🌼漫画「陰陽師」第7巻カバー画
菅公🌼

 

🍁

 

漫画「陰陽師」の物語の中、

白山、菊理姫、
白山比咩に関わるシーン、示唆、
そこここに在ります


🍁

連載を始めた頃は、
夢枕獏さんの原作があるし、
晴明と博雅のやりとりは楽しいし、
美形描けるし !
楽勝 ! と思って、
るんるん ! と
描き始めたものでしたが、

それは大きな罠で !
過去に存在していた
登場人物たちを描いていくのは、
フィクションのキャラクターを描くのとは
全く違って !
何らかの、
その存在の影響を受けちゃうんですよね。

そうして、いつしか
人跡未踏の道を進む・・いえ、
尾根道だけを進む登山のような、
執筆現場へと変わってゆきました。

🍁

連載第一回に登場した、
平安時代の、怨霊の大元締め
と言われた
「菅原道真公」こと「菅公」ですが、

なぜ怨霊になったのか、
どのような人柄だったのか。

幼くして詩歌に才覚を表し
文章博士へとなってゆく過程や
菅公のことを伝える説話、絵巻、

「菅家文草」などから、
菅公の遺した 詩や 漢文など
読んでみると、

古代中国の文学、思想など、
当時日本に入ってきた学問に通じた姿と
とてもで繊細な感性で
いつも詩のエネルギーに囲まれていた姿

文章博士の家柄だから
正統な帝王学というか、
文学と政治一体・・
天地一体の、治世学・・
綱紀に通じていて、

それは、
古代中国からの文学や
儒学の思想からの
執政者の知性や精神性や在り方の
影響ばかりではない、

根っからの、理想主義・・
”正気”さや、
「人間界の”学問”の品格は私が守る」的な
学問への ”正義感”が
醸し出されていて・・。

真っ当すぎる、愛すべき菅公・・。

(詩人なので、孔子ほど硬い感じはない・・)

そんな姿が見えてきてしまったのです。

もちろん、
鬼を退治する「陰陽師」が
主題でしたから、

敵役としての「怨霊の首領」としても
出番はたくさんありつつも、
必ず調伏されてしまうのですが💖

🍁

そんな中で・・
漫画「陰陽師」第7巻の
「菅公 女房歌合わせを賭けて
囲碁に敵らむ」は、

天徳四年に行われた
「天徳内裏の歌合せ」を
史実に忠実に描きながら

その勝敗を囲碁を使って
操ろうとする

「実は子供が学んで成長する様を
見守るのが大好きなオヤジ、菅公」

VS

「“オヤジ”なんかに負けたくない
生意気でオマセな真葛」との
やり取りの中で、

菅公の魂の本質・・というか、
揺るぎない本体が

現れてくる・・。

そんな流れになりました。

🌸

「東風吹かばにほひおこせよ梅の花
主なしとて春を忘るな」
   
「飛梅」の伝説や、
天満宮の・・御神紋の
五弁の梅の花  から

「梅の主人」 でもある菅公。

けれども・・、
残された数々の
菅公の漢詩を読むと、

"菊花"を詠んだ詩歌の数は、
"梅の花"の倍以上。

特に九月九日重陽に
年中行事の儀礼として
帝の勅や、公務で
詠んだのかもしれませんが
菊酒、菊花の詩歌が
数多く。

また、現実に目にすることもないような、
美しい仙界、神仙の詩歌も
心を自在に飛ばして、
のびのび詠われていました。

🌼

そこで・・第7巻では、

宇宙・・時間と空間を
基盤の上で、自在に遊ぶ
囲碁を打つうちに

物質的な限界がどんどん解けて
宇宙的に広がってゆく流れになりました。

菊の花は、宇宙に散りばめられた
銀河の渦たち。

真葛の纏う袿の、菊唐草も広がります。

そうして、菅公自身の
思い通りにならなかった結果に

霹靂を飛ばすような
怒りの心境に 少しも関わらず、

揺るぎなき、バランスの主人、
菊理姫が
菅公の、背後に顕れます。

さらにその上に、
宇宙レベルの、生命の女神が
顕れます。

🍁

🍁10月に開催される
「 シェア ラブ 玉手匣 ワークショップ 」
vol.10 in. 石徹白 (いとしろ)🍁

を前に、

白山、白山比咩、菊理姫のこと・・。
漫画「陰陽師」との関わり・・。
思いがけない、導き・・。

少しずつ、記してゆきます。

 

🍁🍁🍁🍁🍁🍁🍁

 

 

🍁漫画「陰陽師」第7巻
「菅公 女房歌合わせを賭けて囲碁に敵らむ」の
カラー扉絵。


🍁天徳四年に行われた
「天徳内裏の歌合せ」を
史実に忠実に描きながら

歌合せの勝敗を
囲碁を使って
操ろうとする、怨霊の大元締め

「実は子供が学んで成長する様を
見守るのが大好きなオヤジ、菅公」

VS

「“オヤジ”なんかに負けたくない
生意気でオマセな真葛」

🍁右方左方に分かれて、
決められたテーマで歌を詠み合い
優劣を競った歌合せの中でも、
歌も、装束も、調度も、
あらゆる面で、
美と、趣向の粋を極めた
空前絶後の歌合せでした。

でも、その歴史に残る、
歌合せの中で、
博雅は、大失敗をしてしまいます!

