令和3年度、第三定例会が開会しており、

会派での一般質問が行われました。

 

その中の項目で、

教育についてを掲載します。

(正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。)

 

「きめ細かな教育と安全で快適な教育環境の整備を進める」との考えから、学校現場におけるICTの積極的な活用が不可欠との観点と、新型コロナウイルスの影響による一度目の緊急事態宣言の際に全校休校となったことにより、ICTを活用した児童生徒の学習活動の機会の確保がより一層求められています。

 

GIGAスクール構想の実現に向けて、これまで教科書と紙と鉛筆で勉強するのが当たり前だった時代から、タブレットを活用した教育は子供の力を引き出す学びとして今後定着化されていくものと考えます。タブレットの活用は、学校の授業のみならず、オンライン学習としても可能となっており、教員は単に機器の操作だけでなく、タブレットを活かした授業構成も求められてきます。

 

オンライン授業の際、教員と全生徒の同時双方向型、個別指導型、動画を作成し配信する動画配信型、教員が課題を作成し配信する課題配信型、民間事業者の教材を活用する外部サービス型などが挙げられますが、現在、区内小中学校の全児童生徒にタブレットの配備が完了し、具体的にどのように活用されているのかお伺いします。

 

現在、区は夏季休業後の臨時休校はしておりませんが、感染者が出た際の、

学級閉鎖や休校、災害時や不登校対策として、学びを止めないために、休校時におけるオンライン学習のあり方を整理しておくことは重要であると考えます。

そこで、教育委員会として、臨時休校の際の準備や検討がされているのかお伺いします。また、教員自身や教員間で学ぶためのサポート体制を整えるため、「ICT実践事例集」を作成し、ICT支援員を14人から28人に倍増し、端末等の操作や活用について対応されていますが、児童・生徒の学力向上に向けて教員自身のスキルが向上しているのか等、検証がされているのか、お聞かせください。

 

 

■通信環境についてもお伺いします。

平時の在宅学習や災害等による非常時の休校、コロナ禍での登校自粛の際など、児童生徒の学びの保障のためには、安定的な通信環境を整えることが必要と考えています。

現在、LTE回線の契約が5ギガまでとなっておりますが、実際の授業をオンラインで学習できる同時双方向型等の場合、通信容量の制限がかかる可能性があり、今後のオンライン学習の取り組み次第によっては、現在の通信環境に課題が生じるとも考えられます。今後、状況に応じて最適化の検討を図られたいと考えますが、ご所見をお伺いします。

 

また、経済的な理由等により、通信環境が整っていない家庭に対し、ルータ等の貸出しに必要な整備のための「家庭学習のための通信機器整備支援事業」等を活用し通信環境を整えることも可能と考えますが、今後の検討についてご所見をお伺いします。

また、原則、タブレットは持ち帰りを基本とされていますが、特に小学校低学年において

約1.3kgという重さが、登下校に負担となっているとの声が届いています。

各小学校に、1年生全員分のタブレットを充電・保管できる充電保管庫が配備

されましたが、毎日持ち帰りをしている実態もあり、各学校が学年に応じた柔軟な対応をされたいと思いますが、合わせてご所見をお伺いします。

 

今後、学童クラブや地区区民館、図書館、児童福祉施設、児童相談所等、学校や家庭以外の様々な場所での活用も考えられるため、自宅以外の場所での学習に対し必要に応じた学習支援の環境も必要と考えます。家庭での端末の利用に関するルールは示されていますが、各施設と利用に関するルールなどについても、今後視野に入れて検討されることを要望します。

 

===答弁===

●教育ICTについて  教育長

・タブレットパソコンの活用について

区では、令和元年度の全小中学校への大型ディスプレイ等の配備に続き、本年2月に全児童生徒へタブレットパソコンを配備し、ICT機器を活用した授業を行っています。教材を大型ディスプレイに表示する一斉学習、教員がドリルや課題を児童生徒の習熟度に応じてタブレットに送信する個別学習、児童生徒がタブレットで作製した作品を発表し、相互の意見交換を行う協働学習など、教員が工夫を凝らした授業を進めています。

 二学期が始まりました。児童生徒の感染リスクを軽減するため、緊急事態宣言期間中は、授業を午前中のみに短縮し、給食後に帰宅としています。登校できない児童生徒に対しては、午後の時間帯にオンライン授業を行っています。また、感染状況の悪化による臨時休業も想定されることから、オンデマンド型の動画による学習や学習アプリによるドリル学習など、オンラインを活用した学習支援を実施できる体制を整え、オンライン授業を全校で試行しました。

 

・教員のスキル向上について

授業における教員のICT機器活用能力は、毎年度、文部科学省が行っている調査によると「指導できる」「やや指導できる」と回答した教員は、平成30年度の約75%から令和2年度には約88%に高まっています。これまで実施した各種研修に加え、ICT支援員の全校配置による成果が表れているものと考えています。区では、より詳細な活用状況を把握するため、現在、独自の調査を実施しています。今後も定期的に調査を行い、その結果を分析のうえ、教員の指導力向上に向けた取り組みを進めてまいります。

 

・タブレット利用に伴う通信環境について

児童生徒のタブレットについては、使用場所を選ばないLTE回線とすることにより、経費負担なく、全ての家庭で利用できるようにしています。現在の通信容量は、一か月当たり5ギガバイトとしていますが、サラナルタブレットの活用を視野に入れ、ルーターの貸出等を含め、通信環境の強化を検討してまいります。

 

・タブレットの持ち帰りについて

タブレットは、機器操作の習熟や家庭学習での活用を目的に、家庭への持ち帰りを基本としています。一方、小学校の低学年では身体的な負担が大きいため、子供たちの状況や活用頻度に応じて学校で保管するようにしています。場合によっては、教科書を学校で保管するなど、登下校時のランドセルの重さが過度の負担とならないように、子供たちの発達段階に合わせた適切な対応を行うよう各小学校に要請しています。