2023年2月の第一定例会にて会派で行った一般質問の内容を掲載します。

正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。

 

 

  子育てしやすい環境整備について。

 

出生数について政府の想定では80万人を下回るのは2030年と言われていましたが2022年に下回る事となり、想定より8年ほどペースが早くなっています。

コロナ禍も出生数低下を加速した要因とみられています。

この少子化食い止めるために、岸田総理は、 「異次元の少子化対策に挑戦する」 「少子化の問題はこれ以上放置できない、待ったなしの課題」と述べられました。

また小池都知事は都内の18歳以下に月5000円を所得制限なしで給付する方針を正式に決めました。

さらに第2子の保育料無償化は保育所などに通う0~2歳の第2子を対象に今年10月からスタートします。

 

練馬区の出生数においては、平成27年は6154人でしたが令和2年は5406人と12%減少しています。また一人の女性が出産される数も1人もしくは2人の方が多いため、少子化に歯止めがかかりません。

核家族化等により、近くに支援してくれる人がいないことに加え、今まではコロナ禍で里帰りできない、父母の両親が来ることができないなど手伝いがない中、子育てをしている方も多くいます。

 

しかし出産後の母親の身体はダメージがある中、頻繁な授乳、オムツ替えなど、母親の睡眠はままならない状況です。母体の回復のためにも、助産師のいる施設での母子のショートステイや、デイケアなどの産後ケアは大切です。

コロナ禍で利用者の状況はどのようになっていますでしょうか。

産婦人科を退院してからの自宅での育児不安や、ワンオペの育児に疲れたなど、切羽詰まっている方もいると思います。産後ケア事業施設の増やすよう、さらなる拡充を求めますが区の見解をお伺いします。

 

  父親の支援について。

 

2022年10月に育児介護休業法が改正され、妻がフォローを必要とするタイミングである出産時や退院時に、「夫が柔軟に育児休業を取得できるように」という意図で新設された「出生時育児休業」の制度や、特に理由がなくとも育休の分割取得が可能となるなど、男性の育休を進めるための政策は進められています。

父親も仕事と育児の両立は当たり前の時代になりつつあります。
 

しかし育児に取り組む父親たちに、いま「産後うつ」のリスクが指摘されています。

育児に関わる男性の10%が鬱になるということです。知識や経験がないだけでなく、支援も薄い男性が、実は子育てで孤立しやすいということ、復職後の過重労働や責任感など、社会的要因も鬱の原因になるということです。
男性育児の先進国フランスでは、普及促進だけでなく、父親学級や育児支援を展開したことで、育児休業の取得率が大幅に増加をしていると聞きます。

 

父親たちが産後うつにならないように、父親学級を設け、事前学習をする機会を設けるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

また育児に関する男性の鬱について、幅広く普及啓発と相談支援の充実が必要だと考えますが区の見解をお伺いします。

 

 

 

 

  答弁

 

●健康部長

産後ケア事業について。 

 

本事業は、助産師が産後の母子の健康状態の確認、母乳やミルクのあげ方についてのアドバイス、育児相談などを行うものです。令和3年度に母子保健法が改正され、対象が出産後4か月までから、1年未満の母子に拡大されました。

利用した方からは、「不安だった育児も私のやり方を肯定してくれて安心した」など好評をいただいています。

コロナ禍で利用者が減りましたが、現在はコロナ前と同様の状況になっています。

また、今年度から利用対象施設を4か所から8か所に増やし、利用日数も産後ケア訪問事業は3回から6回に、母子デイケアは7日 から12日としました。更なる施設の拡大についても利用状況を踏まえ、検討してまいります。

 

育児に取り組む父親の支援について。

令和3年2月に、閣議決定された「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」では、父親も含めて出産や育児に関する相談支援の対象とするなど、父親の孤立を防ぐことが急務であるとされています。

区では、新生児訪問や乳幼児健康診査の際に、子どもや母親だけでなく、父親等家族の健康についても聞き取りを行い、相談支援の対象としています。

支援が必要な父親を把握した場合は内容に応じて適切な相談機関につなげています。 

保健相談所で実施する赤ちゃん準備教室では、来年度から新たに、父親の産後うつの予防について啓発します。

あわせて、一時預かりなど、父親の育児の負担軽減にもつながる、子育て支援サービスの利用について情報提供します。

今後も、様々な機会を捉え、父親も含めた子育て支援を推進してまいります。