🌼「第43回石巻地方神楽大会」へ🌼
🌼9月4日日曜日、
宮城県牡鹿郡女川町駅前の
女川町生涯学習センターで開催された
「第43回石巻地方神楽大会」へ🌼
雄勝法印神楽はもちろん、
石巻市や北上川流域、牡鹿半島に伝わる
(山伏より伝えられた)法印神楽や神楽の
保存会、8団体が出演されました。
毎年行われている神楽大会なのだそうですが、
この2年はコロナウイルスの影響で中止されて、
3年ぶりの開催でした。
雄勝法印神楽の「所望分」
🌼この3年、浜のお祭りも皆縮小され、
お神楽も奉納されませんでしたから、
それはもう、我慢できずにいざ女川へ !
雄勝町の「雄勝法印神楽」以外の、
神楽団体の演目を拝見するのも初めて。
一日で8演目、たっぷり拝見できました。
🌼どの団体も、
このコロナ禍の中でも稽古を重ねられて、
若手神楽氏の皆さんも増えて、
晴れの舞台の上で、稽古の成果も発揮され、
充実した神楽大会。
聞くところによると今回出演は
8団体ですが、それも
それぞれ地区の中の代表の団体が
出演しているとのこと。
石巻付近だけでも他にもたくさんの
神楽保存団体があるのだそうです。
🌼どの神楽も、それぞれに奥深い演目で、
ちょっと稽古しただけでは
とても身に付かない、笛や太鼓の
楽のリズム。
複雑で一振り一振り、
一足一足が呪的で、美しく、
二刀を両手に凄まじい舞や、
激しい舞の間の
面の下から
朗々と
神話の中に隠された、真意が
さりげなく語られる
意味深い「神歌」や
「神談記(かんなぎ)」に
目も心も奪われてしまいます。
🌼そして・・
どの地区も、どこの神楽保存団体も
震災の折には多大に被災されて
おられると思われるので、
緻密な演目が受け継がれているのも
嬉しくて、あつい思いで
拝見させていただきました。
いったい東北には
どれだけたくさんの
大切に伝承された神楽の宝物が
あるのでしょう。
東北の人々の
懐の深さと心の豊かさを
実感した一日でもありました。
🌼長寿を祈る菊の日、
皆さんの長生と
弥栄をお祈りして🌼
🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼
https://kahoku.news/articles/20220907khn000021.html
会場で収めた動画と画像を少し。
追って別の神楽団体も公開しますね。
🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼🌼
🌼雄勝法印神楽の「所望分」前半
手撮りでのゆらゆらはお許しを。
🌼雄勝法印神楽のは「所望分」。
“春夏秋冬の四季を司る四人の神々に
土の神の「季節を守っていないため、
作物は枯れて土地も痩せてしまった。
どうか、自分にも季節を分けて欲しい」と
いう願い、式の神々に乞うても聞き届けられず、
四季の神々に戦いを挑むところ
天之御中主の仲裁あって、
土の神の願いが叶い、
それぞれの四季の
季節の変わり目に
土用が配されて、
木、火、土、金、水の
五行が滞りなく循環する
自然の叡智、五行の理に長けた
山伏たち由来の
法印神楽らしい演目で出演です。
最後は土の神の神楽鈴と、
四季の神々の小さな鈴たちが
軽やかに鳴らされながら、
調和の舞が舞われます。
🌼雄勝法印神楽の「所望分」解説
土の神様は姫の姿。
自分の司る季節がないために
作物が育たなくなって、
土地も痩せてしまったと
嘆くところ。
男神姿の春夏秋冬の神々が
「いったい何事にて候」と
登場。
四季の一人一人の神に、
あなたの治める季節の何日かを
分けてもらえないかと
土の神は頭を下げて乞うけれど
誰も聞き入れないので、
土の神は、四季の神と戦うことに。
🌼法印神楽の凄いなあと
思うところは、
戦いとなった時の儀礼。
「いざ装束を改めもうさんやのう」
と、装束や面を改めるところに
重さを感じるところ。
この礼儀正しさ、一線の引き方。
決して略してしまわない、儀式。
靴を脱ぐような。
他者のテリトリーに
御免ください、と断って
入ってゆくことにも通じる
日本人の精神の原形を見るように
感じるのです。
この感覚・・
わたしたちをそうさせるのは、
日本の大地そのものなのではないかしら。
だから、土の神が唯一女性なのも、
イザナミノミコトに通じ、
法印(山伏)さんたちはその大事を
"神楽の中に"
隠したのかなと。
"記紀"には記されていない"大事" を
"神楽" で伝えたのかなと。🌼
🌼所望分」後半
🌼後半は
土の神と、
四季の神の戦いに。
ついに
天之御中主が仲裁に登場。
それぞれの四季が持つ
一年(360日)の1/4にあたる
90日間から、
16日ずつを土の神に分け与え、
それぞれの季節の変わり目に
その16日ずつの「土用」が配されて、
木、火、土、金、水の
五行の神それぞれが
一年のうち72日ずつを司って、
四季が巡り生命の消長も巡り
国土は豊かになった・・。”
とてもスマートな
「土用」の謎解き。
🌼五行・四時循環図🌼
🌼自然の叡智、五行の理に長けた
山伏たち由来の
法印神楽らしい演目な上
さりげなく、
朝廷側が見捨てた
イザナミノミコトを
蘇生させている。
最後は土の神の神楽鈴と、
四季の神々の小さな鈴たちが
軽やかに鳴らされながら、
耳にも目にも心地よい、
調和の舞が舞われて
今この時、
地球に生きる私たちに
本当に必要な、優しい響です🌼
重陽に
和を祈って・・。
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