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このところ、慌ただしいというかツイてないというか、チョビ関係のみならず、あれこれとトラブルが続いております。
先日来……というか、はっきりいって一年前の入居時から大きなトラブルだった謎の床下水漏れが、先日の嵐でさらにヒドい事になり、床板がうきあがってボコボコ。床下の黒いシミはカビカビだらけで、全体的に不愉快きわまりない状態になりました。
そして、床の不具合を報告してから実に6ヶ月余、ついに『あなたの犬が床でオシ○コしたせいです』と、床のシミをカワイイカワイイチョビのせいにしようとした世にも最悪なビッチがやってきました。
そして、ボコボコになった床を見るなりこう言いました。

「覚えてるわー。彼ら、あなたの犬のせいにしようとしたのよね」

……ておいこら。
彼らって言うけど、誰?彼らって?
チョビのせいにしようとしたのはあんたやあんた。


「でも。今日やっとはっきりしましたよね。コレはチョビのせいでも私のせいでもないって」

「それでね。床の修理は本当はビルディングの責任なんだけど、それを待っていたら来年の冬までこのままになりかねないから、私たちの会社で前払い修理をすることにしました」

自分の非は絶対認めない。これがビッチの鉄則。

「前払い修理はいいんですけど、コレ、外壁から水が漏れてきてるわけなんだから、何度床を張り替えてもまた同じ事になると思うんですけど……」

「ということで、来週保険会社と床のスペシャリストが見積もりに来ます」

人の言うてることに返事をせんか返事を。

「それで、いつごろ修理してもらえるんですか?」

「あなたの床よりもっともっとヒドい床のお家がたくさんあるのよ。そちらを先にしなければ」

て。ああたね。もっともっとヒドいお宅も大変だけど、家は6ヶ月前からずっと言ってきたんですけどっ。
それに、こんなヒドいことになって、ベッドルームは完全に使えません。そんな状況で、しかもいつ修理してもらえるかもわからないのに、1ベッドルームの家賃を払うのは納得できません。ニューヨークの法律で、テナントはちゃんとした居住可能な部屋を提供される権利あると守られてるはず。

「この不具合について誰が補償してくれるのか、私は誰と話せばいいんですか?あなたの会社?それとも管理会社?」

「それは何?家賃をまけろとかそういう話?」

「そう」

「そんなことはうちの会社では絶対に認めません!」

認めません!てアンタが鼻息荒く言っても、アンタが認める認めないっていうレベルの話じゃないでしょうに……。

「もっともっとヒドい状態の部屋の人達が、たとえ部屋を出てホテル住まいしなければならなくても、それに対する補償なんて誰もしてもらえないのよ!」

じゃかましいわっっっ!!!そんな事私に言うなっっ!知らんがな、よその人の話はっっ!

「あなたの絨毯が痛んだことについてはあなたの保険会社と話をすれば?他のことは一切補償はあり得ません!契約書をちゃんと読んでください。何も特別な記載が無い普通の契約書でも、その点はちゃんと記載されています。とにかく我が社で何らかの補償なんて絶対しません!!」

帰れっっっこのばばあっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!
ヽ(`Д´)ノ┻━━━━┻


って言えたらどんなに気分が良かったか。
相当不愉快な顔はしていたと思いますが、さすがトラブル嫌いな日本人。
黙ってビッチを送り出し、そのまま速攻でフンフンに電話です。

事の成り行きを説明すると、フンフンはまさしく『ケッ』という状態。

「んなもん言ってるだけだよ。バッカじゃねえの?何も補償しないなんて、こっちが何も知らないと思ってギャーギャー言ってるだけだよ。不動産弁護士に相談して手紙書いてもらってみな。すーっぐやってくれるよ」

いやー。そりゃまた心強いお言葉。
んじゃすぐ弁護士のエロじじいに電話するよ。

と、電話を切ってまたすぐ電話をしようとしたら。

ら。


電話が真っ黒。画面が真っ黒。

ありゃ?

プチ。と電源を入れてみたけど、まだ真っ黒。

え?え?え??おくさんおくさん。電話が真っ黒けなんですけど?え?え?え?

電源を入れようが強制リスタートしようが何をしようがカニをしようが、ただひたすら真っ黒けで沈黙のiPhoneちゃん。

おーい。
おおおおおーい。
おおおおおおおおおおおおーーーーーーーいい!!!

