渡海文殊菩薩のお獅子 VS 朔ちゃん

 

 

外付けハードディスクトラブルで、
随分サボってしまいました😃

だいぶ間が空いてしまったけれど、
安倍文殊院を紹介する
You tube 紹介しましたついでに
今のうちに、
文殊様に因む作品の中のシーンを少し。

🌼

「陰陽師 玉手匣」の物語の中で、
実は文殊さまは、重要な伏線の一つでした。

漫画に描かれた姿は、
安倍文殊院の渡海文殊さまご一行がモデル。

安倍晴明が活躍していた平安時代は、
もちろんまだ仏師 快慶生まれる前
文殊さましなる大樹は、
まだスクスク育っている最中です。

🌼

晴明と真葛の子 “” は
仏像オタク。

第一巻で東寺へ遊びに行った朔ちゃんは
講堂の仏像たちにご挨拶。(遊び仲間?)

偉そうに蘊蓄(うんちく)を垂れて
講堂内を巡ります。

そこで大日如来から、
講堂に現れた
弘法大師の霊を介して

文殊師利菩薩が残したと伝えられる
天文の経典
文殊菩薩宿曜経
授かります


🌼

略して「宿曜経」を手にした縁で、
朔 のもとに、奈良の宇陀の山奥から
まだ若い檜の精・・・

のちに
快慶の手で善財童子になる木の精

(文殊菩薩のお言い付けで現れて)

善財童子の姿に化身して
朔ちゃんの元へやってきて、
冒険のお供になります。

🌼

「陰陽師 玉手匣」の物語、
父の晴明が巻き込まれる

メインテーマは
大江山の酒呑童子退治から、

天橋立へ・・・。

大地と森の精 酒呑童子と、
黄泉の国に降りたままの伊弉冉命を
救出する物語
でしたが、

実は、その後南下して奈良に入り、
鵜殿や、阿部山や、宇陀ヘ、
移動してゆく予定でした。

🌼

速い話が、出版社の意向で
7巻で終了となったのでした。😃

( 奈良の山奥、道も残ってない、
ある歴史的な場所の取材も
してあったのですけれど ! )

なので、
朔ちゃんと善財童子の伏線も、
膨らませることができないままの
終了でしたが、

天橋立で、
伊奘冉命 伊弉諾命の ご復縁の
大団円での完結は、

制作スタッフの女性たち、
ヘルパーのお母さんたちに助けられて
完成し、
一つの形として美しかったのです。

そして、
体力的にも、
諸々やることが増えてしまった生活面でも
助けられたのでした 🌼

🌼

そんなわけで、安倍文殊院と
文殊さまと朔ちゃんの絡みを
解説がてら、

画像をいくつか。

こんな機会でもなければ、
表に出ることもないので、
シェアしてみました❣️

🌼
 

 

🌼安部晴明と葛葉 安倍文殊院へ寄贈(原画より部分)

 

 

朔ちゃんが授かった
文殊師利菩薩が残したと伝えられる
天文の経典
「文殊菩薩宿曜経」は

陰陽師である父の晴明から見れば、
陰陽師の占術の最大のライバル。

そんなお経を授かってしまって、
朔ちゃんはメロメロ、
陰陽道の天文書の「マキモノ」は
嫉妬の炎!
の一巻でした。


🌼

 

 

奈良の宇陀の山奥の森の
まだ若い檜の精・・・

のちに
快慶の手で善財童子になる木の精が
文殊菩薩のお言い付けで現れて

善財童子の姿に化身して
朔ちゃんの冒険のお供に
朔ちゃんの元へ。

檜から現れた善財童子の姿は、
安倍文殊院の善財くん💗


🌼

 

 

文殊様のお獅子に遊ばれる
晴明の若子こと"朔"ちゃん。

「陰陽師 玉手匣」第三巻

朔ちゃんの夢の中に
文殊菩薩さま一行の登場です。

🌼

 

 

夢の中で雲海を渡ってやってくる
文殊菩薩一行。
先導するのは善財童子
描かれた一行のモデルは
国宝
安倍文殊院の 渡海文殊群像

🌼

雲海を渡る文殊さまの
背景になった雲海は、
奈良に取材に行った帰りの
近鉄線の車窓から見えた夕景。

尊いものが夕陽の方から
来臨しそうに見えた、夕景を
そのまま描き起こして。


🌼

 

 

早速 獅子に見つけられ、
絡みつかれる 朔ちゃん。

お獅子は、
制作中の仕事場では
ベル”(美人さん)と呼ばれていました。
 

🌼

 

 

お獅子といえば、・・・
ちっちゃいお子さんたちへの

頭噛み噛み!

 

🌼

 

 

お獅子に噛まれて、
手にしていた
文殊しり菩薩の宿曜道経が紐解かれて
星座が飛び出します。

お獅子の歯を人と同じとして・・・
上下14本ずつ28本で、

星神二十八宿と同じ❗
頭を噛まれることで、
頭に星の神様たちが

結ばれるのではないかしら!

現れた星座に囲まれて、
お獅子の口の中にいて、星神二十八宿に
囲まれている気分に。

そんな意味を持たせたコマなのでした😃


🌼

 

 

二十八体の星神さまたちは、
実は別紙に一体一体
制作していました!


🌼

 

 

たった一コマのために、
小さい星神二十八体を別紙に制作。
こんなに手間かけてバカだ~~ ! 
と言いながらも・・・。

とはいえ・・7体ずつ4段。
案外好きなのですね。
細かい作業が。


🌼

 

 

先の星神様たちを
さらに縮小コピーして、
月の通る道、天の白道上の位置に
朔の頭上の星のように
貼り込んでいました。

完成していない原稿のコピー。
もうこの形は、コピーで残っているだけ
なのですが。

雲のトーンのないコピーで見ると
結構立体に!

こんなに手間をかけていても
たくさんのページの中のたった一コマ、
さっと読み飛ばされて、
かかった時間など、無に等しいのが
漫画の性❗

そんなのよくわかっていても
手間をかけずにいられないのも
漫画家の性❗😃

漫画に限らず、
描くことやクリエーションって・・・
手間のかかる作業の積み重ね

描くモチーフたちとの対話や
時間の不思議も起こって、
たのしいのです💗

こんな時でもなければ、
表に出ることもないので、
シェアしてみました❣


続けて、
中世の気の遠くなるような作業の美術品
ご紹介します💗


🌼

 

🌼寄贈絵の経緯、動画の詳細はこちら

 

 

 

 Reiko Okano

 

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