練馬区議会第二定例会での会派の一般質問の内容について掲載いたします。

 

 以下、質問内容です。(正式な議事録は練馬区議会サイトよりご覧になれます)

 

 

人権について


 さまざまな人権問題がある中で、近年、特定の国籍の外国人などを排斥し、差別を助長する趣旨のいわゆるヘイトスピーチが社会的問題となっています。人種、国籍、民族、信条、性別、性的指向、出身、障害、その他の事由により、政治的、経済的、または社会的関係において、合理的な理由なく、不平等な差別を行うことはあってはなりません。


 練馬区では、人権週間行事や人権セミナーの実施、啓発冊子の配布を行っています。また、差別的な落書きに対し、区の所管への相談や警察等と連携し、パトロールを強化する体制を整えています。


 しかしながら、不当な差別は依然として存在し、不当な差別的言動、人権侵害などの人権課題が顕在化しています。ヘイトスピーチは許されないという認識のもと、不当な差別の解消と人権課題の解決に向けた普及啓発に取り組むべきであり、区民の方々が不当な差別を受けることなく、個人として尊重され、生き生きと暮らすことができるよう、国際化時代にふさわしい人権意識を育てることが必要であると考えます。


 平成28年6月には、ヘイトスピーチ解消法が施行されました。ヘイトスピーチ解消法においては、「地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする」と定められたことから、川崎市では平成29年に指定管理者制度導入施設を含む公の施設の利用の際、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ、施設の設置管理者が適切に判断するガイドラインを作成しており、要件を満たした場合、利用を制限できるとしています。


 また、東京都においても、川崎市が定めた利用規制のガイドラインとほぼ同じ内容の施設利用の制限の条例が施行されています。練馬区としても、施設管理を適切に行うべきであり、公の施設において、不当な差別的言動が行われることを制度的に防止する姿勢を示すことが求められると考えます。


 施設利用における利用制限のガイドラインを作成しないのか、言論、表現の自由を尊重のもと、人権侵害を防ぐために適切な規制は必要であると考えますが、ヘイトスピーチ防止に対する今後の方針について、区の考えをお伺いします。


 現在の練馬区の施設利用・申し込みの方法の中では、利用上の注意と制限について記載されておりますが、宗教、営利を目的とした活動、それらを目的とするおそれがある活動および公序良俗に反するおそれのある場合は利用できないとなっていますが、不当な差別的言動が行われることを防止する内容を利用制限に追記されるよう要望いたしますが、区の考えをお伺いいたします。

 

 

 区側の答弁 

 

国籍、民族等を理由として、地域社会から排除することを扇動するヘイトスピーチは、不当な差別的言動であり、許されるものではないと認識しています。差別的言動の解消・防止に向け、区内で発生している差別落書きへの対応、憲法記念日に区報を活用した区民への啓発、人権侵害に関する相談、職員研修など、人権尊重に係る取り組みを実施しています。


 東京都が条例に基づき定めた基準では、ヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いこと、ヘイトスピーチが行われることに起因して発生する紛争等により、施設の安全な管理に支障が生じる事態が予測される場合は利用制限ができるとされています。その場合は、公平性、中立性を確保する観点から、学識経験者等で構成する審査会に意見聴取することとしています。


 現時点では、区独自のガイドライン等を作成することは考えていませんが、今後も東京都や他自治体の対応について注視してまいります。
 公の施設については、利用の目的、利用対象者、施設管理などの観点から、条例、規則等に基づき、利用の可否を判断しています。

施設の運営上、支障が生じた際には、その場での注意喚起を行うとともに、場合によっては次回の利用をご遠慮いただくなどの対応をしています。