない。んですが、黒リンにとしては『もっとやったれ!』です。

それにしても、お金はまあ私には関係無くてフンフンがもらえればそれでいいんですが、やっぱり腹立たしいのはお巡り。
そこで登場したのが、普段『使えない』とか『図体デカ』とか、言いたい放題されているポール(マッカートニーじゃないほう)です。
元々とってもエエかっこしいで案外気が弱いポールは、防犯カメラ探索にも頼みもせんのについてきて、私が全てのお店に入ってカメラについて質問している横から口を出しては
「そりゃ警察が来ないとカメラの内容なんて見せてくれないよ。迷惑だからもうやめよう。」
とか
「もう結構ですご迷惑をおかけしました」
と、私とお店の人の会話を遮ったり、おのれは邪魔しに来たんか!!
と私の腹立ちをさらに煽るようなことしかしてくれなかったんですが、今日は違いました。
ポリスレポートの内容が全然違っていたと報告したら、さすがのポールも頭に来た様子で
「レイコ。お巡りなんて正義や市民の生活を守るために働いている人なんてほんの一握りだよ。良いお巡りさんももちろんいるけど、ニューヨークのお巡りの大半は、給料と年金のために働いてるって思ったほうがいいよ。弱者を守るために、と思って日々働いているなんて信じたら、裏切られるだけだよ」と怒り心頭のご様子。
これまた私が頼んでもいないのに「今日分署に一緒に行ってあげる」とディナーの後、分署まで行ってくれました。
当然消防士のIDを見せ、「ブルックリンの消防士なんだけど、今日は友達が犯罪に巻き込まれたことでちょっと訊きたい事があります」と受付のおまわりさんに切り出してくれました。

この世には差別ってたくさんありますが、ここまで対応が違うのを目の当たりにすると腹立たしいというより感動の域です。
ポールは消防士で、しかも金髪碧眼の見るからに白人。
コレ、本当に言いたくないことですが、差別階級のグラフでいうとポールは上層階の一番上ランクです。世界のどこにいっても、差別を受けない部類の人です。
一方、私とフンフンはまあ言ってみれば『サル』扱い。
表面的には適当に相手してくれても、私たちが去った瞬間、メモとか電話番号なんて多分ゴミ箱行きです。

さて。
ポールの言葉にまずおまわりは身を乗り出して(ここからして態度が全然違う)
「何がありました?」
ポールが説明する言葉にフムフムと頷き、早速PCに向かって状況を調べ始めてくれました(全然態度違うやないか!)。
そして、懇切丁寧に説明してくれた内容は
「このケースは、まず事故と事件の二つでファイルされています。事故のファイリングは被害者がもらった内容で処理されていますが、事件の方のファイルは警察本署に請求してもらえば内容を全てお渡しします。ケースオープンなので、現在捜査中ですよ。この書類の事故番号の隣に事件番号も記載されていますから、これを伝えれば捜査の進捗状況もある程度は教えてもらえます」

……ていうか。
そんなこと、私とフンフンが出向いて質問した時は、なーんにも説明してくれなかったじゃんか……。そういうことならそうだって説明してくれれば、もっと理解できたのに。それにしても事故ファイルだって、内容が全然違うのはどうしてなんだろう?
これもポールが質問すると、すぐにクリアなお返事が。
「担当した警官は、こういうひき逃げに近い事件の場合、事故と事件の両方でレポートを提出しなければなりません。あなた達が受け取ったレポートは事故の方なので、担当警官は事故の内容としてそういうストーリーでファイリングする必要があったんだと思います。でも、タクシーの運転手が現場から逃走しているので、犯罪事件としてのファイリングもちゃんとされています」

ということは、その犯罪事件のレポートの内容を私たちがチェックして、間違いがなければひとまずは納得がいくわけです。
でも、そんなこと、こうしてちゃんと説明をしてもらえなければ全然わからなかったことですし、犯罪レポートを請求して内容をチェックして、内容が間違っていようがあっていようが、多分相当色んな方面からプッシュしなければ、実際に捜査をしてもらえるとは思えません。
でも、こうして説明をしてもらえれば私たちの気持ちだって随分違うんです。
持って行き場の無い怒りが、ひとまずは落ち着くじゃないですか。

とはいえ、一旦発動した黒リンはそうそう簡単には大人しくなりません。
何か結果を得るまでは、絶対諦めない逆牙ヘビです。

来週早々に、ドガメツ弁護士と面会して、何ができるかを話し合い、善良な弁護士とも面会して、事件レポートの内容を伝えようかと思っています。

そうそう。
ちなみに担当警官は、やっぱり電話なんてぜーんぜんしてきませんでした。
バカにしてるにも程があるわっっっ!!!

<まだまだ続く毒蛇黒リン!>