4月の選挙によって議員メンバーが新たに入れ替わり、第20期の区議会定例会が行われています。

6月13日に、私が所属する会派の一般質問が行われましたので、質問と区の答弁を掲載します。

 

 

今回の投稿では、区長の基本姿勢についてを掲載します。

 

 

 

  質問

 

 区長の基本姿勢についてお伺いします。

言うまでもなく、日本は少子化・高齢化が進んでいます。

練馬区においては、合計特殊出生率は平成27年の1.24をピークに、令和3年時点では1.06と下降傾向にある一方で、高齢化率は22%と上昇傾向にあります。

区内人口は、平成29年から約5,000人単位で増加していたものの新型コロナの影響で伸び率が下がり、74万人を超えた令和2年度6月と比較して令和4年度6月には74万人を割りました。

 

 今月は昨年度同月比1,129人のプラスと増加となりましたが、以前の勢いに戻るのにはまだ時間がかかるものと推察します。それでも、練馬区は23区中第2位の人口規模を誇る都内有数のベットタウンであり、この規模の自治体運営に要する財政ボリュームは莫大なものです。

区民負担による特別区民税は令和5年度ベースで6,500万円増を見込んでいますが、納税者が増えたからと言って今のままでは持続可能な自治体運営や変化する区民需要にフレキシブルに応えられるとは思えません。

この課題に拍車をかけるようにふるさと納税による財源の流出額は、令和5年度見込みで45億円と毎年8億円ずつ増加しております。国は控除額の75%を補填するとしていますが、練馬区は地方交付税の規定により受け取れない不交付団体であるためこの適用がありません。

 付け加えれば交付団体の約21%はそれでも財政赤字が続いていることや、予想を超える巨額の寄付に対応出来ず基金の積み立てにまわしている自治体もあるようで、ふるさと納税制度は設計段階の時と目的が大きく乖離しているものと考えます。ふるさと納税による莫大な税の流出に歯止めをかけることが政策課題のトッププライオリティだと考えています。

 

 ふるさと納税に対する他区の状況を見ると、これまで特別区長会を通じて返礼品闘争には加わらないと一致していたのにもかかわらず、やむを得ないとして参画する区が増えました。

今では寄付メニューを増やすところまで踏み込む区も出始め、特別区同士で足並みが揃わない状況になりつつあります。このようなやり方で闘っても、返って現在の制度を助長する結果になりかねないと危惧しています。

一貫して制度の歪みを指摘してきた前川区長におかれましては、不本意な形で返礼品闘争に加わるのではなく、ふるさと納税制度が抱える問題そのものの解決に取り組んで頂きたいと強く求めます。そのためにも特別区長会が今までとは異なった動きをとるよう働きかけていくべきと考えます。区長のご所見をお伺いします。

 

 

  答弁

 

区長:

 若い頃から私は一貫して、 東京一極集中を諸悪の根源とする議論や、東京富裕論と闘ってきました。 

ふるさと納税制度は、まさにこうした発想に基づいて、特別区の財源を狙い撃ちにするものであります。

首都東京は、我が国の政治・経済・文化の発展を牽引する重要な役割を果たしてきました。その中心となってきたのが特別区です。新型コロナの影響により、東京都の令和三年の人口は転出超過となりましたが、令和四年は一転して転入超過となりました。首都圏全体で見れば、人口は一貫して増加し続けており、コロナ禍を経ても、首都東京の役割は全く変わっていません。

現在のふるさと納税制度は、こうした東京の役割や状況を考慮せず、地方の財源不足を補うために税収の移転を図るものであり、廃止すべきものと考えています。

「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」として創設されましたが、そもそも、地方税が住民サービスの対価であるという税制本来の趣旨を逸脱するものであります。しかも、現在は過剰な返礼品競争にまで堕しています。

残念ながら、これまでの特別区長会は、ふるさと納税制度が抱える問題に対する認識が曖昧で不徹底でした。

原点に立ち返って議論を尽くし、東京都と力を合わせ、国に対して反対の意思を示す必要があります。

 先月、任期満了に伴う特別区長会の役員改選で 私は副会長務めることになりました。 

制度の抜本的な 見直しに向けた、具体的な行動を起こしたいと考えています。微力ではありますが、全力で取り組んでまいります。