2023.6月第二定例会一般質問について掲載します。

正式な議事録は区議会HPからご覧ください。

 

 

ひとり親家庭の就業支援等について

 

 

  質問

 ひとり親家庭になる前後には生活の維持と仕事と家事・育児の両立、住まいなど様々な課題に直面します。

子どもの預け先を確保し、仕事を見つけ、住まいの問題と同時進行で進めていくため経済的、精神的、社会的に非常に不安定な状況におかれるので、的確な支援が必要だと考えます。

 平成29年4月からひとり親家庭総合窓口が開設されました。専門相談員がその人その人に必要な支援を提案し、ひとり親が仕事を見つける上で大切な資格を取得できるようサポートが充実しています。

 なかでも高等職業訓練促進等給付金という制度があります。これはひとり親が就業に結び付きやすい資格を取得するために養成機関で受講する際に、修業期間中は高等職業訓練促進等給付金、受講終了時には高等職業訓練終了支援給付金が支給されます。

 練馬区では国の基準額月14万円であったのに対し、本年度から2万円増額と独自加算した月16万円を支給しています。更に第2子以降子ども1人につき月2万円を加算することとなりました。これは長引くコロナ禍や物価上昇のなかにおいて、ひとり親家庭の生活を支えていくための大変力強い制度となっていくことが期待されます。

 まず、現在この就業支援がひとり親家庭にどのような方法で周知されているかをお伺いします。

 

 次にひとり親家庭が就学に取り組む環境づくりについてです。

先程申し上げましたが、高等職業訓練等給付金の対象資格には様々な支給資格があります。ハードルが高い資格に対しては育児・仕事の環境づくりが必要であると考えます。

 例として社会福祉士を挙げれば、ひとり親が社会福祉士の資格を取得したいと考えた際に先ず実務経験が必要です。実務経験後は一般養成施設に通い、卒業してから国家試験に臨むという長い期間を要する資格があります。

 看護師、介護福祉士なども同様で、これらの資格は福祉、介護など足りていない人材を増やしていくために重要な資格であると考えます。

 しかし、ひとり親家庭にとって仕事、子育てをしながらこのような長期間の就学を決断することは困難であり、給付金の活用を断念される方が多いのではと推察します。資格を取得するためにはライフプランを立てる事が必要だと考えますが、プラン作成に向け区の取り組みについてのご所見をお伺いします。

 

最後に介護職への就労支援についてお伺いします。

 先日、練馬福祉人材育成研修センターの方からのヒアリングで、「現在の高齢化社会において各事業所で深刻な人材不足が生じていると」のことでした。人材育成にかける時間がなくキャリアアップが望めない、途中で辞めてしまう人が多いなどのお悩みをお伺いしました。

 高等事業訓練等給付金制度は先ほど申し上げましたように福祉、介護など足りていない人材を増やしていくための重要な資格が多数あります。

 そこで、昨年度の高等職業訓練等給付金の受給者のうち、介護の仕事につながる資格の取得実績についてお伺いします。また、資格取得支援に加え、就労意欲のあるひとり親を介護現場に繋ぐ取り組みも必要ではないかと考えますが、合わせて区の見解をお伺いします。

 ひとり親家庭の就労には企業側の理解が必要不可欠であると考えます。

 東京都では従業員の育児、介護、病気治療、ライフイベントと仕事の両立支援などの推進に取り組む中小企業の皆さまを応援するために「働きやすい職場環境づくり推進奨励金」という事業を実施しています。

練馬区でも各企業への周知に取り組まれることを要望いたします。

 

 

 

  答弁

副区長:

・ひとり親家庭への就業支援について。

 区は、相対的貧困率が高いひとり親家庭を対象に、生活・就労・子育ての3つの支援を組み合わせて提供するひとり親家庭自立応援プロジェクトを平成29年度から開始し、 23区で最も多くの事業を実施しています。 

高等職業訓練促進給付金については、昨年度、プロジェクト開始以降、最多となる73件支給し、訓練を修了したほぼ全ての方が就職や増収につながりました。

 本年度から 給付額を月14万円から16万円に増額するとともに、 都内初となる多子加算を開始しました。

 更に本事業が活用されるよう、ひとり親家庭総合相談窓口やひとり親家庭支援ナビで周知するほか、メールマガジンや区公式LINEなどにより、プッシュ型で情報提供してまいります。

 

福祉部長:

・ひとり親家庭に対する就業支援について

ひとり親家庭総合相談窓口では、キャリアコンサルタントの資格を有する専門相談員が、相談者の生活状況や就労希望などを丁寧に伺い、個々の状況に応じたライフプラン作りをサポートする自立支援プログラム事業を実施しています。

 看護師や介護福祉士などの資格取得を目指す方に対しては、安心して長期間の修学期間を過ごせるよう、ライフプランを作成するとともに、各種手当につなげるなど、一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな支援を行っています。
高等職業訓練促進給付金は、令和3年8月から、支給対象が拡充され、介護福祉士実務者研修や福祉用具専門相談員などが新たに追加されました。
昨年度、本事業を活用した17名が、介護福祉士などの資格を取得しました。総合相談窓口の専門相談員が、介護職場への就労を希望する方に対し、ハローワークや区の就労サポーターと連携して、職場開拓やマッチングを行っています。
合わせて介護・福祉のお仕事フェアなども案内しています。引き続き、こうした取組を通じ、ひとり親家庭を就労につなげてまいります。