2024年9月練馬区議会第三定例会での会派の一般質問について掲載します。

正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。

 

 

子どもの視力低下について

 

 

  質問

 

近年、急速なデジタルデバイスの普及により子どもの視力の低下が深刻な問題となっています。

文部科学省は2021年から23年度に小中学生5,200人を対象に、視力がどう変化したのか実態を調べ、令和6年7月31日に調査結果を発表されました。調査結果において裸眼の視力が1.0以上の視力が良い児童の割合は、学年が進むにつれ低下しており、一方で視力が0.3未満の子どもは学年が進むにつれて増加していることが分かりました。

2021年から23年までの3年間において見られた変化は視力が1.0以上の割合は21年では63.93%でしたが23年には53.15%まで低下しています。

いずれも過去最多を更新し、中でも遠くのものがぼやけて見える近視については爆発的に増えていて世界でも特にアジア圏の先進国では深刻な問題となっています。

近視の定義に当てはまる児童は小学1年生では12.43%に対し、小3に成長すると35.87%と23.44%増加しており、小2から小4に成長する過程では、近視の割合は16.26ポイント増加していることから年齢が低い子ほど近視になりやすい傾向にあることが分かりました。

これらの要因として夏場の熱中症対策やコロナ禍により外遊びの時間が減り、スマートフォン、ゲーム機、タブレット等の子どもたちの長時間の使用が理由として挙げられています。

 

先ず、練馬区の子どもたちの視力に関する状況と、視力の低い子どもに対しての対応を伺います。

令和6年3月「第3期練馬区子ども・子育て支援事業計画」の策定に向けたニーズ調査報告書では中学生に対し、放課後どこにいるのですかという問いに対し76.1%が自分の家と回答、休日の午後はという問いに対しては92.9%が自分の家という回答結果がでていることから、区として子どもたちの外遊びの時間が減っていることを把握されているところでありますが、長時間デジタル機器を使用し、そういった生活習慣が子どもたちの視力低下に繋がっていることなど、子どもたちの生活は時代と共に目まぐるしく変化していることから、区としてこれらの状況をどのように認識し、現在どのような対応をしているか伺います。

 

文部科学省は令和2年度から、GIGAスクール構想の取組に向け教育のICT環境の充実化を図るため、タブレット端末を小中学生の児童生徒1人1台を一斉配備し、区としても子どもたち一人ひとりに対し個別最適化された創造性を育む教育の実現を目指しているところであり、今後も効果や使い勝手も含め、自治体による活用計画を検討し継続的に改善を進めていく中で、学校、家庭の両面から子どもの視力に対する知識を深めていくことも併せて必要だと考えます。

現在タブレット端末のガイドラインでは児童生徒のタブレットを見る姿勢に関して、30cm離れて使用するよう、又使用時間のルール、使用時間制限等について記載されているところです。家庭でのルールはもちろん大切なことですが、何故そのルールが必要なのか、子どもたち自身が理解出来ることが望ましいと考えます。今後、目の健康に対する知識の周知が必要であると考えますが区としてどのように取組まれるのかご所見をお伺いします。

 

 

  答弁

 

●教育長

教育委員会が毎年行っている調査では、視力が1.0未満の児童生徒の割合は、この10年間で、小学生は33.8%から36.2%に、中学生は56.4%から60.8%になり、視力の低下が進んでいます。外遊びの減少、スマートフォンやゲーム機などデジタル機器の長時間使用など、子どもを取り巻く環境と生活習慣の変化が、影響しているものと認識しています。

教育委員会では、定期健診で視力が1.0未満とされた児童生徒の保護者に対し、眼科医への相談を勧奨するとともに、その結果を学校にお知らせいただき、生活の改善を促しています。

また、保健体育科の学習の中で、デジタル機器を長時間使用すると、目が疲労するだけでなく心身の健康に影響が及ぶこと、健康の保持増進には、年齢や生活環境に応じた適切な運動、食事、休養および睡眠の調和のとれた生活を送る必要があることなどを指導しています。
区のタブレット利用に関するガイドラインには、健康面を含めた留意事項について各家庭でしっかり話し合うよう記載しています。 ルールの必要性を子どもたち自身が十分に理解できるよう、周知方法について、より一層の工夫を図っていきます。