2024年9月練馬区議会第三定例会での会派の一般質問について掲載します。

正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。

 

 

今後の保育需要について

 

  質問

 

前川区長就任以来、待機児童数ゼロを区政の最重要課題の1つとして位置付け、増加する保育需要に対し、待機児童ゼロ作戦をはじめ、認可保育所の整備、区独自の練馬こども園の創設などに取り組まれ、今年度においても、4年連続で待機児童数ゼロになったことは、我が会派としても高く評価しております。

女性の社会進出による共働き世帯の増加や幼児教育・保育の無償化など保育需要も大きく変化している中、区は「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、保育需要を満たすための施策を着実に実行し、計画的な保育定員の確保に繋げてきたことが大きな要因であると考えています。

その一方で、男性の育児休業制度の取得が全国的に進んでいることなどにより、1歳児や2歳児から保育園に預けたい家庭が増加するなど、保育に関する保護者のニーズは年々変化しています。

「子ども・子育て支援事業計画」は5年間の保育の需給を定め、計画的に施策に反映させるためのものですが、マンション建築や、保育を必要とする年齢層の増減など、保育ニーズに変化が生じた際、区はこれまでも、1歳や2歳児の保育申請の増加に対するセーフティネットとして一年保育の実施や、練馬こども園のさらなる追加設置などに積極的に取り組まれていますが、今後も状況に応じて臨機応変に見通しを修正し、対応をしていくことが必要と考えます。

 

先般の常任委員会において、0歳児定員の空きが区内全体的に生じており、定員に満たない園が多い傾向となっていること、来年度以降もこの傾向が続く見込みであることを理由として、区立の保育園3園で、来年度の0歳児募集を停止すると報告されました。園の関係者によると、定員が埋まっていない状況では、そのために配置している保育士やスペースなどが活用しきれず、園の効率的な保育運営にも支障が生じるので困っているとのことです。

保育を求める年齢層に変化があれば、その増減に合わせた定員設定などがニーズに適切に対応するためにも必要だと考えます。区は、来年以降の0歳児に関する必要定員数は、今後の保育需要を慎重に見極める必要があるとしていますが、0歳児の保育需要について現在はどのようにお考えになっているのかお伺いします。

一方で、0歳児は出産の時期により、年度途中での入園も多く、例年、年の後半には定員が埋まる傾向にあります。保護者の中には、必要な時に保育園に入れないのではないかと不安に感じる方もいらっしゃるのではないかと考えますがご所見をお伺いします。

 

次に、次期子ども子育て支援事業計画について伺います。

年度末には、第三期子ども子育て支援事業計画が策定される予定です。この新計画では改めて、これからの5年間の保育の需要と供給量が定められると思いますが、国全体として少子化が進行し、この傾向が継続する中、今後の区の保育需要を見極めて、十分な定員を確保していくことは非常に難しい検討になるのではないかと考えます。

更に少子化が進行すれば、新たな保育園を誘致しにくくなるなどのケースも想定されるのではないでしょうか。

一方で、現状では1歳や2歳児の一年保育などにより、保育需要に対応していますが、安定的で継続的な保育を望む保護者の方の声も多く伺っており、次の計画を踏まえた保育環境の整備においては、継続した保育が可能となるような環境整備に取り組んでいただきたいと考えています。

 

そこで、次期計画を実施する際には、これまでの保育園の誘致などの取り組みと合わせて、既存の園の定員を見直し、求められる年齢層に対応した定員設定に変更するなど、様々な工夫により定員数を確保することも必要と考えますが、ご所見をお伺いします。

 

 

  答弁

 

●区長

私は永い間行政に従事してきて、一番永く、力を入れて取り組んだのは保育行政でした。

私が都に入った昭和四十年代半ばは、女性は家庭で子育てを行うことが当たり前であるという雰囲気が支配的でした。

 女性の社会進出が進むなか、都と二十三区は、日本の保育行政の最先端を走っていたと思います。保育所の大幅な増設を進め、国の反対を押し切って、当時は無認可と呼ばれていた保育室や家庭福祉員を創設しました。さらに、大都市特有の多様な保育ニーズに応えるため、長時間保育や産休明け保育などのサービスを充実しました。若かった私も、無認可施設への助成は憲法八十九条違反ではないと国への反論を書いたり、長時間保育に必要となる保育士の数の計算式を考えたりしたことを今でも鮮明に覚えています。その後、福祉局長になって、都独自の制度である認証保育所を創設しました。
区長就任後は、区議会の御支援をいただきながら職員と一丸となって保育行政に取り組み、4年連続で待機児童ゼロを達成しました。また、永い間念願としてきた、全国初となる区独自の幼保一元化施設「練馬こども園」を創設しました。 

今また、時代が大きく変わりつつあります。 

両親共に働くことが当たり前になりました。 男性が育児休業制度を利用するようになるなど、働き方が多様化しました。
引き続き、様々な子育てサービスのニーズに応えて、自治体として考え得る最大限の施策を展開し、子育てのかたちを選択できる社会を実現したい、そう考えています。

 

●教育長

本年4月、区は4年連続の待機児童ゼロを達成しました。一方で、近年、年齢ごとの保育需要は大きく変化しています。特に1歳・ 2歳児の4月申込者数は合計3.200人を超え、地域によっては受入れがひっ迫しています。

0歳児は、定員1.425名に対して283名の空きが生じており、受入れに余裕がある状況です。

そこで、区立保育園3園の0歳児定員計33名分の枠を活用し、ひっ迫することが危惧される1歳児を積極的に受け入れることとしました。

また、昨年11月に実施したニーズ調査では、共働き家庭の増加や女性の就業率の上昇とともに、育児休業制度の取得増や期間の長期化が進んでいます。こうしたことから、0歳児の保育需要は今後も減少し、1・2歳児の保育需要は増えていくものと考えています。0歳児の定員を活用した1歳児の受入れは必要なものと考えています。
年度途中での入園希望が多い0歳児についても、今年度は各地域で空きが生じると見込んでいます。保護者の意向を聞き取り、空いている園をご案内するなど丁寧に取り組んでまいります。

次に、今後の保育需要についてです。
日本全体で少子化が進む中、区の出生数も減少しています。一方で、1・2歳児を中心に、保育ニーズは増加しています。マンション建設などの地域事情や年齢による需給差を踏まえた定員数の確保が必要です。
今年度末に策定する第3期子ども・子育て支援事業計画の中で、保育定員をはじめ、様々な保育需要に対応するサービス供給量を示し、その確保に取り組んでまいります。