2023年9月10日(日)に練馬区立中学校校長が児童ポルノ禁止法違反(所持)の容疑で逮捕されました。

 

9月11日に全校集会を行い、9月12日夕方に保護者会を開催しました。

そして、9月14日に練馬区議会の文教児童青少年委員会において報告されました。

現在まだ捜査が続いていること、被害者(相談者)保護の観点から答弁できることに制限があると前置きがありました。

報告された内容として、経過については、

令和4年11月に都の相談窓口に匿名の電話相談が入る。

しかし、この時は匿名で、やり取りできる連絡先を受け取れず相談のみとなる。

令和5年1月メールで改めて相談がきたことで連絡先がわかったため、相談のやり取りが始まる

その後、令和5年2月末に都の教育委員会から区の教育委員会の方に都が設置している第三者相談窓口に当該校長からの被害について相談している方がいると情報提供を受けた。その後、都の教育委員会とともに被害者から話を伺い協議を重ね、令和5年7月に区の教育委員会から練馬警察署に本件の経緯について情報提供し、その後被害者の方が直接警察に相談したことで警察による捜査が開始した。

9月10日区教育委員会立ち合いのもと、警察は当該中学校の校長室の捜索を行い、同日22時44分警察から区教育委員会に連絡があり、当該中学校校長の逮捕についての報告を受けた。

ということです。

 

私は、当該地域の青少年委員会育成委員会の顧問として

保護者会に参加してきました。

保護者会は、原則現役生徒の保護者としていましたが、

来春入学予定の保護者や卒業生の保護者といった方についても

別室ではありましたが、保護者会を傍聴することができました。

保護者会では、相談から逮捕までなぜこんなに時間がかかったのか。相談があり疑惑がある時点で対処できなかったのか。など質問がありました。

文教児童青少年委員会においても、同様の質問がありました。

 

被害者保護、また被害者の方の意向を確認しつつ進めていたこと、

相談内容が事実なのかを慎重に捜査する必要があったとの説明がありました。

 

今回の逮捕は「所持」です。

事前に、問い詰めた場合、証拠を隠滅する恐れもあったため慎重に進めるしかなかったようです。

しかし、やはり今年度も平然と校長として通常業務をこなしていた状況に

疑念を抱いている方もいます。

 

現段階では、前任校でのこととされていますが、報道では複数人のデータがあるとも言われています。

それが、どこで、いつのものなのか、捜査中でありまだわからない部分もあると思います。

逮捕時の中学校ではないとしていますが、現役保護者の方などは真相はどうなのか大変不安に思っています。

 

最近のことではなく、過去のことであったとしても、

そのような事をした人が教育者として、しかも学校の最高責任者の校長として在籍していたことは

大変な問題であり、大きな不安を与えています。

 

まず、警察に相談された被害者の方に対し最大限のケアをすべきであります。

そして、現中学校の児童生徒に対し一時的でなく継続したケアをすべきです。

9月13日に全生徒を対象に心や体の状況を把握するアンケートを行い、ストレス度が高い生徒からスクールカウンセラー、心のふれあい相談員、養護教諭、区教育委員会から派遣される心理士などによる面談を実施し、全生徒に対し行うとしています。

「裏切られた」「もう先生を誰も信じられない」そんな声も届いてます。

これは、生徒だけでなく保護者も同様です。

そのため、保護者に対してもケアを要望しました。

また、同じ職場にいた教職員の方も同じくショックを受けていることも考えられるため、教職員へのケアも要望しました。

 

保護者の方などについては

なにかあれば、「区民の声」で知らせる、区教育委員会へ・・・とのことでしたが、

学校、教職員との信頼関係は、現場である学校、先生と築き上げるものであると感じています。

区教育委員会として対応をするのは当然ですが、信頼回復のためには学校・先生と構築できるよう

教育委員会としては現場を支えられる体制をしていただきたいと思います。

 

また、前任校については、着任していた学年はすでに卒業していることから、

保護者会などは行わないこととし、相談窓口の案内を区HPや学校HPに掲載するとしています。

児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口

 

現在、校長不在のため副校長が校長の職務代理を行っています。

夏休みが明け、本格的な受験シーズンへ入っていくことや、新入生受け入れの準備など多忙となる時期なため

新校長が早く赴任することを求めています。

現在、副校長補佐として1名配置されていますが、今回の件によって新たに追加で1名配置することとなりました。

この新たに追加される方は、当該中学校の前校長先生でよく学校のことを知っている方です。

中学校といっても地域の特色もあります。

特にこの中学校は地域との関わりも深いため、地域の活動されている方や卒業生などの関わりも深く、

前校長先生か、新任の方とでは大きく違うと思っており、前校長先生が来てくださることはとても良かったと個人的に思っています。

委員会で確認したところ、新校長赴任が決定したらすぐ解除となるのではなく年度内は対応されるとのことです。

3名の主幹教諭とあわせ、教育が止まることのないよう学校運営の適正化を図り、心のケアに取り組んでいくとしています。

 

あと、何よりも再発防止です。

残念ながら練馬区では過去にも教育現場でのわいせつ事案が発生しています。

その都度、再発防止を・・・と言っていましたが、再発しました。

この状況に対し、委員会でも問われていましたが、区教育委員会では過去に発生した際にも当然再発防止策を講じてきたとしています。

しかし、今回の件を受け

これまでの研修の内容・対象・時期など根本的な見直しを図る必要があると認識しており、

近く行われる臨時校長会においても話し合われる予定です。

 

どのように改善させるのか、また各学校では校長が責任者として取り組んできましたが、

今回、その校長が逮捕されたため校長に対してはどのように対応するのかなど、大きな見直しを図らなくてはなりません。

委員会では日本版DBSについても触れられていました。

今回のように犯罪歴がない場合、どのように未然に防ぐか、どのようにそういった人材を教育現場につかせないようにするか・・・

今後議論していくものとなります。

 

教職員のモラルに頼るのは限界があると考えます。

性暴力をさせない、できない環境 としていく必要があります。

それはハード面としてもですし、

児童生徒側に対しても、1対1の指導は受けない、体を触る指導はいけない、個人のSNSなど連絡先を教えないなど、

性暴力について、相談すべきこと、自らの身を守るこというを今一度しっかりと行き届くようにしなくてはなりません。

早急な再発防止策の構築を求め、議会でも引き続き、注視していきたいと思っています。

 

当該中学校には、入学式や卒業式など呼んでいただき、

また地域の行事などでも校長先生とお話する機会がありました。

式典の学校長式辞の際には、読み上げるのではなく

しっかりと児童生徒の顔を見ながら、思いを言葉に込めて話される方で

子供たちのため、学校のためにと意識高く取り組まれていました。

人当たりもよく、子ども達の教育や生活を安心して任せられる校長先生。といったイメージであり

現中学校に着任された際には、保護者の方が「良い校長先生が来てくれてよかったね」というお声も聞いていたこともあり、

私自身、この件についてのショックの大変大きいです。

ショックを受けたのは私だけでなく、当然現役生徒・保護者の方々であり、

さらにはこれまで関わってきた方々にも多くいらっしゃると思います。

 

学校は、子ども達にとって生活の多くを占める場所です。

先生の言うことは正しい。

そう思い込んでしまう場所であり、教師と生徒という関係性があります。

教職員の立場を利用して己の欲求を満たすために行う性加害は決してあってはなりませんし、断じて許すことはできません。

 

再発防止策の徹底的な見直し、被害者の方や児童生徒・保護者、関係者のケア、学校の適正運営などに向け

引き続き、注視し、議会でも取り上げていきたいと思います。