2020年12月第四定例会にて会派を代表し、一般質問をしました。

~まちづくりについて~を掲載します。

(正式な議事録は区議会HPよりご覧になれます。)

◇質問◇

 我が国は、深刻な人口減少社会に突入していますが、毎年約80万戸の建物が新築されており、人口に対し住宅供給過多となっており、今後空き家は更に増加すると考えられます。 

 区では、区民の良好な生活環境を確保することを目指すため、空き家の発生予防・有効活用・老朽空き家等に関する対応および不良居住建築物、いわゆるごみ屋敷に関する対応を示した「練馬区空き家等対策計画」を平成29年に策定しました。 

 

 平成27年度に空き家等の実態調査を行った結果、区内の空き家は1507棟あり、そのうち重度老朽である老朽度Aについては、211棟在りましたが、昨年度までに188棟が解決、指導中が23棟となっています。 

 また、不良居住建築物等については、37棟あり、解決は2棟、対応中が21棟とのことですが、これらの対応の進捗状況をどう捉えていますでしょうか、また、未だ指導中や対応中である物件において課題があるようでしたらお示しください。 

 

 現在、区では空き家を活用し地域の集いや交流の場など、コミュニティの活性化に繋がる地域資源となるよう、所有者と活用希望団体等とのマッチング事業に取り組んでおりますが、これまでの成立件数は4件ということです。 

 マッチング事業への登録数については、活用希望団体等が30件なのに対し、空き家所有者登録が2件となっています。 

 現段階でのマッチング事業の評価と、空き家所有者の登録が増えない要因やミスマッチをどう分析されているのかお伺いします。 

 

 空き家となる理由は様々ですが、中でも再建築不可物件においては、築年数が古く耐震基準を満たしていないものや、老朽化が進み居住に耐えられないものなどが多く、危険建物になる可能性は非常に高いと考えますが、現在区内の空き家のうち再建築不可物件、土地として把握している件数をお示しください。 

 建築基準法では、建物の敷地は原則として建築基準法上の道路、幅員4m以上の道路に幅2m以上接していないと建築ができないことになっており、再建築不可物件は、建築基準法上で定める接道義務を満たしていない場合が多い状況にあります。 

 練馬区では、対策として平成30年度に位置指定道路の基準の見直しを図り、また測量費についても助成をするなどの対策をされていますが、この取り組みによる効果をどのように受け止めているのかお伺いします。 

 

 再建築不可物件は、土地の評価額が再建築可能な物件に比べて安くなり、不動産としての資産価値も低くなるため、固定資産税も通常より安くなるのが一般的ですが、再建築不可物件を取り壊してしまった場合、固定資産税の特例措置の適用がなくなり、4倍程度になることもあります。        

 現行の建築基準法では、更地にした後、建物は建てられないため所有者としては、活用法を見出してから更地にすることが望ましいと考えます。 

 再建築不可物件を活用する方法として、隣接地所有者との協議により接道義務を満たすことで再建築が可能となりますが、課題が山積し、進まない状況にあると感じます。 

 

 課題解決の取り組みとして、文京区では、区と所有者が土地使用貸借契約を締結し、原則10年間、区が無償で借り上げ、防災空地やベンチなどを置いて、地域の方々の憩いの場にするといった取り組みをしています。また、新宿区では、接道幅員が1.5m以上、2m未満でも、避難通路が確保されていれば、建築が可能となるケースもあるとし、無接道敷地の安全性を確保しながら、建替えによる耐震化及び不燃化を促進していく取り組みをしています。 

解決には法整備が必須ではありますが、他の自治体の取り組みも参考に柔軟な対応をすべきと考えますがいかがでしょうか。ご所見をお伺いします。 

 

 

◇答弁◇

 

・技監

空き家の建て替えについて

 

 平成27年度に、区内全域の住宅を対象に、目視による空き家の実態調査を行いました。その結果、区内には空き家が1.507棟ありました。空き家の建て替えを行う際には、その敷地が原則として建築基準法の道路に幅2m以上接道していることが必要ですが、この接道義務を満たしていない空き家が約1割ありました。

 老朽化した空き家の除却を促進するためには、除却後の土地の有効活用を行えるようにすることが必要です。区では、こうした課題の解消にも資する、独自の柔軟な建築基準法の運用も行っています。

 建築基準法の道路となっていない通路に接する敷地については、既存の通路の幅員や延長、沿線地権者の通路拡幅への承諾など、条件を満たす場合には、建築基準法第43条の規定を柔軟に運用し、建築許可を行っています。

 また、平成30年度から、通路を建築基準法による位置指定道路とする際に課題となっていた、指定の申請時における道路築造の要件を緩和し、測量等に要する経費の女性を始めました。これにより、位置指定道路の申請数が増えています。今後、建築許可の手続きを要することなく、建築確認を受けられる敷地が増え、建替えが促進されるものと考えます。

 引き続き、空き家を含め既存の建物の建替えが、安全性などの住環境を確保しつつ、円滑におこなえるよう、取組んでまいります。

 

 

・環境部長

 平成29年に対策計画を策定し、予防・活用・法的措置を柱に取り組みを進めてきました。老朽度が高く、危険な空き家211棟については指導等を強化した結果、約9割で除却・改修がなされました。一方で相続手続きや円滑に進まない等の理由により、解決困難な空き家が残されています。また、不良状態の解消を進めていく必要があります。法律や保健・福祉党の専門家のアドバイスを受けながら、引き続き当事者の話し合いを重ね、解決に繋げてまいります。

 マッチング事業については、これまで年間1件程度に止まっています。空き家を活用したい団体側のニーズは相当数ありますが、空き家所有者の登録件数が少ないのが現状です。これは、活用に適した状態のよい空き家の多くが、不動産市場で流通するためと分析しています。

 これまでの取り組みを検証し、現在、対策計画の見直しを進めています。より効果的な対策を講じ、空き家問題の解決に努めてまいります。