2023.6月第二定例会一般質問について掲載します。

正式な議事録は区議会HPからご覧ください。

 

保育所の待機児童対策について

 

 

  質問

 

 前川区長就任以来、区政の最重要課題のひとつとして位置づけ、増加する保育需要に対し、待機児童ゼロ作戦をはじめ、認可保育所や地域型保育事業の整備、区独自の練馬こども園の創設など取り組みを進めてきました。

 平成26年から9年間で約8.500人の定員拡大を図り、国要領に基づく算定基準において、令和3年度、4年度に続き、令和5年4月1日時点の待機児童数もゼロとなったことは、我が会派としても高く評価しております。

そこでまず、3年連続待機児童数ゼロを実現したことに対して区のご所見をお伺いします。

 

 4月入園の申込者数については、令和3年度、4年度は、減少していましたが、令和5年度は5.619人と微増となったと伺っております。少子化の加速や新型コロナにより新たな生活様式も増えたことから保育に対する考え方などに変化がでていますが、新型コロナが感染症法上の分類が五類になったことを受け、日常生活が戻りつつある今、女性の社会進出による共働き世帯の増加や核家族化などから、保育所の需要は今後も増加すると考えられますが、コロナ後の影響をどのように捉えているのかお伺いします。

 政府は、令和8年度から「仮称こども誰でも通園制度」を開始するとしています。これは、定員に空きのある保育所で週に1、2回程子どもを定期的に預かる事業で、親の就労や時間を問わず、誰でも保育所を利用できるようなり、これまで保育所に入園せずにいた世帯が利用できるようになることで、親子の孤立化や子育て支援に繋がることが期待されています。

 今年度は仙台市や福岡市などで、定員に空きのある保育所においてモデル事業をスタートする予定で、その後課題を整理し、全国への展開を目指すとのことです。

 全国的にみると一部の地域では保育所の定員割れが生じていることから、保育所の空き定員枠を活用すると考えられますが、練馬区では令和3年4月に待機児童ゼロを達成した以降、3年連続で継続されおり、待機児童ゼロを維持すべく取り組まれている状況にありますが、現在の空き定員の状況についてお聞かせください。新制度が実施となった場合、今後の保育の需要や保育所整備に影響が出るとお考えか、また区では現在、一時的に預けたい場合に乳幼児一時預かり事業、保育施設での一時預かり、ファミサポなど実施しておりますが、これらの事業とどのように役割を整理されるお考えか、仮称こども誰でも通園制度に対する区のご所見をお伺いします。

 

 保育士不足がいまだ課題とされている中で、各施設が新制度に対応できる状況にあるかは課題があると考えます。

 これまで我が会派は、保育士の処遇改善や配置基準の見直しも進めるべきと発言してきました。区では、保育の質の確保やきめ細かな保育のために国基準よりも多く保育士を配置しているほか、区独自の処遇改善も行われています。保育士の方々の給与が全産業平均を下回る中で、本来こうした処遇改善策は国が支援すべきことです。

 区として引き続き国に求められるよう要望いたします。

 

 

  答弁

教育長:

前川区長就任以来、待機児童ゼロを区政の最重要課題の一つに掲げ、区独自の幼保一元化施設である「練馬こども園」の創設、「待機児童ゼロ作戦」などを展開してきました。

全国トップクラスとなる8.500人以上の定員枠の拡大を実現し、本年4月、3年連続で待機児童ゼロを達成しました。
引き続き、待機児童ゼロの維持に取り組んでまいります。 

 

・今後の保育需要について。

 今和5年3月に策定した「第2期練馬区子ども・子育て支援事業計画の中間見直し」では、就学前児童家庭3,000件を対象にニーズ調査を実施し、保育需要は横ばいで推移すると見込んでいます。令和6年度に策定する「第3期練馬区子ども・子育て支援事業計画」に向けて、今年度、改めてニーズ調査を実施するとともに、女性の就業率の増加や就学前児童人口の減少、コロナ収束後の状況等を踏まえ、保育需要を算定してまいります。

本年4月、認可保育所や地域型保育の定員18.689名に対して、1.690名の空き定員が生じました。

昨年4月に比べ409名分増加しています。例年、年度途中の入園により空き定員は一定数減少する傾向があり、今後もその動向を注視してまいります。

 国は、今年度、保育所の空き定員を活用した未就園児の定期預かりに関するモデル事業を実施しています。

 週1から2日程度定期的な預かり保育を行い、保育士等による良質な成育環境の確保や、他児との遊びを通じた発達の促進、育児疲れによる負担を抱える保護者に対する継続的支援などを行うものです。

 モデル自治体では、今月1 日から利用申込を開始しましたが、1日あたり6名程度の枠に対し、10分で100人以上の希望者が殺到したため、受付を中止し、再調整が必要になったと聞いています。 

 

区の一時預かり事業は、保護者がリフレッシュをしたい時など、目的や理由を問わず誰でも利用できます。 スポット利用を前提としており、定期利用は実施しておりません。

今後、国のモデル事業の実施状況等の動向を注視してまいります。