先日お友達のブルーシャさんにお招きいただいて、ダンスのショーに行ってきました。
ダンスそのものは、なんというか前衛的で芸術的。
小錦のようなダンサーがヒョイーッとジャンプしたのに腰が抜けるほど驚いたほかは、大勢のダンサー達が死人が蘇るような振り付けと衣装でわらわらわらと動きまわりつづけ、不吉な音楽とも相まって異様なムード漂うステージでした。操り人形のように舞台に臥せっていたダンサーが、突然上半身だけを起してウゴウゴウゴーっと動く様には、その筋肉の素晴らしさにびっくりしましたが、ダンスのテーマであるAwakeningというよりは、なんとなく『死人』って感じのショーでした。
そんなわけで、凡人の私には難しすぎて全体的にちんぷかんぷんだったのですが、何といっても感動したのは公演が行われた劇場の素晴らしさでした。
背後のおばさんが別のおばさんに説明していたところによりますと、このHarvey Theater(ハーベイ・シアター)は1800年代に建てられた劇場で、1942年に映画館として改修されましたが、1968年には閉鎖され、その後1987年にハーベイ・リヒテンシュタインというおじさんに買い取られるまでずっと廃屋状態だったそうです。


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↑シェイクスピアの時代を彷彿とさせます。


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↑天井画も残っています。


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↑壁の漆喰がはがれ落ちてる様子も素晴らしく美しいです。


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↑シェイクスピアはここに来た事はないだろうけど、きっと彼の演劇は上演されたはず。うう。素晴らしい。


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↑まるで映画のセットみたいです。


写真を撮りまくっていたら劇場のおばさんに叱られました。
劇場ってほとんどの所が写真禁止ですね。なぜなんでしょう。
お陰でロビーやら階段室やらの素晴らしい様子を写真におさめる事ができませんでした。あまりにも素敵だったので、是非皆さんにお見せしたかったのになあ。

こんな風にして古い建築物を大切に(ここの場合放置されていただけみたいだけど)保存して、できるだけ本来の姿を残して修復して使えるようにするって、とっても大切なことですよね。壊れてしまって二度と見る事のできない色んな素晴らしい物が、世界中にどれだけあったんだろう、って思うと果てし無く切ない気持ちになります。100年後には今生きている者達のほとんどがこの地球上から姿を消しているんだろうけど、今目にすることのできる建物や土、樹々なんかは、100年経っても今と同じように人間や動物達を見守ってずっとそこにいるんだな、と思うと胸がキューンとなりますね。
タイムマシンができたら過去に行きたいか未来に行きたいか、と問われると激しく迷いますが多分私は過去です。どの位前まで行きたいかは、もうちょっとよく考えてみないとわからないですけど。