2023.9月第三定例会において会派で行った一般質問について掲載します。

正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。

 

熱中症対策について

 

 

  質問

 

近年の気温上昇の状況はまさに異常気象という状況が続いており国連事務総長が発表されたように

「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」という言葉は過言ではなく

今年も区内を連日猛暑が襲ってまいりました。

 

区としてはこの法改正に伴い民間施設も含めたクーリングシェルターの指定や

熱中症対策普及団体の指定などに取り組むこととなり

国や都と連係してこれまで以上に熱中症対策に取り組むこととになってまいります。

そのような中、練馬区内でも8月末までの猛暑日が26日間となり観測された最高気温は38.6度と体温を超えてしまう日が連続して続くなど沸騰の時代に入ってきたと考えます。

 

区内の熱中症発生者数は年々増加傾向にあり昨年の令和4年には熱中症による死亡者数は過去最高18名となりその年代についても50代から90代と高齢者に限らず発症しそのほとんどが屋内の発症事例が多く、エアコンの未使用や未設置が熱中症発症の要因に繋がっており中には同居のご家族もいらっしゃるなかで発症してしまった事例も見受けられました。

 

そのようななか区としては、昨年に引き続き本年についても大塚製薬(株)と協働で動画の作成や民生児童委員に対して熱中症セミナーの開催などの対策に取り組み、補正予算の中ではエアコン未設置の生活困窮世帯にエアコン設置補助に取り組み熱中症対策強化に取り組んでまいりましたが残念なことに今年も昨年に引き続き6月~8月の3ヵ月の期間で18名もの死亡者数の発生となってしまい、熱中症については自然災害と言っても過言ではないレベルにあると考えます。

 

そこでお伺いいたします。区として近年の熱中症発症状況についてどのように認識し法改正も踏まえて今後の対策についてどのようなご所見をお持ちでいるのかお聞かせください。もちろん、熱中症発症リスクについては屋内だけでなく屋外のリスクも高く対策強化していくことが不可欠です。

特に子供達の運動環境の対策や農作業の対策は急務であると考えます。

今年も猛暑が続いていたことにより学校のプール授業については激しい運動を中止する暑さ指数WBGTの31を超える日が続き学校プールでは授業だけでなく夏休みも含めて予定よりも実施日数を減らし、校庭開放についても同様に中止する学校があったと聞いております。

また、子供たちがサッカーや野球をやる運動場では日陰が少ない状況にあり人口芝については熱が人口芝に蓄積され上からも下からも逃げられない暑さの中で運動せざるを得ない状況にあります。子供達の教育環境やスポーツ振興の観点からも運動全体を止めるということは避けるべきであり、ダグアウトの増設や遮熱ネットを活用して学校のプール授業や運動場の日陰を確保していくことや、近年の気化熱を活用したスプリンクラーの導入や大型扇風機の設置をしていくなどの対策強化が急務であると考えますがいかがでしょうか。ご所見をお聞かせ願います。

 

また、熱中症対策としては区内の特徴的な産業でもあり守るべき農作業についても熱中症対策を支援していく必要があると考えます。特に都市型農業に数多くみられるビニールハウスについては夏場の暑さは40度を超える状況にあり区内の生産活動に大きく影響を及ぼす状況にあり区としても農作業における熱中症対策について支援ができるような仕組みを検討していくことが必要であると考えますがいかがでしょうか。ご所見をおきかせください。

 

 

  答弁

●副区長

国内では、気候変動の影響により、近年、平均気温が上昇し、熱中症の発症に大きな影響を及ぼしています。 

本年7月の都内の平均気温は、平年を3度上回り、観測史上、最も高くなりました。

本年8月末までに区内で熱中症により亡くなった18名の方は、全員が屋内で亡くなられており、そのうち16名が65歳以上の高齢者で、多くは単身の方でした。これを受け、区では、8月から緊急対策として、単身高齢者約3万5千世帯を対象に、電話や訪問により熱中症の予防行動を呼びかけています。

国は、本年5月、気候変動適応法を改正し、特別警戒情報の創設やクーリングシェルターの指定など対策を強化しました。

来年の法施行に向け、特別警戒情報の効果的な伝達方法を検討するとともに、クーリングシェルターについては、現在の休憩場所に加え、事業者と連携しながら、 民間施設なども含めて幅広く指定ができるよう取り組んでまいります。

 

●教育長

区立小中学校の熱中症対策等について。
教育委員会では、令和元年度に熱中症計を全区立小中学校に配備し、暑さ指数31以上で、原則運動を中止するなどの対応について、各校に通知し周知を図ってきました。
今年度も、夏季休業中の事故の未然防止に関する通知を二度行い、その中で運動前および運動中の暑さ指数の把握や、定期的な休憩・給水時間の確保等への配慮を強く求めてきました。

 遮熱ネットを活用したプール等での日陰確保については、 製品や施工方法・実施事例を紹介するなど、各学校の状況に合わせた対応ができるよう支援を行っています。

 また、区立屋外スポーツ施設においては、暑さ指数や気温の掲示等による利用者への注意喚起とともに、ミストシャワーや日除けテントの設置など熱中症対策を行っています。 引き続き効果的な対策を検討してまいります。

 

●産業経済部長

農業の熱中症対策について。
近年、夏場猛暑が続く中、農業者は、毎日農作業に従事しています。

早朝や夕方に作業するなど工夫さているものの、日中の作業もあり、負担が生じています。
区は、ビニールハウス農業用施設に、室温低下効果あるミスト発生装置の設置費用を補助してます。

また東京都農業改良普及センターでは、熱中症対策の啓発リーフレットを作成し、農業者に注意喚起行っています。
引き続き、関係機関と連携し、農業者の熱中症対策に取り組んでまいります。