2023.9月第三定例会で会派で行った一般質問について掲載します。

正式な議事録は区議会HPから後日ご覧になれます。

 

 

~区長の基本姿勢(災害対策)について~

 

 

  質問

 

 近年、自然災害が頻発し、毎年のように全国各地で甚大な被害が発生しています。

「首都直下地震等による東京の被害想定」及び「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定」が10年ぶりに見直され、昨年5月、東京都は新たな被害想定を公表しました。

 それをふまえて練馬区でも、地域防災計画の修正に向けて検討していると伺っております。折しも本年は、関東大震災から100年の節目の年です。

日本赤十字社が実施した調査では、49%の方が、毎年9月1日の「防災の日」が、関東大震災に由来することを知らなかったと答えています。また、関東大震災について知っているかどうかを尋ねた質問では、「名前は聞いたことがあるが、どのような災害か内容までは知らない」と回答した人が36%、「まったく知らない」が8%でした。

 過去の大規模災害に対する認識が薄れていると感じています。区民の防災意識を低下させないためにも、これまで以上に周知・啓発の取り組みを強化しなければならないと考えます。

 そのような中、練馬区は、区民に防災に関心をもってもらうきっかけとして、各区に働きかけを行い23区がコラボした広報紙を発行されました。

 東京駅前の焼け跡を映した当時の被害写真は大変インパクトがあり、区が関東大震災を風化させない取り組みに努力されたことを高く評価いたします。このような節目にあたって、74万人の区民が暮らす自治体の長として、災害対策の基本的考え方について、ご所見をお聞かせください。

 

 二点目に、災害時における聴覚障害者への支援についてお伺いします。災害時には、正確な情報を迅速に入手することが命を守ることにつながります。ところが、聴覚障害者は音声で情報を入手することが困難なため、災害時のリスクも高まります。

 そういった状況を避けるためにも、聴覚障害者自身も情報伝達手段を用意し、訓練することが重要ではないでしょうか。

聴覚障害者の方から地域で行われている防災訓練に手話通訳者がいないため、参加しにくいというお話を伺いました。

実際、私が住む地域の防災訓練において、聴覚障害者の方をお見掛けしたことがありません。

 こうした方々とは、特に普段から顔の見える関係作りが大切です。

聴覚障害者の方々と円滑にコミュニケーションを取り、情報が行き届くよう避難拠点における訓練の充実を求めますが、区のご所見をお伺いいたします。

 

 三点目に、区内で防災活動に取り組んでいる団体間の連携強化についてお伺いします。

区内では、防災会や避難拠点運営連絡会、消防団などの団体が、おのおののフィールドで防災活動に取り組まれています。

「防災会」は、火災の延焼防止、人命救助、避難誘導、「避難拠点運営連絡会」は、避難拠点における避難者の受け入れ、「消防団」は、消防署と連携した消火・救助活動のように役割が異なります。

 それぞれの活動内容や活動の手順、課題などを相互に理解することにより、発災時の活動の効果を高めることができると考えます。これまで以上に、団体間の連携が必要ではないでしょうか。区のご所見をお伺いいたします。

 

 

  答弁

●区長

 

 これまでの日本の防災は、災害に打ちのめされては、復旧・復興に取り組み、立ち直る所謂「待ちの防災」であったと常々感じてきました。区長となり、区民の生命と財産を守る立場となって、必要な予防対策に平時から徹底的に取り組む、言わば「攻めの防災」への転換こそが必要と考えました。

 そのため、区では予てから、建築物の耐震化・不燃化、狭隘道路の拡幅、ブロック塀の撤去、家具類転倒防止やガラス飛散防止など家の中の安全対策、避難拠点訓練、要支援者の安否確認訓練など、ハードとソフトの両面から、「攻めの防災」 を進めています。

 災害を乗り越えるためには、こうした区の取組だけでなく、区民の皆さんの、食料・飲料水、簡易トイレなどの備蓄や、発災時の命を守る行動が必要です。

引き続き、区民の防災意識向上に向けて、周知啓発に努めながら、区民の皆さん、区議会の皆さんと力を合わせて、「災害に強い安全なまち練馬」 の実現を目指してまいります。

 

●危機管理室長

・災害時における聴覚障害者への支援について。
 聴覚障害者の方が、避難拠点で安心して過ごすことができるよう、 配慮をすることが必要です。区では、全ての避難拠点に筆談ボードを配置しており、毎年、地域を変えて聴覚障害者団体と連携し、訓練を行っています。
筆談やジェスチャーを交えた、居住スペース体験や受付訓練などを実施しています。 団体との意見交換会では、平易な文章で相手に伝える筆談訓練が必要であるといった意見を頂きました。
こうした意見を他の避難拠点へ情報共有し、 支援の実効性を高めてまいります。

 

・防災活動団体の連携強化について
避難拠点運営連絡会をはじめ防災会や消防団など、各活動団体が災害時のそれぞれの役割を互いに把握しておくことが重要です。 練馬区地域防災計画では、関係機関と連携をとりながら避難誘導することを定めており、防災訓練の場を通じて、実効性を高め、連携を強化してまいります。