失態に青ざめる、我らが博雅。
カラーで描きたい ❗️❗️

そうして
馬鹿正直に、苦労して
細部まで描いてみた、
第7巻でもありました。

天徳内裏歌合Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/天徳内裏歌合

 

 

 

🍁菅公VS真葛に
さらに対抗して、
また別の
囲碁の対局から
内裏に結界を張る
安倍晴明。

 

🍁

 

 

🌼宇宙・・時間と空間を
基盤の上で、自在に遊ぶ
囲碁を打つうちに

物質的な限界がどんどん解けて
宇宙的に広がってゆきます。

碁石は菊の花へ変化し、

菊の花は、宇宙に散りばめられた
銀河の渦たちへ。

🌼菅公が
菊花を詠んだ詩歌の数は、
梅の花の倍以上。

「菅家文草・菅家後草」を入手し

連載中、作画のスタッフさんに
「正」の字つけながら
調べてもらったことがありました。
詩の主題は、
もちろん、
自然物ばかりではないのですが、
自然物テーマを選出して
数えました。

庭の草花木々と心を通わせ
植物が大好きだった菅公、
たくさんの草樹花々の
詩歌が残っていますが、
その中でも多い、主題になった花は

梅 24 首
菊 51  首

特に九月九日重陽に
帝からの勅や公務で
詠んだのだと思いますが、
菊酒、菊花、
白菊、残菊の詩歌が多いのでした。

ほか、多い順で 花、草。

個々では
松、桂、柳、蘭、桃、桜・・
槐、竹、苔・・茅・・薔薇・・。

若き東宮を白菊に喩えたり、
自らを欄の花に喩えているなあと
思える詩もあり。

遠回しに、
「何らかの事件を花に喩えて詠んでいるのかな」

と、読む側が想像逞しくしてしまう
ワクワクな 詩もあります。

🌼

 

 

🌼菅公への気遣いから
真葛がこの日のために
選んで纏った袿の、
菊唐草も広がります。

🌼メモ・・
”勝負のあやは
髪の如く
たちまちに緩に
たちまちに急に”

次ページの
“白黒の入り乱れは
絡まる蔦の如く”

は、「玄玄碁経集」収録の
馬融 の「囲碁賦」から。

🌼

 

 

🌼二人の足下に
基盤が広がり
いつしか二人自身が
囲碁の対局の中へ。

碁石ならぬ
囲碁にまつわる
詩篇の応酬に
心を奪われます。

🌼

 

 

🌼一方晴明は

遊戯としての囲碁に隠された、
囲碁成り立ちの本質、

基盤に施された
時間と空間、
天文の秘儀の一つ一つを
言葉で解いて、説明することで、

基盤の本来の呪的作用を
呼び覚まし、
結界を完成させてゆきます。

🌼

 

 

 

 

🌼追加メモ
この時の菅公と真葛の
囲碁の対局は、
「囲碁妙伝」に取り上げられていた
文政四年十一月十七日の
本因坊丈和名人と
井上安節(井上 幻庵因碩)の
対局です。

囲碁に関しては、
囲碁に詳しい知り合いの編集者に
日本棋院へ連れて行っていただいたり、
囲碁の本を大量に求めたり。

“石の並びの美しいもの”、
“象徴的な並びのもの”・・
“何かを喚起させる姿のもの”・・と
見た目重視で選びました。

🌼この対局に関しては、
実は岡野父が、若い頃
囲碁にハマっていたようで
囲碁に詳しく

「囲碁妙伝」を片手に
いくつかの対局を
実際に碁盤に石を並べて
一手一手写真に残しながら
解説してもらって、

見た目も美しく、
ドラマチックな対局だったので
漫画の中に起用させていただきました。
親娘の共同勉強です。

🌼改めて調べてみましたら、

この対局は
《世界最強の囲碁の棋譜データベース
- プロ棋士からAlphaGo、KGSまで 》に

『御城碁第392局1821』

として収録されていました。
囲碁の歴史に残る
激しい対局だったようです。

https://godb.shogidb2.com/ja/game/245a2d7ff4994b23286d0166bef5d3987c77b4c80e3957cb0bf2cfcb4b056aad



今はネットで何でも調べられるので、
便利ですね。

でも、父の解説で、
一手一手進めた
楽しい一日がありました。

🌼江戸時代の名人二人、
まるで映画の"デュエリスト"のような
関係だったようです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/本因坊丈和
https://ja.wikipedia.org/wiki/井上幻庵因碩

 

 

🌼対局のメモ
岡野父解説をメモ。
囲碁の手に合わせて
セリフができています。

菅公と真葛の
囲碁のセリフの
台本となりました。

 

