2023年12月の第四定例会で会派を代表し、一般質問をしました。

正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。

 

児童・生徒への性暴力防止に向けた取組みについて

 

 

  質問

 

児童・生徒への性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、根絶に向けた取組みや被害者支援の強化が求められています。 

「教育職員等による児童・生徒性暴力等の防止等に関する法律」により、総合的な規定が整備されましたが、未だ教職員等による児童・生徒への性暴力等の事案が相次いでいるのが現状です。 

今年9月、練馬区内中学校の校長が児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕されました。 

学校の最高責任者である校長の逮捕は、当該校の児童・生徒や保護者だけでなく、前任校の児童・生徒や保護者、卒業生や関係者、さらに地域においても大きな不安と混乱を与えました。 

逮捕翌々日には、臨時保護者会を実施しましたが、保護者からは全ての先生を信用して良いのか不安な気持ちになった等の意見がありました。 

教職員等が、児童・生徒たちに対し性暴力等を行うことは、子供たちの尊厳と権利を踏みにじるだけでなく、性暴力等を行った一部の教職員によって、学校や全教職員への信頼が失墜することとなり、誠に遺憾であります。 

まず、今回の区内中学校校長の逮捕についてのご所見をお伺いします。 

 

学校長が逮捕となり、管理職を指導、管理する体制の強化が求められています。 

すでに、「触らない、送らない、二人きりにならない、児童・生徒と教員との交際関係は成立しません」という児童・生徒性暴力等防止の「3ない運動」プラスに加え、校長逮捕後に開催した臨時校長会では、校長の考えをまとめる報告書の作成を指示し、また校長の意識を高める取組みを行い、今後は指導課長による校長への面談時に、性暴力防止のセルフチェックシートの提出を求めるなど、新たな対策を強化していくと説明がありましたが、逮捕後の取組み状況についてお伺いします。 

 

教育委員会や学校において研修等による防止対策や、定期的な調査の実施とあわせ、相談体制の整備等を充実させ、早期発見・対処を行うべきと考えます。 

教職員による児童・生徒への性暴力は、教育現場において、信頼関係や権力関係があることから、被害者が抵抗しにくく、二次被害を恐れ相談しにくい状況にあることが多いとされています。 

令和4年度に東京都教育委員会は「児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口」を設置しました。今定例会の区長の所信表明において、練馬区で区独自の相談窓口を設置すると示されましたが、その概要についてお伺いします。 

 

教員による児童・生徒への性暴力の原因は、文部科学省によると、教員の性的嗜好や、権力や支配欲求、ストレスなど多岐にわたるとされていますが、一概に言及することはできません。教員採用や管理職採用については東京都教育委員会の管轄下にありますが、区教育委員会として定期的な調査の実施や、性暴力等を起こさせない学校づくりが必要です。 

また、国は教員免許証保有者のうち、子どもに性暴力等を行ったことにより、免許状が失効、または取り上げになった者をデータベース上に登録することを各自治体に義務付けていますが、教員免許を保有していない会計年度任用職員については、採用時の面接で過去に処分を受けていないことを自己申告で確認するのみとなっています。教育現場におけて児童・生徒と関わる場合は、会計年度任用職員についてもされるべきであり、様々な観点から性暴力等の防止の対策を一層強化していくべきであると考えます。 

区では新たに「児童・生徒への性暴力等防止特別対策委員会」を設置するとのことですが、この委員会の目的や取組の内容についてお伺いします。 

 

 

  答弁

教育長

 

学校の最高責任者である校長が、許し難い不祥事により逮捕されたことを重く受け止めております。
 教育委員会では、校長逮捕後、全区立学校に対し、私物カメラ等の校内持ち込みの禁止、空き教室など死角となる場所の確認、性暴力防止の啓発ポスターの掲示等、環境の再点検を指示いたしました。

 あわせて、全区立小中学校のホームページに区や都の相談窓口の案内を掲載するとともに、教育指導課長による全校長・園長面談を実施し、自校の取組の再点検を行いました。 また、今月7日には、都と連携した校長・園長研修を行い、再発防止を徹底してまいります。相談体制を充実させるため、区独自の第三者による性暴力等相談窓口を近く設置します。
 電話による相談とともに、メール等による相談も受け付けます。専門の相談員を配置して、相談者に寄り添いながら対応してまいります。
 また、学識経験者や弁護士、心理士等による「児童生徒への性暴力等防止特別対策委員会」を設置します。未然防止・早期発見・初期対応等の具体策を検討し、来年夏までに提言をいただく予定です。 児童生徒への性暴力等の防止に向けて、徹底した対策に取り組んでまいります。