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本日午後、わたくし的には結構衝撃的なことが発生しました。
あーもうホント。
こういう書き出しする時に限って、実は大した事なくて後で『アホかいな』って思うのが常なんですけどね。
でもまあおくさん、聞いてくださいよ。

確かあれはもう15-6年前のこと。
そして、確かあれを書いた本は、笑うニューヨークDELUXEだったか?あるいはDYNAMITESだったか?
記憶は定かではないんですが、当時つとめていたタイムズスクエア近辺の出版社への通勤途上での出来事で、超最高にウルトラキモいおっさんに、数年間にわたって合計5回か6回ナンパされたんです。
そのおっさんの年齢も国籍も職業も、何もかも定かではありません。
初めてナンパされた時から、髪の毛が半白なところや中途半端な体型(どんなん?)なところや、顔も中途半端に濃いようなそうでもないような、でもとにかくエロおやじ丸出しのギトーとした感じの目つきなところが、何年経っても変わらない不思議かつキモいおっさんだったんです。

そのおっさんの手口は
「今日は良いお天気ですね」
とか
「フウ、今日は暑いね」
とか
「風が心地よい日だねえ」
とか、まあ大体お天気の話を背後からしかけてくるんです。
そして、
「あなたは何人ですか?」と訊き、
でもおっさんは日本人のみをターゲットにしている様子なので、十中八九女性は
「ジャパニーズ」と答えます。
するとこのおっさんは
「オウ。私は大阪に住んでいたことがあります」とこう来るんですよ。
そんでもって、そこに純情でまじめな日本女子がひっかかって
「あらそうなんですか?」
なんて生真面目に返事なんかしようもんなら、もうエロおやじ、たたみかけるたたみかける。
「ぼくときみはこの数ブロック歩く間はフレンドだね?」とか言い出して、また愛想笑いをしてしまう日本女子が
「あははは。そうですねあははは」
なんて言おうものなら、
「じゃあフレンドの印に」とか言って腕を組ませようとするんです。
その後の展開も、もうあまりに何度も同じシナリオであまりにアホくさくてエロくさくてバカ丸出しだったので、思い出す気にもなりませんが、とにかく毎度毎度同じ台詞を日本人なら誰彼かまわず投げかけてナンパしようとしていたんです。
初めて遭遇したときはスーツ姿だったおっさんも、その後何度も衣替えし、2度目は気色の悪い幾何学模様の変なセーターだったり、ナメコ色のツイードジャケットだったり、アホ丸出しな革ジャンだったりしましたが、台詞とシナリオは全く同じ。
そして、自分が声をかけた女性を当然憶えているわけもなく、私のように5回も6回も声をかけられてうっとうしい思いをしている日本人女性が、ミッドタウン界隈には大量にいたんですよ。
当時そのおっさんの存在は、日本人女性の間では結構有名で、日本人女性らしき人に声をかけまくって同じ手段と台詞でつきまとっているのも何度か見かけました。

何年経っても同じことを繰り返しているのを目撃したり、時には「おいまたか!」という顔つき丸出しでにらんでいるのに私に声をかけてきたり、一度か二度は「あなたね、私に数年前に2-3回声をかけてきましたよ。一度声をかけた女性はなるべくだったら憶えておいたほうが良いんじゃないですか?」と忠告してあげたにもかかわらず「オー。では僕たちは運命の糸で結ばれているに違いない。」とかなんとかアホ丸出しの戯言を言いながら腕を組ませようとしてきたこともありました。

それが全て大体10数年前に起こり続けていたことでした。


ところがおくさん。

また湧いて出たんですよ、そのおっさんが。今日。

エンパイアステートビルの前の交差点で、ちょっとした荷物を入れたスーツケースを転がしながら信号待ちしていたら(そういえばこの間銃撃戦があった交差点だわ)、後ろから「今日は良いお天気ですね」と声をかけてきたおっさんが。
道路整備が悪くてヨレヨレヨロとなりながら振り向くと、え、げ、まさか、え、げ?
自分の目を疑いましたが、やっぱりあの幾何学模様セーターおやじ。
そして、今度は自分の耳を疑いましたが
「君は何人?」
「オー。僕は大阪に住んだ事があるんだよ」
「大阪は素晴らしい」

それじゃ全く同じやないかおっさん!!!
10年以上経ってるんだから、ちょっとぐらい工夫せんかい!!!

もちろんその全ての台詞にたいして
「はー」
「へー」
「ほー」
とあさっての方を見ながら適当に反応していると
「この数ブロックを歩く間は、僕たちは友達だね」

出たよおっさん。
またか。
同じか。
全然同じか。
工夫ゼロか。

そして、当然のごとく私の方に腕をグっと突き出して来て
「フレンドの証に」

100%同じか!!
工夫100%無しか!!!

挙げ句の果てにおっさんよ。
私の両手は大量の荷物でいっぱい。
たとえよしんば百億年ぐらい先に一瞬気を失ったかなんかの案配でおっさんと腕を組もうと思ったとしても、見てわからんか、指一本動かせんぐらい荷物持ってるのが!!!

「ノー?」と訊くおっさん
「ノー」即答の私。

「エクスキューズミー」と一言言ってさって行きよりましたよ、おっさん。

しかし。
あのおっさんは一体何を目指しているんだろう。
もっと言うなら、何をして生活をしているんだろう。。
もしかしてド暇を持て余している、服装の趣味が悪い億万長者なのかな。
あーそう考えるとさらにキモさが増します。
ああキモいキモいキモい。
ミッドタウン周辺の日本人女性のみなさん。
幾何学模様おやじにどうぞご注意を。