●ステロイド3)キャプテンクックの帽子の形:副じん | 潰瘍性大腸炎 & クローン病&過敏性腸症候群の改善・完治・根治

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▼ 副じんの位置

ステロイドは、副じんで作られます。ふたつあり、背骨の両脇、あばら骨の一番下裏側からにぎりこぶし1個分の高さにあります。

握りこぶし自体は副じんではなく腎臓です。

 

◎ 図: ソラマメ型の白は腎臓。上部の薄紫が副じん。ソラマメ型のわきから根っこのように出ているのは尿管。

腎臓は、全身から流れてきた血液をろ過し、廃棄物が混ざった水分は尿として排出する働きがあります。

 

 

この図を見て、わたしは、副じんは腎臓の一部で、腎臓の下請けの仕事をしているのだと思っていました。実際は、ふたつの臓器は、肺と心臓のようにまったく別の機能を担当しています。

 

図: 副じんと腎臓を縦に輪切りにした図。

腎臓をキャプテンクックとすれば、副じんは帽子。隣接しているけど、別物。

 

 

 

▼ 副じんの働き

副じんは、ステロイドとアドレナリンというホルモンを生産します。

ステロイドは、炎症を抑える働きが有名です。ほかにも、コレステロール、胆汁、ビタミンDといった重要な成分を作る材料にもなり、ステロイドが不足すると、命に係わるほどに重要です。

 

アドレナリンは、集中力を高め、心拍数を上げます。アドレナリンが放出されないと、一気に進めなければならない仕事を効率的にこなすことができなくなったり、闘争心が必要なスポーツでは良い成績をあげられない。

 

◎ 下図: 副腎の縦割り図

副じんの55%の部位でステロイドが産生され、15%でアドレナリンが産生される。

 

 

どんぐりサイズの小さな副じん。学校の理科の授業では習いませんでしたが、両方の副じんを失ってしまうと、命を落とすことになりかねません。

 

▼ 体内の臓器は、決められた場所にある

体内の臓器は、進化の過程でどれがどこに位置するのかが決定されています。副じんの位置は次の通り。

 

1)大静脈の脇: ステロイドとアドレナリンを素早く全身に届ける

副じんで生産されるステロイドは、痛み止めの働きがあります。例えば、頭痛や神経痛の時、ステロイドが素早く送られないと、イライラして人間関係を壊したり、日々の作業に支障を引き起こします。

 

バスに乗り遅れたくない状況があっても、アドレナリンが放出されなければ、瞬発力が出ず間に合わない。

 

ふたつを必要としているのは、全身に指令を出す脳です。そこへ高速で届けるには、副じんの中で生産された後、すぐさま大静脈に放出する必要があります。

 

2)大動脈の脇: 酸素と材料を仕入れる

副じんが、緊急でステロイドとアドレナリンのようなホルモンを大量に作るには、副じん内の工場をフル回転させる必要があり、そのためには膨大なエネルギーが必要です。エネルギーのもとは酸素。ホルモンを作る材料も要ります。どちらも、大動脈が運んでいます。

 

3)副じんの弱点(推測)

以上のふたつの理由から、副じんは、大動静脈の脇に位置する必要があります。大動静脈に直接付着できれば良いのですが、血流が速く血圧も高いため、直に接続してしまうと、どんぐりサイズの副じんは、たちまちのうちに崩壊してしまう。

 

高速高圧の血流を抑えるため、副じんと大動静脈の間は細い血管で結ばれています。

 

大動静脈から細い血管でぶるさがる どんぐりサイズの副じん。からだの持ち主が、激しく転んだとき、両方のどんぐりが振り回され血管が切れたら、その人の命にかかわることになる。

 

どんぐり副じんを安定させるためには、台がいる。白羽の矢が当たったのは、大動静脈の脇にある腎臓でした。

 

▼ 腎臓の働き

体中を流れる血管は、酸素や栄養物を届ける動脈と、二酸化炭素と廃棄物を回収する静脈があります。最も廃棄物を含んでいるのは、大静脈。

 

腎臓は、大静脈とつながっていて、アンモニアなどの有害な廃棄物と、捨てるには惜しい有益な物質、例えば、カルシウムやマグネシウムを分別する機能があります。

廃棄物は、尿道へと送られ体外に捨てられます。カルシウムやマグネシウムは、骨づくりの材料として大動脈に送る。

 

こんな理由から、腎臓は、大動静脈のすぐそばに位置しています。

 

▼ 合体による相互利益

副じんと腎臓は、共に、大動静脈の脇になければならない。このような縁があり、ふたつは、隣同士になった。

ふたつの臓器は、大動静脈からそれぞれ何本かの細い血管でつながっています。ふたつが合体することで、安定した状態になる。それに、隣近所の動き回る臓器の小腸、大腸の影響を受けにくくなる。

 

 

▼ 最初はどちらも、ひとつだったのかも

進化の過程で、地上初の稚魚サイズだった古代魚の腎臓と副じんは、ひとつずつだったのかもしれません。

時ともに行動範囲が広がり、からだの機能が発達し、体格が良くなるに従い、ふたつの臓器もサイズを増していった。そのうち大動静脈に押されて、それぞれが上下に重なった状態で真ん中で分離した(憶測)

 

もしかすると、肺も、最初は、ひとつしかなかったのかな。

 

それと比べると、手足は、からだのバランスをとるなど、最初から左右対称に進化する必要性があったと考えられています。

目や耳は、狩りのため、ひとつだけでは足りなかったことから、最初からペアで進化した。それに、ひとつ目が分離して、目が二つになっただなんて考えたくないし、耳の分離なんて、ありえない・・・。