2020年12月第四定例会にて会派を代表し、一般質問をしました。

~新型コロナウイルス感染症対策について~を掲載します。

(正式な議事録は区議会HPよりご覧になれます。)

◇質問◇

 

 新型コロナウィルス感染症は、今なお世界中で猛威を振るっている現状にあります。  

我が国としては、これまでに様々な対策を講じており、国内の死亡者数、重症化率については他国と比べ低い推移となっていますが、依然として高い数位が続いています。 

経済・雇用対策については課題が山積している状況が続き、4月~6月期の国内GDPについては、年率27.8%減と戦後最悪の落ち込みとなっています。 

 雇用状況については、経済の悪化により完全失業者数が200万人を超えており、感染拡大防止と経済回復を両輪とした対策の強化が求められています。  

 国内では11月に入り各地で感染者数が増加し、累計で13万人を超え、都内でも先月、感染警戒レベルを最高に引き上げました。練馬区でも同様に、感染者数が増加傾向にあり、感染拡大は第3波に入ったものと考えられます。  

 区としても、これまでの約1年間の新型コロナウィルス感染症への対応や対策により、得た知識や経験などを活かし、インフルエンザ流行期と重なる第3波に向けた体制も万全となるよう準備しているものと考えますがいかがでしょうか。 

 また、区長は所信表明で、今回の新型コロナウィルス対策で振り浮き彫りとなった保健所業務を始めとした特別区制度の課題について、どのような認識をお持ちで、今後どのように取り組んでいくのか合わせてご所見をお伺いします。  

  

経済対策について。  

 11月16日に内閣府が発表した7月~9月期の国内GDPの数値については、戦後最悪の落ち込みとなった前期比5%、年率では21.4%と比べ上昇したものの、回復までの道のりは長く、雇用状況についても完全失業率は9%、完全失業者数としては210万人と、前年同月に比べ42万人増と8か月連続の増加となっています。       

 就労先や事業者の都合による離職が多くを占めており、今後、生活保護を始めとした義務的経費の増加が予想されます。  

 また、全国の自殺者数は、10月は2153人と、前年同期に比べ39.9%増加しており、7月以降3ヵ月間増加しています。  

 新型コロナウイルスの直接的な要因ではないものの、経済活動や家計の悪化により間接的に、自らの命を落としてしまうような事があるとすれば、区として対策を講じていくことは必要不可欠であると考えます。  

 しかし、支援策を講じて経済活動を活性化させれば人が動き、感染拡大を誘発させてしまうリスクがあり、経済の立て直しと感染拡大防止の両立の難しさが大きな課題であると考えます。  

区としては、この両立の課題に対してどのような認識をお持ちでいるのかご所見をお伺いします。  

  

 特に、経済的ダメージが大きい業種の一つとして飲食業が挙げられます。  

東京都では、11月28日から約3週間、カラオケ店や酒類の提供をおこなう飲食店に短縮営業の要請やGOTOイートの一時停止などの対応により、飲食店の来客数は減っている状況にあると考えます。  

 本来であれば年末年始に向け、忘年会や新年会等で賑わう時期でもありますが、来店控えの状況が続き、経営が成り立たないという声は各地で聞こえてまいります。  

 また、飲食業に関連する、食材や飲料品を提供している生産者や酒屋、スーパーや、物流関係者、電車やバス、タクシーなどの公共交通機関などへも経営悪化が波及していくことが懸念されます。  

 これまで、国の給付金や東京都の協力金、区や社会福祉協議会では貸付金などで対応しておりましたが、将来的に返済が必要な貸付金を膨らませていくことにも事業者として限界がきています。 

 飲食店として万全な感染防止対策を徹底していますが、感染リスクの意識から生じる区民の来店控えに対する対策は、個々の事業者の判断に委ねられている部分が大きく、経営状況の悪化は日々深刻になっているものと考えます。  

 このような状況に対し、区として感染状況の推移を確認しつつ区内産業団体と連携し、飲食業界に対する支援策を、スピード感をもって対応していくことが必要であると考えますが、ご所見をお伺いします。  

 

 

◇答弁◇

副区長

 

・特別区制度について。

 特別区は、住民の生活圏と行政区域が一致せず、区民は区の領域を超えて行動し、生活しています。大都市として一体的な対応が求められる広域行政・高度な専門行政と、住民に寄り添って生活をさせる身近な行政との境界が曖昧であり、行政権限が混乱していることが課題となっています。

 加えて、都区財政調整により財源が保障され、個々の区が財政責任を負わない制度設計になっています。良質なサービスを目指す競争が、最悪の場合、バラマキに転化される結果となり、国による都区の財源の吸い上げやふるさと納税の促進を招いています。

 新型コロナウイルス対策では、保健所業務を始めとする都区の役割分担や特別区間のサービス競争の問題点が浮き彫りとなりました。

 10月の小池都知事との意見交換の場で、区長がこの問題を提起したところ、都区制度には様々な課題があり、問題意識を共有しながら議論を進めたいという考えが示されました。

昭和50年の区長公選制度導入以来、現行の都区制度には長い歴史があり、容易に解決できる問題ではありませんが、都区、大阪都構想が議論された今こそ、原点に返って、大都市行政の在り方を根本から見直す好機であると認識しています。

 

 

・経済対策等について。

 今回の新型コロナウイルス感染症への対応については、感染対策と経済対策を両立させることが重要であると考えています。

基礎的自治体である区は、国・都と連携してきめ細やかな支援を実施してきました。

 感染状況が極めて深刻な状況になることが懸念される中、政府の分科会は、社会全体が共通の危機感を共有して一丸となって対処するよう提言しています。都は、再び飲食店等への営業時間短縮要請を行い、感染拡大防止協力金を支給することとしています。ゴートゥーイート事業についても食事券の販売等が一時停止されています。

 区としては、こうした情報を十分周知するとともに、特別貸付やウィズコロナサポート事業など飲食店を含む区内事業者への支援に取組んでまいります。

 引き続き、感染状況や、国・都の動向を注視するとともに、区内の関係機関や経済団体、産業団体等と連携し、区内事業者の支援に取組んでまいります。