ちょっぴりだけPCオタクな私の勘では、こりゃダメかも、な感じ。
ううう。
うううううううううううう。

泣きながら走りました、アップルストアに。
そして、ふうふう言いながら駆け込んだら、百億人ほど待っているバカ者共(←私もその一人じゃ!)に対してカウンターの中にいるジーニアスはたったの4人。
ひいいいいー。

必死のパッチで予約をとりましたが、この時から予約時間まで1時間半待ち。
仕方なくソーホーでウィンドーショッピングで時間をつぶしましたけど、こういうときのウィンドーショッピングって気もそぞろであまり楽しめないんですよね。
ボケーっと道を歩きながらさっきのビッチとの会話を思い出してムカーときたりして、エナジーの無駄遣いまでしてしまう始末です。

やっと予約時間が近づいてきたので、一応10分前に戻ったジーニアスバー。
待っている百億人のバカ共は、さらにその数が倍ぐらいにふくれあがり、もう何が何やらわからん状態です。しかも、待っているメンツの半数がさっきと同じ顔ぶればっかりで、まさかもしかして1時間半の間に一人も進んでいないんじゃあるまいか、と思えてくるような状況。
おそるおそるベンチに座って待ちました。
待ちました。

待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。待ちました。


1時間が経過したころ。
もうダメかもしれんと思い始めたころ。
わけのわからん青シャツのおっさんが呼ばれたのを見て、このおやじの次じゃなかったらカウンターの上で盆踊りを踊ってやる、と心に決めたその時、『レイコー』と私の名を呼ぶ声が。

よ、呼ばれたっっ。

もうなんか、奇跡が起こったかの様な瞬間でした。
私の名前を呼んだのは、カウンター外部隊のジーニアス。
しかも結構イケメン。

「ハーイ僕の名前はアンソニー。待たせてごめんなさい。今日はどうしました?」

いやそれがねアンソニー。
色々今日は朝からムカつくことがあってね。そのムカつくことってのがこれまた、チョー最悪なビッチばばあにいじめられてね。いや。何でいじめられたのかって説明すると、話は一年前にまで遡っちゃうんだけどね。それはさすがに言うと長くなるからはしょっちゃうけどね。
それで、色々事情があって、とっても気が進まなかったんだけど、エロじじいに電話しようとして電話を手にとったら、その一瞬前には使えてた電話が真っ黒けになって使えなくなったのよう。

と、そこまで細かい事情は説明しませんでしたけど、まあとにかく電話が壊れたからなんとかしてください、とお願いしました。

「うーん。水に浸かったとか、そういうことは?」

いやー。記憶にある限りではないんだけど……。

「でもほら。ここ。ここ見て。ピンクのドットが見えるでしょ?コレが本当は白いはずなんだけど、ピンクになってるんですよ。これが水没した証拠なんです」

って言われてアンソニーが小さいライトで照らしてくれたのは、iPhoneの電源差し込み口。
そういわれてじいいいいいいいいいいいいいいいいっと見てみたけど、そんな小さいピンクとかなんとかそんなもん、全然見えません。全く見えません。ていうか、もう何もかも見えません。

「水に濡れた故障は通常補償されないんです」

また出た補償無し!!!
もうどうにでもしてくれやっっっっっっっっっっっっ!!!

別の理由でジーニアスバーカウンターで盆踊り踊ったろか、と思った瞬間、アンソニーがにこやかにこう言いました。

「でも。今日はとっても待たせてしまったし、僕はとっても良い人なので、今回一回限り、新品に交換しますね!」

お。
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおアンソニー!
良いのは顔だけじゃなくて性格もかっ!
ありがとうありがとうアンソニー!

というか。
実はまあ、多分、誰でも一回だけはこういうチャンスを与えてもらえるんだろうなあ。
それに新品と交換って言うけど、多分新古品か修理品を渡されるんだろうなあ、って思いましたけどね。でもなんていうか、こう、心に涼やかな風が吹き抜けた様な、そういう感じでした。
笑顔でナイスにしてもらえると、こんなに心に良い風が吹くのね。素直な笑顔と好意を伝えてもらえると、私だって笑顔になれるし、そうするとまた気分も上がります。
笑顔って大事。大事だよ。

さささーっと戻って来たアンソニー。
手に持っていたのは、ああやっぱり返品修理品丸出しの黒い箱に入ったiPhone。
でも、ピッカピカに磨いてあって新品みたいに見えます。
ちょっとした手続きをしている間も、愛想の良いアンソニーはずっと笑顔で「プリーズ」と「ソーリー」を何度も言ってくれるし、何か私がするたびに「サンキュー」と独特の愛嬌あるアクセントで言ってくれるので、私もまた笑顔が出るし気持ちも上がります。

そんなこんなで床トラブルに始まり、電話トラブルへと移行し、もうちょっとでジーニアスバーで盆踊りを踊るハメになりそうになった(誰も頼んでないがな)散々な一日でしたけど、最後だけちょっぴり救われました。

あー。ヤケクソになって踊らなくてよかった。

あー。よかった。