2021年11月26日から開会している第四定例会で会派の一般質問が行われました。

正式な議事録は、後日区議会HPよりご覧になれます。

 

障害者の社会参加について

 

本年は、コロナ禍の中、ここ東京において、オリンピック・パラリンピック大会が開催され、おおきな感動をもらいました。パラリンピックでは、障害のある選手がそれぞれの力を生かし競技をする姿や、多様な障害のある方が大勢参加し活躍した開会式や閉会式、これらを見て、自然な形で障害への理解を深める良い機会になったと感じています。このパラリンピックを通じた機運の高まりをうけ、障害者の社会参加を一層進めるとともに、ダイバーシティ「共生社会」の実現に向けた取組みを強化すべきと考えます。

 

障害の有無に関わらず、だれもが互いを尊重し、支えあい、いきいきとした人生を送ることのできる「共生社会」、これを実現するには、聴覚障害や視覚障害など、それぞれの障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段を充実させる必要があります。

 

区は、「(仮称)障害者の意思疎通に関する条例」の検討に当たっては、障害のある当事者の方が参加する検討部会を設け、条例に盛り込む内容や関連する事業について協議しています。当事者の方と一緒に検討することは大変重要なことであり、おおいに進めていくべきものと考えますが、一方で、障害のある方がこのような検討会に参加するためには、必要な配慮がなされなくては、ただ形だけのものになってしまうのではないかとの懸念も生じます。

 

今回の検討部会には、知的障害のある方も委員として参加したと伺っておりますが、知的障害のある方がこのような検討の場に参加することには、まだまだバリアがあるのではないかと思います。区は参加に当たってどのような合理的配慮を提供したのか、伺います。また当事者の方からどのような意見があったのか合わせてお伺いいたします。

意思疎通に関する条例については我が会派としても賛成であり、進めていくべきと考えています。しかし、ほかの区の同種の条例をいくつか見てみましたが、障害のある方々の暮らしに実際にどう影響していくのか、わかりにくいと感じました。やはり、肝心なのは具体的な取り組みだと思います。そこで伺います。この条例にあわせて、区はどのような事業を行うのか、教えてください。

 

コミュニケーション手段の充実は、障害者の社会参加の促進につながると信じておりますが、それだけでは、残念ながら進んでいかないのが実情です。

たとえば、盲導犬の話であるが、盲導犬は信号機の色を見分けることが出来ないため、より安全に横断するには声掛けが不可欠です。

しかし、このコロナ禍においてソーシャルディスタンスの確保や会話を控えていることで、盲導犬ユーザーへの声掛けの機会が減ったとの調査があります。

また、盲導犬は一般のペットよりも衛生面に配慮されていますが、消毒ができないことを理由に入店を拒否されたケースもあります。

 

このような身近な問題を共有し、理解を促進していくことこそが重要ではないでしょうか。

 

12月には障害者週間があります。たとえばこのような時期を捉えて障害理解への周知啓発を進めていただきたいと思いますが、区の見解をお伺いいたします。

 

 

===答弁===

 

副区長

 

「(仮称) 練馬区障害者の意思疎通に 関する条例」について

 障害者一人ひとりの自立した地域生活を実現するためには、聴覚障害や視覚障害など、 特性に応じた多様なコミュニケーション手段を充実することが求められています。

 区は、「障害者地域自立支援協議会」の専門部会として設置した「(仮称) 意思疎通条例検 討部会」において、聴覚障害や視覚障害、知的障害、高次脳機能障害などのある方々とともに、条例に盛り込むべき内容や関連事業について検討を進めてきました。

知的障害のある方が検討部会に参加するに当たり、文言にはルビや注釈等を加え、可能な限り表現を平易にした資料を作成し、会議前に必要に応じて補足説明を受けられるようにしました。 また、会議には、支援者が同席し、進行状況や内容をわかりやすく伝えてもらうなどのサポートを受けられるようにしました。

検討部会での議論を経て、今月、自立支援協議会から、「多様な意思疎通手段の重要性」や「区民・事業者の理解促進や取組への協力」などを条例に盛り込むことのほか、「ICTを活用する取組」や「様々な意思疎通手段を選べる取組」などが必要との意見書をいただき ました。

今後、条例が制定されれば、「ICTを活用した遠隔手話通訳設置事業」「コミュニケーション理解促進事業」などの意思疎通支援事業を順次実施してまいります。

 障害理解の促進について

 12月の障害者週間にあわせ、本庁舎 アトリウムでパネル展を開催します。

 アイメイト協会と連携し、盲導犬を使用する方へのインタ ビューや障害のある方の暮らしなどのパネルを展示するほか、障害者団体連合会等の協力で、障害による困りごとやサポート方法を伝える動画の放映やパンフ ットの配布を行います。

今後とも、関係機関や障害者団体と連携・協力し、障害理解の促進に努めてまいります。