🌼日本書紀の一書(第十)の
ただ一文のみに名を残す
菊理媛神へ・・
🌼



🌼 

🌼 この時、菊理媛神、また申す事あり。
伊奘諾尊は聞こしめして善
(ほ)められた。
そして、はなれ去った 🌼


🌼

漫画「陰陽師」の続編
陰陽師 玉手匣」の第7巻の
終盤の執筆中に、

近所の整骨医に行くことがありました。
初めて診ていただいた先生でしたが、

こちらが何も聞いていないのに、
身体のつくりや、細胞の話になり、

知っていますか?
細胞たちはね、

みんな、こうやって、手をひろげてね、
仲良く手を繋いでいるんですよ!


細胞たちが、仲良く手を
繋いでいてくれるから、

私たちは生きて、動いて、
色々なことができるんですよ


にこにこと、目を輝かせて、
細胞たちみたいに手をひろげて、
話してくださった。

私はただただ、
驚いて、
お話を聞いていました。

🌼

生物学的に説明できない
生命を発生させ、育む
霊妙なエネルギーの存在があって

また、その働きを補佐して、
結び合わせる目に見えない
働きもあって、

私たちは、普段、細胞の一つ一つの
意志までは、意識することはないけれど、

あまりにも酷使しすぎてしまった時、
あきらかに、意志も個性も感じられるのに
異議も言わず、動いてくれる
肉体に、眠前にそっと感謝しながら

細胞の一つ一つの繋がりを
思い出す時、

生命と魂の、
容易に切り離されることのない

霊的な結びを 思い出す時、

一足一足、歩みながら
奇跡たちのつながりで
創られている、
自分の身体を思いやる時

なんと、神妙な作りによって、
身体は創られているのだろうと・・。

その、奇跡たちで創られている、
数々の生命の存在に満ちる

この地球という星に
・・驚嘆しないでは、
いられない。

自分の体にも・・、驚嘆しないでは
いられない・・。

(ふだんは、とても
軽々しく扱ってしまっては
いるのですが・・。)