 

🌼同じページの
制作途中の原稿コピーの
トーン指定用紙。

対局の写真を絵に起こして
パースがかかった碁石も
アシスタントさんが描き起こして
ペンを入れてくれました。

石の中のX印は黒石。
石が立体的に見えるように
オリジナルのグラデーションの
スクリーントーンを
一つ一つ貼ります。
黒石に立体感が出ると、
自然と白石も立体に見えます。

読者の目の錯覚を
利用します。

それにしても、
これでたった一コマ。
漫画制作は
激務ですね💖

 

 

 

🌼菅公の詩歌愛を
見抜いた真葛。

彼女の上を
何かが
走り去ってゆきます。

🌼

 

 

🌼走り去っていったものは、

神馬。

🌼

 

 

🌼神馬の背に
載せられる、
うず高く積み上げられた
火焔放つ宝珠の山。

その名も「雲珠(うず)」

光り輝く
大宇宙の象り。

大宇宙を携えて
去っていったもの・・。

🌼

 

 

 

 

🌸おまけです。

この投稿のために、
「陰陽師」の中の
菅公の登場部分を
再確認&再検証することに・・!
(もう一回 我輩を検証しなさいと?)

資料を探していたら、
「北野天神縁起」(承久本)の
完全復刻版が出てきました。

「北野天神縁起」の絵巻には
陰陽師執筆中
大変お世話になりましたが
使用していたのは、
中央公論社からの
続日本の絵巻 の大型本。

完全復刻本、購入しておいて、
まだ開いていなかったもの、
今回初めて封を開きました。

美しい絵巻の折本、
何だか、後ろで菅公が、
公開して欲しそうでしたので、
いくつかショットして
シェアいたします💖

🌸

 

🌸中は3冊の折本と
1冊の解説でした。

🌸

 

 

🌸菅公の太宰府への
左遷が決まって、
慌ただしく屋敷を追われる時、

庭の紅梅に
「東風吹かば・・」
の 歌を詠んで

庭の草木に別れを告げる
シーンです。

🌸屋根の見える妻戸の中に
菅公の姿。

散り乱れる、紅梅花びら。
彼女があの有名な
"飛梅"に。

🌸

 

 

🌸続いて嘆き悲しむ妻、
女房たちの部屋が
描かれています。

🌸

 

 

🌸菅公の太宰府での生活は、
言葉にするのに気が引いてしまうくらい

衣食住に事欠く状態であられました。

あらためて調べると、
以前よりも資料も多く、
京都の貴族たちに見殺しにされた、

そんな感じです。

菅公の詩に歌われていますが、
太宰府で迎えた9月9日の重陽に

一年前の同じ日に
清涼殿での御遊で
帝より拝領した「御衣」を出して
衣に焚きしめられた薫香の
余香に、今の身を嘆いている場面。

🌸

 

 


🌸でました!
我らが菅公!

大音声と共に
怒髪天を突く
大雷神となって

清涼殿に現れた
菅公の怨霊💖

インテリの(死語?)
文章博士だった頃
怒髪、天を突くような
怒りの
肉体表現なんて、

きっと、
されたことも、考えられたことも
なかったことと思うのですが、

ある種
自己の殻を破ったこのお姿、
愛くるしいと
おもうのです。

🌸

 

 

 

🍁🍁🍁🍁🍁🍁🍁



白山信仰ゆかりの地を
巡りながら、深く自分の内側の豊かさへも
繋がってゆくワークショップ。
聖地をめぐる、バスの座席の都合で、

残席もあとわずかとなりました。

ご縁を感じられました皆さまの
お申し込み
お待ちしております。

🍁
 

 

🍁「 シェア ラブ 玉手匣 ワークショップ 」🍁

vol.10 in. 石徹白 (いとしろ)

《 貴女の内側の豊饒の泉とのリコネクト》第10回

 

🍁開催日時 : 2023年 10月 13日(土)~16日  

🍁会場・協力 : カルヴィラいとしろ 

 

最終日10月16日は貸切バスにて、

石徹白からJR岐阜駅まで、

北斎の描いた滝や白山信仰ゆかりのお寺

神社、郡上八幡での昼食を挟んで

長良川沿いの夢のような景観の聖地を巡り

17:00頃JR岐阜駅解散となります。

ワークショップ開催10回目の

特別なプログラム、

類稀なる聖域、霊峰白山の懐にての

「WS in 石徹白」

丁寧にWS、そして聖地へご案内いたします💗

 

🍁WSイベントのご案内、詳細、

リンク先よりご覧ください !

 

■ WSお申し込みはこちら

 

■ "WSプログラム・会場・宿泊 ・アクセス詳細"

 

■イベント紹介ページ(画像入り)はこちらをご覧ください。

 

■雄大な白山を背景に 石徹白仕様の" WS 主旨・詳細"


FBイベント

 

 

 

 

 Reiko Okano

 

アカウントのない方はFB Pageを