ヤケクソになっています。
先週奥歯のクラウンがゴゲと抜け落ちたんです。
もう多分２０年ぐらい前に入れたもので、ゴロリと抜けたモノを見ると、なんか口の中に住んでいるなぞの新生物の死骸なのか（キモいわっ）ただ単に歯が一部欠けたのか、クラウンの下に白い部分がくっついているし、鉄の部分は古代エジプトみたいに古びた色になっているし、とにかく全体的に超恐ろしい有様になっていました。
こりゃクラウン取り替えだわ、と思い、今日行きつけの歯医者さんに気軽に行ってきました。
そしたら
「うーん。クラウンを新しいものにかえてもいいんだけど、そうするとちょっと歯根がだいぶ短いので１０年も２０年も保たないかもしれませんねえ。そんな短命なものにお金をかけるぐらいだったら、もう少し思いきってインプラントにしたほうが良いかもしれません。第一、この歯根の状態でクラウンを入れて、またころっと落ちてそれを飲み込んでしまったらと思うと、恐ろしくておすすめできません」
と言われてしまいました。
ええええー。
インプラントかあ……。
ちょっと憂鬱になったけど、仕方ないのでそのドクターに紹介状を書いてもらい、角を曲がったところにあるインプラントや歯関係の手術専門ドクターのオフィスに行きました。
エレガントな感じのするオフィスは、低くクラシック音楽なんて流れていて、とても良い雰囲気。
でもやってくる患者さんたちは特におセレブな感じもせず、普通な感じなので安心していました。
んが。
登場したドクターはカナダ系ユダヤ人ドクター。
そして、超人当たりが良くて感じが良くて優しげで親切でコマメ。
もうちょっと若ければ結婚してもらいたいぐらい（え？）。
丁寧に丁寧に、PCのモニターと超ド下手なイラストでインプラントについて説明してくれました。
うーん。将来的なことを考えると、インプラントにしたほうがいいかなあ……。
『質問があったらいつでも電話やメールしてくださいね』
と名刺をくれるドクターのクルクル巻き毛に目が釘付けになりながら考えました。
その前に診てもらったドクターは『クラウンなら１２００ドルなんだけど、あなたはいつも来てくれるから９００ドルにします』って言ってたので、インプラントは間違いなくそれより高いはず（当たり前じゃ）。はー。おいくら万円ぐらいするんだろう。でも多少高くてもクラウンが１０年保つとしたらインプラントなら墓場まで保つかもなあ。だったらインプラントかなあ。うーんお値段にもよるかなあ。あーあどうしようかなあ。
考えつつ受付に戻ると、まず最初に言われたのが
「今日のコンサルテーションは１１０ドルです」
げっ。
コンサルテーションって普通タダなのに、１１０ドルもするんですか？？
ガーン。
さっきのドクターにもレントゲン撮られて診察受けて２００ドル近く払ったのに、これでもうすでに３００ドル……。
涙目になりながらクレジットカードを渡すと、今度はインプラントの見積もりが目の前に。
目に入ったのは$１９００余りという金額。
ふえー。やっぱりそれぐらいするのかあ……。でもまあ、クラウンの倍ぐらいならいいか。思ってたよりはマシな値段だなあ。。。
と思って、そんじゃ早速予約しようかなと思っていると、受付の女性が
「今日予約しますか？」といいながら二枚目の書類を出してきました。
そして
「今日予約すれば、次の治療のおおよその日程も決めなければいけません。そして、これが二番目の治療の内容と費用です」
え？
二番目の治療って……。あれ？そこに書いてあるのは？
「全行程で約６ヶ月かかり、全てのトータルの費用はコレ」
と彼女が指差す先には$４５００ドルあまりという金額がビカーと光っているではありませんか。
いや。
でも。
インプラントって、言ってみれば歯根を建設する治療じゃないですか。
その上に、さらにクラウンを入れなくちゃいけないんですよね？
そうすると、おくさん、トータル金額５５００ドルぐらいになるような気がするんですけど、私の気のせい？
思わず受け付けカウンターの上で木琴のバチを口に入れてガーと拡げてやろうかと思ったけど、実際には衝撃のあまりただ口が半開きになっただけ。
無理。
無理ですよおくさん。
そんな普通の顔で「予約しますか？」ていうけどああた。
普通そんなことこの一瞬で決められませんてば。
いや。
もっと言うなら、この後５年かけて考えたって、決められないっていうか払えないっていうか……。
ああ……。
どうしようか……。
ていうか、どうしようもないのにどうしたらいいの神様仏様チョビ様。
帰宅後、ドヨヨヨヨーンと落ち込んで、思わずチョビが早くお迎えに来てくれないかなあ……とまた涙目でボーとしてしまいました。
はー……。
もうあれか。
一生奥歯ヌけたままでもいいか？
＜ヤケクソで始まりヤケクソで終わった今日のブログでした＞