🌼

一つ一つの細胞を結び合わせ、
一体の肉体の存在を形成させるのも、

その肉体に宿る、神聖な魂が・・
簡単に離れないように
結び合わせるのも・・

そこに、とても微細な
菊理媛神の働きがあるのを
感じていました。

🌼

漫画「陰陽師」は、とても
男性的な視点から、
理論的で、言葉によって
解説するように
描かれていました。

🌼

続編の
「陰陽師 玉手匣」は、
「陰陽師」とは真逆に

感覚や情緒・・
情緒の熱意から、この世に
生み出されるものを
描き出していきました。

なので、
「陰陽師」を読むと、
視覚的な知と、文脈の語る知とに
脳が刺激され、
知的探究心に
ワクワクし、

「陰陽師 玉手匣」では
柔らかい、寛容さを感じながら、

心の奥から湧き上がる
言葉にならない、
情感の脈動に
ドキドキしました。

🌼

「陰陽師」では、
主人公の晴明と、浄蔵和尚の
術師同士の会話の中で
菊理媛神の働きに触れ・・。

「陰陽師 玉手匣」の中では・・

古代ギリシャ神話の創世記の

世界(ガイア)を覆っていた
天空(ウーラノス)の闇が
(クロノスに)切り裂かれて
光が誕生した時・・

同時に誕生した
アフロディーテの、働き

極東の・・日本の神話の中の・・
菊理媛神の隠れた性質が

表裏一体のように感じられて

そこから菊理媛の本質が
浮かび上がるように思って

このシーンを描きはじめました。

🌼

静かに・・
自分の身体に
そっと尋ねてみれば・・

一つ一つの細胞たちを結びつけるところに
の存在があり

それが
一体の形骸を かたち作るのも
”の存在であり

生命を生み 育み
生命の営みを後押しするのも、
障りなく動き回れるのも

”の働きであり、
それは・・
主張することなく
見返りも求めない


あまりにも自然で
すべてが  ”によって結ばれていて
”に包まれ、満ち溢れて
”しかなくて・・

調和が取れているので・・

の存在は

調和の中に消え去って

も忘れ去られてしまった

けれども   その中で・・

生命たちは

満ち足りている

🌼

満ち足りた生命たちの中に

”も忘れ去られてしまった
""・・の存在・・

菊理媛神   がいらっしゃる・・と。


🌼

整骨医の先生を通して、
私はまた、

菊理媛神のピカピカな存在を
思い出させていただけて、

感動して帰って・・
ほっこり満ち足りて

また
執筆をつづけました。

🌼

🌼 🌼 🌼

白山と、姫神たち・・
白山と魂的に繋がりのある
人物たちのこと

ここに来て、もう一度検証するようにと
うながされ、
したためてきました。

🌼

たくさん寄り道もし、

初期の作品の
「ファンシイダンス」の中の
禅宗の修行僧のモデルでもあった、

永平寺を、開山された
道元禅師のことまで・・
見直すことにもなりました。

かつて、たった一度・・
白山山頂に登拝した時、

奥宮の鳥居の前で、

年に一度、修行僧の守護・・
白山妙理大権現・・への祈りのため

白山に登拝する
100名ほどの永平寺の修行僧御一行に
遭遇した時の、衝撃もあって・・。

道元禅師の言葉たちを
もう一度、読み直し、

肯定されるようで、
癒されたり・・。

シビアなことにも
遭遇したり。

けれども・・
その・・山を登るような
高低差や、温度差の
一つ一つが

魂や、感覚を、成長させ続けている。

それが・・
白山比咩のやり方と・・
気づいた時・・比咩神の存在が
近くに感じられて

胸が熱くなった。

🌼

ワークショップへ、
いらっしゃる皆さまも、

諸々のことで、
参加したかったけれど、
叶わなかった
皆さまも、

心の手をばーんと広げて、
ご一緒で。

皆さんの中の
菊理媛神・・震わせて

満ち足りてありますように。


🌼 🌼 🌼

 

🌼

私は
終わりと
始まりの
間にあるもの

私はすべての
相対するもの

右旋と左旋
光と闇
陰と陽

裏と表
肉と魂を
結ぶもの

🌼

 

 

🌼

伊邪那美命は
愛しき夫に
別れを告げ
黄泉へ戻り

黄泉津大神
またの名を
黒髪の大神と呼ばれた

🌼

大地は
女神の帰還を待ち
西から東に向かい
右に廻り続けた

🌼

そして
菊理媛は
その二つの神の中に
自らの姿を
消した


🌼

すべての
ものの中に
・・・

すべての
細胞に
・・・

結びつく
すべての中に
・・・

🌼

🌼

あなたの
中に
・・・

(・・・菊理媛) 
存在する・・・



🌼

 

 

 

🌼

 

私は・・・

 

" "・・・


🌼

 

 

🌼

天空(ウーラノス)は・・・
長らく大地(ガイア)に
覆い被さって

子供たちを
奈落の底の塗籠に
閉じ込めていた

🌼

天空が大地と
交わるために
夜を伴って
降りて来た時

末子のクロノスは
母から
授けられた鎌で

父 天空の
成り成りて
成り余るものを
刈り取り

後ろに
投げ捨てた

🌼

その時
闇を
切り裂いて
光が射し込んだ

刈り取られた
不死なるものは
荒波立つ
海に落ち

長い間
波間を漂った

🌼

 

 

🌼

その周囲に
掻き立てられた
泡の中から
乙女が生(あ)れ出でた

🌼

海の泡から生まれた
海と天空の娘
アプロディーテは
風に運ばれて

波に囲まれた島
キュプロスに漂い着き

光り輝く浜(パポス)に
降り立った

🌼

 

 

🌼

彼女が陸に
歩を進めると

足下から
あらゆる草花が
萌え出でた

🌼

天空と大地が
離れた瞬間に
出現した
彼女の内には

天地の融合の
記憶が
刻まれていた

🌼

それゆえ
彼女が近づくと

全ての生き物も
神々も
再び結合を欲する
恋心で
いっぱいになり

次々と
番(カップル)が生まれ

何ものも
その情熱に
抗うことは
できなかった

🌼

 

 

🌼

それは
草花に
結実を
もたらし

生き物に
次世代を
もたらした


🌼

相対する
二つを
繋ぎ戻す
彼女の力は

生命の循環という
大きな歯車

時間をも
管理した


🌼

彼女の前に
恋の結合が

彼女の後ろに

死の別離があった


🌼

 

🌼

 

 



🌼

🌼テキストは全て
陰陽師 玉手匣」より
無断での転載はなさらないでください。
🌼

 

 

 

 

 

 

 Reiko Okano

 

アカウントのない方はFB Pageを