1950年当時のアメリカ。結婚するにあたり、女性は、処女であることが暗黙の了解でした。
モナコの王子からプロポーズを受け、舞い上がりながらそれを受けたグレースでしたが、そのときは、王子のこと以外何も考えていなかった。
ふと、我に返ったとき気がついたのは、正式な結婚をするにあたり、処女ではない自分は、プリンセスになるための資格があるかどうかということ。
不安になったグレースは、親友にそのことを打ち明けます。
「どうしたらいい?」
「どしたらいいって言われても・・・。みんな、知ってるし・・・」
有名スターたちと次々とホテルへ行くグレースのことは、誰もが知ったる内緒ごとでした。
「このままだと結婚できないかも」
「どうするつもり?」
「スポーツで痛めたってことにするとか」
「グレース、あなた、運動は苦手だったでしょ」
結局、その日は結論が出ないままで終わりました。
その後、グレースは、子作りができるかどうかの検査を受けるため、医師の診察を受けることになりました。幸い彼女の目の前に現れたのは女医でした。
▼ 卵子凍結
検査の結果は、子宮や子宮頚管には問題なし。希望するなら、万が一に備えて卵子を凍結し、保存しておくことも可能だと助言されました。
卵子凍結は、数年前から実施されていました。でも、凍結された卵子を使って妊娠が初めて成功したのは、1984年。当時にしたら、とにかく世継ぎのためなら万事手を尽くすことが使命だった。
「あなたは処女ですか?」
という質問は診察ではありませんでした。良かった・・・。
▼ 世継ぎのための検査
王族や皇族継承は、王家や皇族伝統を終わらせないため、ヨーロッパの王族や皇族界では最も重要な、かつ深刻な課題です。
イギリスの故ダイアナ妃やキャサリン妃(愛称ケイト)も、グレースと同じ検査を受けているはずです。
モナコの王子も、初めてアメリカに渡った理由は、グレースと家族に会うためと、ニューヨークで子作り検査を受けるためでした。
王族、貴族になるためには、プライバシーはない・・・。
大きな谷底を無事脱出。良かった・・・ほっとした・・・これで結婚できる。
が、再び、高い山が控えていた・・・