2023.9月第三定例会において会派で行った一般質問の内容を掲載します。

正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。

 

孤独・孤立対策について

 

 

  質問

 

 我が国は2019年の参議院選挙で初めて国政政党が孤独対策を選挙公約に掲げてから3年、2021年にイギリスに続いて世界二カ国目となる担当大臣が設置され本年2023年通常国会において「孤独・孤立対策推進法」が可決されました。

 本法律においては来年令和6年4月1日から施行され我が国としても孤独・孤立対策が具体的な形として進められていきます。この孤独・孤立という課題はその定義を定めていくことも難しく一般的に孤独とは寂しい感情や精神的な主観的概念を指し、他方孤立とは社会とのつながりや助けのない又は少ない状態の客観的概念を指すと言われております。孤独を感じ社会から孤立していくことによってうつ病やアルコール依存、認知症やひきこもり、自殺の要因に繋がり心身に有害な影響を及ぼすだけでなく社会的にも経済的にも大きな損失にも繋がるものと考えます。

 国としてもこの課題を重く受け止め孤独・孤立対策の重点計画の策定、実態調査を実施してきたところでもあります。

そこでお伺いします。

 区はこの大きな社会課題である孤独・孤立に対してどのようなご所見をお持ちでいるのかお聞かせください。国の重点計画の中ではこの大きな社会課題である孤独・孤立に至る背景にグローバリゼーションが進む中で、終身雇用、年功賃金などの日本型雇用慣行が変化しパートタイム等の有期雇用や派遣労働等の非正規雇用の増加など雇用環境の変化やインターネットの急速な進展、国民生活やライフスタイルの変化、人口減少、少子高齢化、核家族化、晩婚化から単身世帯や単身高齢者の増加が進み、地域社会を支える人のつながりが希薄化の一途をたどってきたことがあり、加えて新型コロナウィルスの休業要請や感染防止対策や外出自粛などが更に加速させたものと考えられています。

 本重点計画には基本理念として人生のあらゆる場面で誰にでも起こりえる孤独・孤立の問題に対して社会全体で対応し、当事者や家族等の立場に立ち、人と人とのつながりを実感できる施策を推進していき、社会のあらゆる分野に孤独・孤立対策の視点を入れていくことの必要性について考えが示されています。

 

 練馬区においてもこれまで、社会的な孤立支援として、中高年のひきこもりや8050問題、子どもたちのひきこもりなどについて、福祉事務所や地域包括支援センター、子ども家庭支援センターなどが中心となって対策を進めており、ひきこもりや孤立が起因する重層的課題に対しても各関係機関が連携して取り組めるよう連携推進担当を設置し取り組んできたところでもあります。

 このような課題に対して区としてもこれまで、さまざまな取り組みを実施してまいりましたが、国の重点計画の中にも示されているように、日常生活とより密接にかかわる孤独・孤立に関わる対策については行政機関だけで取り組むことには限界があり、地域のつながりや団体や民間企業との連携や支援が不可欠な取り組みであると考えますがご所見をお聞かせください。

 また、来年4月から施行される孤独・孤立対策推進法を通じて我が区としても重点計画を進めていくこととなると考えますが、特にNPO活動やボランティア団体との連係強化をどのように考え、今後示されてくる練馬区地域福祉計画、社会福祉協議会の地域福祉活動計画にどのように取り入れていくお考えでいるのかご所見をお聞かせください。

 

 

  答弁

 

●福祉部長

 子育て、高齢者介護、生活困窮などの悩みには複合的なものが多く、誰にも相談できずに困っている方がいます。地域でのつながりが希薄化するなか、コロナ禍での外出抑制などの影響が重なり、社会的な孤立が顕在化し、事態は深刻化しています。

 孤独・孤立を防止し、支援につなげていくためには、区民や地域団体、民間事業者、NPO法人等との協働により進める必要があります。

 区では、練馬こどもカフェや街かどケアカフェ、相談情報ひろばなど、民間事業者や町会・自治会、NPO法人などと協働して、身近な地域に居場所や交流の場を設置するとともに、支援が必要な方は、必要に応じて関係機関につないでいます。
 本年4月から、社会福祉協議会の「ボランティア・地域福祉推進センター」を複合的な課題を抱える方の相談窓口に位置付け、センターの地域福祉コーディネーターが、相談に応じるほか、福祉事務所や保健相談所などの支援機関につないでいます。 区民や地域団体から、地域で孤立し、必要な支援につながらない方などの情報を収集し、アウトリーチ支援を行うなど、区と区民・地域団体、事業者などの協働による孤独・孤立対策を強化して います。

 また、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現を目指して、区は地域福祉計画を、社会福祉協議会は地域福祉活動計画を策定し、連携しながら取組を進めています。 

 令和7年度からを実施期間とした次期計画については、両計画とも来年度策定に着手する予定です。孤独・孤立対策推進法の趣旨や国の重点計画を踏まえて、計画に盛り込む施策や取組について、社会福祉協議会と連携して検討してまいります。